役牌
やくはいまたはふぁんぱい
自風牌(門風牌)、場風牌(荘風牌)、または三元牌を刻子または槓子にすると成立する役。1翻。
他の役と異なりこの役はこの役同士の複合が出来る。例えば東家で南場の場合に東と南をそれぞれ刻子にすると役牌は2つとなり2翻となる。ただ、役牌を3つ以上揃えられるのは稀で、最大数である4つを揃えられれば役満である字一色や四喜和にもなり得る(よって、メイン画像のように役満なのに役牌と申告するネタイラストも)。
また東家で東場の東、南家で南場の時の南は、ダブ東、ダブ南と言われ(連風牌)それだけで2翻となる。
鳴いてもオッケーな上に1つの面子だけで成立させられる役であるため、初心者でも覚えやすく、上級者の場合は早和了したい場面で有効である。その為か「特急券」という異称で呼ばれる事もある。役牌単独では大した打点にならないものの、複数の役牌を組み合わせたり、対々和・混一色・混全帯ヤオ九・混老頭のような字牌が使える役と複合させたりする事で高打点を狙う事も可能。よって、他家がこのような役を狙っている動きを見せたら、現物でない字牌(特に生牌)は安易に捨てないようにしたい。
ちなみに、ドラの役牌を揃える事が出来れば4翻30符以上が確定するため、役牌単独だけでも満貫が射程に入る。ただ、ドラをポンで揃える、いわゆる「ドラポン」をすると大体の場合、他家は放銃を警戒してオリてしまうので和了は難しくなるし、自身も打点に目が眩み防御力が落ちた状態で押しすぎて逆に放銃してしまう事もしばしば(これは他の役にも言える事だが)。
字牌は浮き牌だと真っ先に捨てられがちだが、もし配牌に字牌が多くどんな役が作れるかわからない時は、捨てずに役牌を積極的に狙うのも手(対子になったら前述の「特急券」になり得るし、場合によっては高打点が見込める混一色も狙える。字牌は比較的安全なので、もし他家に聴牌されてもオリやすい。また、他家のポンを防ぐ形で付け入る隙を与えない利点もある)。
もっとも、あまりに配牌が悪いと役牌をポンしたところで後が続かず防御力を落とすだけという事態になってしまったり、逆に配牌がいいのに鳴いて立直のチャンスを逃してしまったりという事もあるので、配牌の良し悪しや点数状況をしっかり見極める必要はある。
また、受け入れ枚数を広く取るため他家に利用される前に早々に捨ててしまうという戦術もあるので、序盤で浮いた字牌をどう扱うかで対局者の個性が出やすい。
喰い断なしルールだと、副露の頻度が下がり、前述の副露でも和了可能の役牌の頻度が上がる。
後付けなしルールの場合、聴牌時の待ち方(役牌絡みのシャンポン待ちで一方が役なし(いわゆる片あがり)等)や副露の順番(2副露目以降で役牌をポンした状態でその役牌のみで和了しようとする等)によってはチョンボになるケースがあるため、副露のセンスが問われる役の一つでもある。
三人麻雀では萬子の2~8が抜かれており、字牌の比率が大きくなっているため、役牌で和了する頻度が比較的多い。ただ、北に関しては北家が使われない上に抜きドラとして使われるのがほとんどなので、国士無双や字一色、四喜和等の役満狙いでもない限り手牌に残すメリットはほぼない。
余談であるが場風でも自風でもない風牌「客風牌」(おたかぜ)は刻子として揃えても役にならない為、それだけで和了しようと倒牌してチョンボになる事も。ローカル役には客風牌三刻と呼ばれる役はあるが採用されるケースはまずなく、基本的に上述してきたような字牌を使える役でない限り客風牌を集めるメリットはないが、中国麻雀では12点役『三風刻』(3種類の風牌を刻子として揃える)が採用されており、集める価値は大いにあり。
たった1刻子で一翻縛りをクリアできることから、オフライン麻雀ではイカサマとして牌をすり替えて役牌を仕込むという行為も行われる場合がある。また、脱衣麻雀などの配牌での牌交換システムを採用している麻雀では、積極的に狙うべき役とされる。
中国麻雀では2点役で、連風牌だと4点、客風牌だと『么九刻(1・9・客風牌を刻子として揃える1点役)』となる。但し、リーチ麻雀と違い、本役だけでの和了は不可(他の役との複合で8点以上にする必要あり)。
WSOMルールでは10点役で、場風はなく、自風のみである。頻出するだけあって配点も高くなく妥当な配点と言える。