cv:喜多村英梨
概要
ナナチと共に暮らす「成れ果て」。獣の形を崩した肉塊のような姿をしている。
会話らしい会話はできず鳴き声を立てるのみで、手先は爪の生えた獣状になっており左目が潰れている。
害意はなさそうだが、その意思を読み取るのは難しいように見える。
原作では3巻、アニメでは11話から登場。
人物像と劇中での活躍
※原作3巻以降、アニメ11話以降のネタバレ注意
人物像
元はナナチと同年代の少女だったが、六層の上昇負荷「人間性の喪失もしくは死」の「人間性の喪失」の方を浴びて人としての理性も姿も失ってしまった。
人間時の姿は回想などに登場する。瞳と髪色は朱金色に近い色合い。
原作裏表紙にてナナチの夢として獣人化した容姿の姿を、5巻表紙の帯ではミーティ(&成れ果て化後)のカラーイラストを拝むことができる。
劇中詳細
「なりたいよね白笛! これってすっごいチャンスだと思わない!?」
ナナチ同様、ボンドルドによってアビスに連れてこられた孤児の一人。
国外から連れてこられたらしく、他の子供達とは違って露出の多い恰好をしていた。
明るく活発な性格で白笛に憧れを持っており、あまり社交的ではなかった当時のナナチに話しかけてその心を開いた存在。ナナチのことを「相棒」と呼んで親しく接し、やがて、ナナチからも「オイラの宝物」と形容されるまでに大切に思われるようになる。
だがそれもつかの間、ナナチと共に上昇負荷を克服する実験の被験体にされ、ナナチの分まで六層の呪いを浴びた結果、全身から出血して生きたまま肉体が崩れる痛みを味わった末に理性を失った「成れ果て」と化した。その際、ナナチを守るために呪いに耐えようとしたが、自分が人間で無くなった時は魂が還るよう殺して欲しいと頼んでいた。
しかし、実験の結果、不死能力を得てしまい、それに目を付けたボンドルドによって、何度も手足や臓器をすり潰されて再生具合を観察されるなど、実験道具として扱われることになる。その結果「枢機へ還す光(スパラグモス)」により左目だけは再生しなくなってしまう。
見るに堪えかねたナナチはミーティを連れてボンドルドの元から逃亡。その後はナナチと共に四層にこしらえた隠れ家で暮らしていた。
負傷してナナチの家に担ぎ込まれて寝込んでいたリコに何故か懐くような仕草を見せ、彼女に覆いかぶさるようにしている。
呼びかければ返事のような鳴き声などは立てるものの、ナナチ曰くそれは「反応」にすぎない。ナナチは2人の思い出に因むようなぬいぐるみをたくさん作るなどして、彼女と通じ合える可能性を探していたが、ミーティはぬいぐるみに擦り寄る様相は見せてもそれ以上の意思疎通はどうしても不可能だった。
食事をとる必要はないが、痛覚などの感覚はあるようで、肉体が損壊すれば苦しみ、涙も流し、損傷が酷ければ後遺症らしきものが残ることもある。
彼女の瞳だけは人間だった時の面影を残しているため、ナナチは「魂は肉体の中にまだあるのでは」と推察していた。
ナナチの寿命が尽きた後にたった一人苦しみの中に取り残されるであろうミーティの尊厳を取り戻すため、ナナチは彼女を殺す方法を探し続けており、毒薬の開発などを独自に行っていた。ナナチの医療知識はこの結果身についたもので、リコが受けたタマウガチ毒の解毒剤は、ナナチがミーティを殺すために打ち込んだと推測されるタマウガチの毒にたいして彼女が産生したものが元である。しかし、不死の再生能力を持つミーティを殺すことはどうしてもできず、苦悩することになる。
のちに出会ったレグの火葬砲を目にしたナナチは、それが過去にミーティの左目を奪った「枢機へ還す光(スパラグモス)」と類似したものであることに気がつく。ついにミーティを殺しうる手段を見出したナナチは、レグに彼女の殺害(介錯)を乞い、最終的にミーティはナナチの作ったぬいぐるみ達と共に火葬砲によって消滅した。
ナナチの推察通り、理性は失えどその魂は肉体の内に残っていた。意識を失っていた最中のリコが夢のなかで彼女と出会った時には何も見えず、聞こえず、身動きも取れない暗闇の世界でひたすら恐怖に泣き続けるという、救われない状態に陥っていたことが判明する。だが火葬砲の炎により、その魂も解き放たれていた。
しかしボンドルドに生前何かしら体に仕組まれていたのか、死んだことが観測されていて、ボンドルドがリコ達に接触を図ろうとするきっかけとなった。
関連イラスト
関連項目
ネタバレ注意
上記のようにナナチと一緒にいたミーティはレグの火葬砲によって永遠の眠りについたのだが、その後第6階層の成れ果て村にてなんと村の住人"三賢のベラフ"が自身の体の半分と引き換えに村の力で作った"寸分違わず魂まで完全に複製されたミーティ"が登場する。
ベラフはかつてボンドルドがミーティを連れ歩いていた時に遭遇し、彼女を欲しくなり譲ってくれるよう強請るも、ボンドルドが了承しなかったため複製を作ってもらっていた。
この複製体はボンドルドの「枢機へ還す光(スパラグモス)」の実験より前の時期をモデルにしたものらしく、両目がある。
複製された彼女はその不死性のために食べても減らない食べ物としてベラフに食料にされており、その光景を見てしまったナナチは彼女を助けるために自分をミーティを救う対価として差し出してしまう。そしてナナチを救出するためにリコはナナチの代わりとなりうる対価を探しにいくことになる。
その間、ナナチとミーティはベラフに囲われていたが、ファプタの襲撃によりイルぶるは崩壊してゆく。それとともに自分をとり戻したベラフは二人を解放。
「イルぶるの内部で作られたものは外部でその形を保てない」事実を告げられたナナチは「二人で過ごす束の間の夢」を見てしまっていたことに涙しつつも、ミーティとの約束のために今度は自分で消えゆく彼女を境界線で送り出した。
因みにアニメの該当エピソードのエンドカードは福本伸行氏が担当し、何故か麻雀をしておりなんと役が揃ったら死ぬという迷信がある超高難易度の九蓮宝燈を彼女が決めている。
死ねない彼女が死ぬ迷信がある役を揃えた事により同じ卓のメンバーがざわついているのも無理はないだろう。