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ペイントツールSAI

ぺいんとつーるさい

SAIとは、SYSTEMAXが考案・作成した画像描画用ソフトウェア。正式には「ペイントツールSAI」、または「EasyPaintTool SAI」と呼ばれる。
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ペイントツールSAI編集

SAIとは、SYSTEMAXが考案・作成した画像描画用ソフトウェア。正式には「ペイントツールSAI」、または「EasyPaintTool SAI」と呼ばれる。


概要編集

元はシャープX68000向けに作られたという歴史の長いソフト。当時X68000向けのペイントツールといえばZeitのZ'sSTAFF PRO-68kがよく知られていたが、同ソフトは高価で重かったことから後のSYSTEMAXの社長・小松浩司が作り始めたのが「フルカラーペイントツール-彩-」である。

尤もこのソフトが実用的なレベルに達した1997年頃にはX68000自体があまりにも旧式なデバイスとなってしまっており、2000年からはWindows環境へ移行した。但しこれら「彩」は現在のSAIの直系ではない。「彩」系列は2002年で開発終了となった。

「SAI」としての開発開始は2004年で、2006年から試食版として機能制限付きで無料配布されていた。正式リリースは2008年2月25日であった。


デジタル絵画を描くために必要な機能のみ搭載されているため、PhotoshopPainter等に比べて圧倒的にコストパフォーマンスが良く、値段の割に高機能で使いやすいインターフェースなので利用者は多い。正式リリース後数年間pixivの使用ツール一覧での利用イラスト数1位を誇っていた。おもに2010年代前半あたりまではペイントツールといえばSAIというぐらいの絶大な人気を誇った。


フィルタが少ない、グラデーションツールが無い(※ただし裏技的にグラデを作る方法はある。後述)、指先ツールがないなど、使い込むにつれ、些細な違いが気になるユーザも多いため、バージョンアップによる機能追加が望まれるところではある。


主な特徴として、ブラシツールがキャンバス回転やマウス座標に依存しないタブレット描画が可能であるため滑らかな線を描くことができることと、ベクターブラシツール(ペン入れレイヤー)がストローク、制御点、筆圧の効果を編集できることであり、これらのことからペン入れ用に限定してSAIを使うユーザーもいる。


その反面、彩色能力が若干力不足であることや、描画機能に特化したことで図形や文字に関する機能、レタッチ機能がほとんど搭載されていないことから、PhotoshopCorel Paint Shop Proなどのペイントツールとの連携が推奨される(後述の業務提携の恩恵を得られるため、現在はCLIP STUDIO PAINTopenCanvasとの連携が推奨される)


また、画像サイズが1万px以上のものや高解像度の画像ファイルは編集することができない。なお、テキスト入力機能がないので他のソフトと連携する必要がある。非公式のテキスト入力ソフトも存在するが、プログラムをいじる必要があったり不具合が出ても正式に対応していないので注意。


なお2008年12月にV1.1.0が登場してから長らく開発が停止していたが2012年8月13日にver1.2.0β1(テスト版)を公開。小松氏いわく、当時しばらくスランプになりプログラムも書けなかったとのこと。

新バージョンはWindows7の64bitにも対応する予定だったのだが、すぐにWindows8が出てきたため対応すべく更新を開始。

しかし2012年8月18日に公開されたver1.2.0β4(テスト版)はインターフェイスが対応しないという理由で公式にWindows8非推奨となった。これを解決したver1.2.0β5(テスト版)公開は2013年3月16日までずれこむ。


2014年3月10日にWindows7およびWindows8 x64環境に対応する1.2.0が公開された。

これをもってバージョン1系のメジャーアップデートは終了し、SAI2.0の開発に専念すると発表。但しSYSTEMAXは社長の小松氏が一人でソフトウェアを開発している個人企業のため、公開は当分先になると考えられる。


他社ソフトとの連携機能編集

2012年にSYSTEMAXを中心に設立されたコンピューターアートテクノロジーコンソーシアム(CAT)にはSYSTEMAXの他にPGNとセルシスが加盟しており、各社のソフトウェア同士の互換性向上と相互開発支援を行うとされる。

現時点ではその成果としてSAI 1.1.0以降、openCanvas 5.5.20以降、CLIP STUDIO PAINT 1.3.0で透明度を含むデータの相互コピーアンドペーストが可能になっている。

なおCATにはこのほかTINAMIibisPaintも参加している。


主な機能編集

レイヤー合成モード編集

通常/乗算/陰影/スクリーン/発光/オーバーレイ/明暗/カラー2値化


対応ファイルフォーマット編集


PSDはレイヤーを保持したままインポート・エクスポート可能。

PNGおよびTGAはアルファチャンネルを含めた32bitフォーマットでインポート・エクスポートすることが可能。


SAI2編集

Ver.1への機能追加のコストが限界に達したためVer.1への機能追加予定をすべてキャンセルし、それらはすべてVer.2へ実装する方針へと転換するとのこと。また、Ver.2を(32bit/64bitを問わず)無償アップデートができる。今後Ver.1については不具合修正のみ。

またSAI2でのキャンバスの保存・読込にはSAI Ver.2で表示されるシステムIDで新しいライセンス証明書をダウンロードしなければならない(詳しくはペイントツールSAI 開発室)。


ver2からの新機能(※2017-12-01版時点)編集

〇ツール系

・文字ツール (※位置揃え、縦中横、混在書体、ふりがななどを実装予定)

・図形ツール (丸、三角、四角のみ)

・グラデーションツール

・指先ツール


〇レイヤー合成モード

・焼き込み/覆い焼き/焼き&覆い/比較(暗)/焼き込みカラー/焼き込み(リニア)/カラー比較(暗)/比較(明)/覆い焼きカラー/覆い焼き(リニア)/カラー比較(明)/ソフトライト/ハードライト/ビビッドライト/リニアライト/ピンライト/ハードミックス/差の絶対値/除外/減算/除算/色相/彩度/カラー/輝度(※カラー2値化は特殊効果に移動)


〇キャンバス

・背景色の変更

・特殊効果の発色(ビビッド、ディープ、乗算、Ver,1風)


〇定規・バース

・定規 (直線、円、平行線定規、同心円定規、集中線定規)

・パース定規 (1~3点透視図法)

・パースグリッド (2~3点透視図法)


〇フィルタ

・ガウスぼかし


〇その他

・投げ縄ツールの多角形選択

・自動選択・バケツツールの漏れ出し防止機能

・フローティングビュー

・強制終了等からのキャンバスの復元機能


他、64bit版を用意、キャンバスサイズの上限は32bit版で10000x10000、64bit版で100000x100000、ブラシサイズの上限を5000に変更、レイヤー数の上限は8190枚、保護機能の追加、TabletPC APIに対応など大幅に改善されている。


ただし、まだ開発段階のもののためバグや不具合が出る可能性が高いので、安定したソフトを必要とされる方は使用しないことを推奨している。


関連イラスト編集

saiのペン入れツール講座

SAIの機能解説【ブラシ編】SAIでアナログぽいペン入れの講座ぽいもの

グラデーションの作り方編集

SAIで綺麗なグラデーションSAIで透過グラデーションを作る方法


関連タグ編集


外部サイト編集

SAI公式サイトSYSTEMAX


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