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タンヤオ

たんやお

タンヤオとは、麻雀の役の一つである。全名は断幺九(タンヤオチュー)。すべて二~八の牌で面子を作れば成立する。
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概要編集

一・九、及び字牌を「幺九牌」(ヤオチューハイ)と言い、これらを断つ(一切含まない)ため「断・幺九」である。1翻。副露を認めるかどうかは取り決めによる(下述)。


役としては一飜という安いものだが、その分難易度が低く、また他の役と重複しやすいという利点がある。特に、立直(リーチ)平和(ピンフ)と複合した状態を指して「メン・タン・ピン」と呼び(立直=門前=「メン」ゼン、断幺九=「タン」ヤオチュー、平和=「ピン」フの頭文字)、麻雀では基礎とも言える形となる。これにドラを含めば満貫以上の点数となるため充分以上の威力があり、侮ることはできない。

面前でこれを作るだけでもそこそこの火力が出ることもあり、役牌と並んで初心者がまず覚えるべき基本的な役のひとつである。


また、門前清一色二盃口と複合した状態(つまり同一種の2~8の対子で出来た七対子)を「大車輪」と呼び、役満扱いすることがある。もっともローカル役であるため役満扱いしないこともあるが、その場合でも平和を含めると合計11翻の三倍満手になるため、それだけでも威力的には大差なく、そこにドラが加わるなどすれば数え役満になるため結果的に大車輪と同じ火力が出る。


いずれにせよ、端牌となり使いづらい1,9と順子に出来ない字牌を使わないというのは、ある意味初心者にとっての手役作りの指標となる役であり、(役を知らずとも)タンヤオになるように手を進めることが結果として和了率を上げる切っ掛けとなりやすい。


一連の件を挙げると何かといい事尽くめに見えるが、序盤でいきなり本役を狙うと和了のチャンスを逃しかねない。役牌の孤立牌を残しつつ手を進めていき、中張牌がそれを押し出す形で本役に至るケースが多い。(要するに成り行き)


Mリーグルールに代表される赤牌ありルールでは、本役をベースにいかに数牌の赤5を確保していくかが実力を左右する事が多い。


三人麻雀においては、四人麻雀に比べて中張牌の比率が低い(萬子の2~8が抜かれている)ため、タンヤオで和了するケースは少ない


中国麻雀では2点役で、1点役『無字』(1・9牌を含むも字牌を含まなければ成立)の上位役として扱われる。但し、リーチ麻雀とは違い、本役だけでの和了は不可(他の役との複合で8点以上にする必要あり)。


WSOMルールでは5点役で、頻出するだけあって配点はあまり高くない。


クイタン (喰いタン)編集

鳴く(食い下がる)つまりチーやポンをした状態で成立させたタンヤオを「クイタン」と呼ぶ(かつては「ナキタン」と呼ぶこともあったが、現在ではほぼ「クイタン」で統一されている)。

鳴いて作る役全般の特徴として、早和了しやすく親なら連荘、子なら親流しに有効という長所がある一方、門前役が付かないためドラでもない限り打点が低くなりやすい、他家との点差が大きいと自らトップどころか連対のチャンスを放棄する形になりやすい、という短所がある。タンヤオの場合だと片和了になってしまうリスクも門前より大きい。

とはいえ、スピードが重視される現代麻雀においては役牌と並び決してバカにできないジャブのような役でもある。クイタンが認められているMリーグでも、その使い方が腕の見せ所となる事がしばしばある。


クイタンは認めていることが多いが、地域などによってはこれを認めない(つまり、チーやポンをしたらタンヤオは成立しない)ルールも存在する。実際の麻雀開始前にはクイタンを認めるか、ルールを確認しておいた方がよい。なお、中間的なルールとして「副露したタンヤオは役としては認めるが1飜縛りの資格は無い」としているケースも少ないながら存在する。この場合は喰断のみでの和了は錯和になるが、他に役があればタンヤオの1飜が有効になる。「ドラと同じ扱いになる」と言えば想像しやすかろう。


ゲームや雀荘に於いてもクイタンの有無はマチマチであり、殆どルール設定が出来ないゲームであってもクイタンの設定は可能であることが多い。


なお、役の後付け(和了牌で初めて1翻が成立する状態)を許可するかどうかも併せて「ありありルール」などと表現する(ありあり=クイタンあり、後付けあり)。現代においてはほとんどの場合後付けは許可されるため、「ありあり」または「なしあり」ルールとなることがほとんどであるが、そうでない場合もあるため、プレイ開始前にルールの確認は怠らないよう注意されたし。


