概要
デジタル絵画(-かいが)またはデジタルペインティング(英: Digital painting)は、水彩画、油彩画、重ね塗りなどの従来の絵画手法を応用(あるいは擬似)し、コンピュータやペンタブレット、スタイラス、ソフトウェアなどを用いてデジタルに制作される芸術作品である。デジタル絵画が他のデジタルアートやコンピュータアートと異なる点は、コンピュータによるモデルからのレンダリングを行わない点である。芸術家はコンピュータ上で絵画手法を使って直接デジタル絵画を描く。
デジタル絵画と従来の絵画の主な違いは、描画プロセスの非線形さである。すなわち、制作者は複数の絵画を重ねて置き、個別に修正できる。また、描画処理の取り消しや再実行も可能であるため、線形な(= 逐次的な)制作過程から解放される。しかし、デジタル絵画は従来の絵画との画面の違いと実体感の無さから、従来の絵画技法をどう応用するかという点で限界がある。デジタル絵画には従来の絵画にはなかった新たなツールもある。例えば、数百万の色からなる仮想パレット、キャンバスの大きさや媒体を好きなように設定できること、間違ったときにやり直しが可能であること、などなどである。ペンタブレットを使えば、手の動きを非常に正確にコンピュータに伝えることができ、物理的な画面に実際のペンで描いているのと同じ状況をシミュレートできる。
デジタル絵画は商業アートとして繁栄している。例えば、映画のコンセプト設計、テレビ、ゲームなどで広く使われている。デジタル絵画向けのソフトウェア(ペイントツール)は、実際の絵画を描くのと変わらない環境(例えば、カンバス、パレットでの色の調合、多彩な色数など)を提供する。主なソフトウェアを以下に列挙する。
- Corel Painter
- CorelDRAW
- Corel Paint Shop Pro
- Adobe Illustrator
- Adobe Photoshop
- Adobe Photoshop Extended
- Photoshop Elements
- Pixelmator
- ComicStudio
- IllustStudio
- GIMP
- ArtRage
- openCanvas(PGN社)
- Canvas(ACD Systems社)
- SAI
- Pixia
- Artweaver
デジタル絵画には、印象派の作品もあれば、写実主義の作品も、水彩のような作品もある。