CorelDRAW(コーレルドロー)は、Corel社が開発・販売しているベクターイメージ編集アプリケーション。略称は「ドロー」「コーレルドロー」。機能制限版のCorelDRAW StandardやEssentialsなども販売されている。対応プラットフォームはWindows,Mac,iPadOSである。
(iPadOSはCorelDRAW.appにて動作するが使用にはCorelDRAWのライセンスが必要)
概要
通常PhotoshopやPainterなどのラスター系ツールは、そのドットに色を指定して描画をしていくが、ドローツールは「A地点からB地点へ太さXで線を書く」などの情報で構成されているため、拡大したり縮小しても画質が変わらない特徴を持つ。
1枚物のポスターや同人誌やイラスト集を作るときに便利。Illustratorの対抗馬として25年以上前から世界中で発売されているソフトですが、日本での知名度はあまりない。なぜなら印刷業界はほぼ全てMacを使っている中、Macバージョンが発売されなかった点、ちゃんとした日本支社の設立がここ2005年あたりである点があげられる。海外のフリー素材でCoreldraw形式だった、何てこともある。
Illustrator以外で保存形式(.ai)が扱える、CMYKに対応している、プロフェッショナルな観点からIllustratorに対抗できる、数少ないソフトである。
一時はバラ売りもされていたが現在はPHOTO-PAINTなどのセットパッケージとして発売されており、海外では昔あった「Adobe Creative Suite Design Standard」と比べられていた。(5万円 VS当時20万円)
2020からはCorelDRAWとCorel PHOTO-PAINTのみのStandard版が登場した。
廉価版のEssentialsでも対応形式がかなり限定されるもののCMYK、.AI形式が入出力可能。DVDのプレスやCDプレス時の盤面のロゴデータを入手してレイアウトする際などにもつかえ、同人誌も作りやすい。(Illustratorの複数ページ版な感覚。)
サウスパークのキャラクターなども、このソフトで作られている。
特徴
- Adobe Creative Cloudは月額制だが、CorelDRAWは買いきりか月間or年間サブスクリプションの2択である。
- 年間のトータルコストを考えると、比較的安い。
- AdobeでのPhotoshopとIllustratorの関係性が、PHOTO-PAINTとCorelDRAWでなされており、埋め込んだ画像の編集も可能である。
- Mac発のAdobe系ツールに比べ、Windows発のツールなので右クリック操作が充実している。(クリックである程度完結する)
- プラグインがあまり出ていないので、Adobe系に比べて拡張性に乏しいがPHOTO-PAINTはPhotoshopプラグインが利用可能。(バーコード作成機能や寸法ツールは標準搭載)
- PHOTO-PAINT9の頃からPainterのRIFF形式が、最近ではGIMPのXCF形式が読み込めるようになった。(出力は不可)
- 現在はMac版と、Webブラウザで起動でき、iPadOSでもつかえる「Coreldraw.app」が存在する。
- CorelDRAW.appの使用にはCorelDRAW Graphics Suite または CorelDRAW Technical Suite2019以降のライセンスが必要でStandardやEssentialsなど廉価版からは使うことが出来ない。(2023ではサブスクリプションのみ)