ibisPaint とは 「描いてみた」を実現するiPad, iPhone, Android, Windows向けのお絵描きアプリである。
運営は東京と名古屋に本社を置く株式会社アイビス。2023年3月23日に東証グロースに上場した。
概要
作画工程の動画を公開して、絵を描く楽しさを共有できたりするソーシャルお絵かきアプリ。
アンドゥやレイヤなどの基本機能はもちろん、多彩なフィルタや豊富な定規機能など、
スマホでも使えるアプリながら、高度な機能を豊富に備えている。
イラストだけでなく、スマホで動いて好きなフォントが使用できる自由度の高い画像編集ツールとしても強力なため、ジャニーズファンが団扇のデザインを作成するのにも重宝されているらしい。
スマホ・タブレットは有料版の「ibisPaint」と無料版の「ibisPaint X」の2種類がある。
無料版は各所に広告が表示されるという違いがあるが、アプリ内課金で広告除去オプションを購入すると、有料版と同等の内容になる。いずれも2023年現在の価格は1600円。
有料版アプリと広告除去オプションの内容に違いこそないが、有料版を購入すると、有料版と無料版の2つのアプリを1台のデバイスに共存できるため、それぞれで別々の設定にしたり、別個に作品の管理を行えたりできるという変わった使い方ができるようになる。
これと別途、月額制でさらに機能が増えるプレミアム会員制度もある。
別途サブスクリプションのプレミアム会員の精度があり、300円/月、または3000/年。
契約中は有料版と同等の内容になるうえ、作品を自動バックアップできるクラウドが20GB利用でき、
グラデーションマップなどのプレミアム機能、プレミアム素材などが利用できる。
2022年6月30日からはWindows版がリリースされた。こちらは有料版に分かれていない。
無料では広告表示がないかわりに、使えるのは1日1時間まで。有料プロアドオンは2350円。
ほとんどスマホ・タブレット版と同じ操作だが、タッチ操作が基本ないため使い勝手が異なるのと、
パソコンにおける標準的なユーザーインターフェースや操作とはかなり異なっている。
2024年1月9日にリリースされたver.11.2.0にて、「AIお手本機能」を搭載したが取り下げている。
ファイル形式について
ibisPaint で描いた作品を保存したファイルの拡張子は「.ipv」。
他のソフトでは、唯一 CLIP STUDIO PAINT で読み込みができる。
一方で「.ipv」で保存できるソフトは ibisPaint 以外に存在しない。
Photoshop の「.psd」形式の保存と読み込みにも対応する。
以前は他のソフトで保存したイラストを、レイヤー構造を保ったまま
ibisPaint には持ち込めない一方通行という弱点があったが、
psd読み込みに対応することで解決している。
特徴
- キャンバスのサイズは、縦横ともに最大4096ピクセルまで。(Windows版は16384ピクセルまで)
- 作業時間と過程が自動的に記録される。何の設定もしていなくても、描画のタイムラプスが記録されており、動画として再生できる。動画を保存したり、SNSなどに共有したりもできる。
- スマホアプリながら、イラスト制作アプリとして豊富な機能を備える。
- プレミアム会員はグラデーションマップが利用できる。
- CLIP STUDIO PAINTやメディバンペイントと異なり、買い切りでほぼすべての機能が広告なしで利用できる。
- ダウンロードしたフリーフォントなど、自前のフォントファイルを追加して利用できる。また、アプリ内に多くのフリーフォントがリスト化されており、ワンタップでダウンロード可能。
- ブラシの種類が非常に豊富で、標準搭載だけでも385種類ある。自作ブラシをQRコード化して共有もできる。ただし、ブラシの基本形状はあらかじめ用意されたものの中から選択できるのみ。
- グレースケールやモノクロ2値レイヤー、トンボなどがなく、キャンバスの最大サイズも大きくないので、印刷用の漫画原稿を描いたり、一定以上の大きさの印刷物向けに描いたりするのは向いていない。
- コマ割りツールや、縦書きに強い文字ツールを備えているので、印刷用は難しいがWebで公開する漫画には向いている。
- キャンバスを閉じると必ず保存されるので、保存し忘れはないが、間違えて保存してしまうこともある。
- 2021年現在、iPhoneとiPadでペンタブレット(板タブ)に対応する唯一のアプリ (対応機種は XP-PEN Deco Pro SW/MW、Deco MW/LW のみ)。