Webでは編集

pixivに限らず、Webで「タンヤオ」と言った場合はこの絵のように

タンヤオ

「実は大きい役ができているが、見逃して安い役で和了るなどもったいない行為を堂々とやってしまうこと」

というネタに加え、下記の元ネタAAのポーズを含めて扱われることが多い。


そのため、作品によってはアガっている役が「タンヤオ」ではない場合も多いが元ネタがタンヤオだったため、pixivでは「タンヤオ」タグが付けられていることが多い。

要は「タンヤオ」という名前のついたネタシチュエーションという扱い。


ちなみにこれがどの程度もったいない行為かについて説明すると、上記の絵の場合、麻雀における最高得点が得られる役満の一つ・四暗刻が成立している。

だが、タンヤオのみで和了した場合はドラなどの条件にもよるが最大で四暗刻で和了した点数からたったの1/24まで減ってしまう(四暗刻なら親48000点、子32000点だが、タンヤオのみの1翻40符だと親2000点、子1300点になる)。

さらに付け加えるとローカルルールではあるが、さらに上の役である「四暗刻単騎待ち」も成立している(四暗刻を作る際に、同じ牌を3つ集めた状態のものが4種類既に手牌にあり、最後の待ちがそれ以外の1つである状態)。

このローカルルールが適用されていたとしたらダブル役満となり親が96000点、子でも64000点となりほぼ勝利が確定するため、この場合は最大でたったの1/48まで減少してしまう。

普段から麻雀をやる人でないとわかりにくいネタではあるが、「見逃していなければほぼ勝利が決定するようなアガリかたができたのに、見逃してしまったが故に非常に低い点数しかもらえなかった」という「もったいねー!」という事を端的に表したネタと言える。


実際の麻雀では自己申告が基本であり、高く申告すると対戦相手からその誤りを指摘されることが普通だが、低い申告は指摘しないほうが対戦相手にとって好都合な場合が多く、指摘されずに進行する場合もある(ゲームでは自動的に高い役で計算するため、このような事態は基本的に発生しない)。


類似のネタとしては緑一色混一色と申告するイラストもある(というよりこの手のネタは豊富でありダディクールの記事も参考にして欲しい)。


派生ネタ編集

派生ネタとして「本来ならば非常に高い役ができているorできそうな手牌なのにポンやカンなどをしてしまう」というネタも存在する。

カン

これはちょうどこの「タンヤオ」でネタにされているAAのポーズが鳴いた際に手牌からその対象の牌を動かす際のポーズとしてもそこまで違和感が無いことから派生したネタである。

このイラストの場合は既に「九蓮宝燈」という、麻雀において最も難易度が高いとまで言われる役満が完成していたのだが、カンしてしまったことでそのアガリは放棄したことになり、その後別の牌を引いてアガれたとしても「清一色」止まりになってしまう(「清一色」自体もタンヤオと比べれば割と点数が高いことが唯一の救いだろうか)。


しかもこの派生ネタの際によりにもよって「国士無双」という一・九・字牌の全13種類を一つずつ(とそのどれかをもう1枚の14牌)を集めるという役満を作る最中にポンしてしまっているという麻雀における非常に勿体ないことをしてしまっていたら目もあてられない事態になってしまう。

この場合、「国士無双」という役自体が極めて特殊な手であるためそれを途中で放棄してしまうと、手牌がバラバラとなってしまい、そこからアガリを目指すことが絶望的になってしまうため、事実上その局での勝利を放棄するしか無い状況になってしまう(放棄したタイミングが極めて序盤であれば非常に勿体ない状況であることには変わらないが、その後の引き運次第、鳴き次第ではアガれないことも一応無くは無い}。


この系列のネタにおいて共通しているのはいずれも「しっかり自分の手牌を見ていれば良かったのに、不注意や知識不足等によって自らみすみすチャンスを逃している」という勿体なさと滑稽さである。

それ故に描かれる人物はわりと自信満々な表情で描かれることが多い。


元ネタAA編集

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補足編集

漢字表記は正確には「断么九」であるが、日本語のWeb上では「么」の異体字である「幺」を使用してしばしば「断幺九」と表現する。本記事もこの表記に倣っている。また断ヤオ九とされる場合もある。


関連タグ編集

麻雀 ダディ 四暗刻

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