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九蓮宝燈

ちゅーれんぽーとん

九蓮宝燈とは、麻雀の役。日本麻雀における最高役「役満」の一つ。美しい牌姿と成立難易度の高さ、そして上がったら死ぬという迷信で有名。 九連宝燈と書かれる事も多い。
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解説編集

この役は面前清一色の特殊形であり、一種の数牌を用いて「1112345678999」+他に何か一つ同じ種類の牌を加えることで完成する。

英語名はNine Gates(9つの門)、Heavens Door(天国の扉)。また天衣無縫の別名を持つ。

本来の九蓮宝燈とは清一色において九面待ちとなる形であり、辞書などで九蓮宝燈を調べた際にもこのような解説がなされる場合が多い。誤解されがちであるが、萬子だけでなく筒子・索子でも九蓮宝燈は成立する。書籍などでは萬子で紹介されやすいがこれは見栄えが良いためだろう。

現在はルールが緩和され、九面待ちでなくても上がった際の形が上述の形になれば九蓮宝燈と見做される。


面前で清一色を作るだけでも確率上は四暗刻などの出易い役満並に難しい上、最低でも1と9の数牌は暗刻(または対子にして待ちとする)にする必要があるという驚異的に作りにくい役

テンパイまで完全に自力で辿り着かなくてはならない事に加え、捨て牌から他家に清一色を警戒されるので出和了りも困難である。更に言うならば国士無双と違い待ち牌に九蓮宝燈とならない待ち牌が含まれる事もあり振聴になりやすい(ゲームで無ければ見逃してチョンボということもありえる)。


多くの場合は清一色の高目、九蓮宝燈という形(後付けなしの場合も清一色の上位役として後付け扱いにならない)になるが、先述の「1112345678999」の形でテンパイした場合は「純正九蓮宝燈」と呼ばれダブル役満とするローカルルールは多い。また、純正の場合はその色の数牌であればどれでも上がれるという特徴を持つ。(9面待ちは、国士無双13面に次ぐ待ちの多さ)


その美しい牌姿、そして難易度の高さから、麻雀のロマンを詰め込んだ役であり、多くの雀士の憧憬を集めているが、実際には生涯に一度和了れるかどうかというレベルのレアリティを持つ役で、役満が出やすいとされる3人麻雀ですらなかなかお目に掛かれない。

あまりの出にくさから、「九蓮宝燈をあがった者は死ぬ」とまで言われているが、これはもちろん迷信である。この迷信が生まれた理由の一つとしては、九蓮宝燈を和了した者が役満祝儀をもらった帰りに強盗に襲われて死亡したことがあったから、という説もある。

また、日本では凶事とされる事が多いが、中国ではむしろ縁起が良いとされている(もちろん地方によってはそうではない事もある)。


ミスター麻雀と呼ばれた小島武夫氏は、その生涯で5回和了っている上、うち2回は公式記録として残されている。(そのうち1回は下記動画)



中国麻雀では88点役として扱われており、1112345678999と予め揃えていないと不成立(要するに純正)。ちなみに、フリテンの概念がないので、純正で揃えた後は後述の通り任意の同種の数牌で遠慮なく和了可


九蓮宝燈の面子構成編集

九蓮宝燈の形「1112345678999+X」という形から時折面子構成に無関係の特殊役と勘違いされる事もあるが、九蓮宝燈はしっかりと四面子一雀頭の麻雀の基本原則を満たしている。その為、特に九面待ちでどの牌で上がったとしてもしっかりと面子構成が出来ていることに注意したい。


例えば基本的な純正の形である「1112345678999+X」という形を考えると

  1. 1を暗刻とする
  2. 9を暗刻とする
  3. 1も9も暗刻とする

の三種類の分け方を考えることが出来る(実際にはもっと多い分け方があるが省略する)。

1の場合は「111+23456789+99」であり1,4,7のリャンメン三面待ち。

2の場合は「999+12345678+11」であり3,6,9のリャンメン三面待ち。

3の場合は「111+999+2345678」であり2,5,8のノベタン三面待ち。

これだけで1~9までの全ての待ちを網羅している。


数牌が1から9まで連なっているだけに九連宝燈と表記される場合もあるが、本来の書き方はこちらである。


余談編集

七蓮宝燈と八蓮宝燈編集

九蓮宝燈の待ち牌の最大数は9種23牌(1,9が1枚ずつ2~8が3枚ずつ)であるが実はこの待ち牌数になるのは九蓮宝燈だけではない。例えば以下の形である。

「1233334567888」

この形の場合待ち牌は1,2,4,5,6,7,8,9であり八面待ちであるが待ち牌は8種類23牌である。その為、待ち牌の個数としては九蓮宝燈と同じになる(理論上は3も待ち牌であるが四枚使っている為1枚も存在しない)。これは八蓮宝燈と呼ばれる場合もあるが特別な役としてみなされていることはない。同様に七蓮宝燈と呼ばれる形も作れる。これらについては九蓮宝燈より確率上出にくい。

実際の和了の様子編集

日本プロ麻雀連盟の公式戦(MONDO21麻雀プロリーグ第3回名人戦)、における、小島武夫プロによる九連宝燈和了の様子(MONDO.TV公式動画より)。ただ和了するのみにあらず、最も美しい形であると言われる「萬子かつ五萬を雀頭としての九連宝燈」である。

表記揺れ編集

前述の通り九蓮宝燈は表記揺れが多い。九宝燈の蓮をとしているケースの他、九蓮宝の燈をにしているものが多い。厳密には九蓮宝燈、九連宝燈、九蓮宝灯は誤りとはいえない(燈と灯は意味合いが一緒であるため)が、塔や橙とするのは間違いである。なお、ゲームでは九連宝燈と記されることが多いように思われる。

関連イラスト編集

イラストで九蓮宝燈が描かれる場合は純正九蓮宝燈の形が多い。

また、ネタ絵(ダディクールの項などを参照)も多い。

化学麻雀東方幻想麻雀九蓮宝燈

1日1コマ漫画[07]⑨蓮宝燈

関連タグ編集

麻雀 役満 タンヤオ 小島武夫 九連宝燈 天衣無縫

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