対子を7つ揃えると成立する特殊な形の役。2翻。
概要
普通麻雀とは4つの面子と1つの雀頭(対子)で和了となる。
一方で七対子は対子を7つ作る、という意味で特殊な形である。初心者が良く間違えるのは、同じ牌を4つ持って「対子2つ分」と誤解し、和了った時に「チョンボ」と言われることがある(これを4枚使いと呼び、この形も認める場合もある(中国や台湾、日本でも関西等に見られる)が、現在の一般ルールではほぼ認められない)。
それを除けば、「どんな種類の組み合わせでも同じ牌をペアにして7組揃えれば和了」という麻雀の初心者でもわかりやすい上に、配牌が悪くても狙いやすい形と言える。
尚、麻雀で4面子1雀頭の形を成していないのはローカル役を除くと七対子と国士無双だけである。
難点は、かなり運に左右されやすい事。
対子を集める事になるため鳴く事は出来ず、しかも聴牌(つまり6対子)までは自力で揃えねばならないため、親だと連荘の可能性が低くなってしまう。捨てた牌と同じ牌をもう一度引いてしまい捨ててなければと後悔するのはよくあること。
「配牌時、和了に最も遠いシャンテン待ちはいくつになるか?」という問いに対し、「どんなに揃ってない組み合わせでも、七対子を目指せば、“もの凄く運が良ければ”最短6巡で和了できる」という答えがあるのだが、そう都合よくムダヅモが出ずに対子が揃うことなどなく、6巡どころかオーラスまで和了できない可能性の方が大きいので、あくまで可能性がある程度の雑学ネタという話である。
また、必然的に単騎待ちとなるため不利であり、(七対子のみで)和了しても、一般ルールでは25符2飜(親で2,400点、子で1,600点)であり、割に合わない配点(後述の中国麻雀では難易度に見合った高配点)と言える。
しかしながら、「守りの麻雀」としては優れている所もあり、浮き牌がなく、4組以上の対子があると順子を落としても聴牌から遠のく事がない。また、その浮き牌のなさからドラが孤立牌でも活用可で、危険牌を掴んだ場合にそれを捨てられなくても、手を回して運良く2枚手に入れば有効牌となるし、最悪、その危険牌で単騎待ちとすることも出来る。更にオリる際にも対子落としが出来る(1枚通れば、安全牌がもう1枚出来る)為有利である。ただし、手が進むほど手牌の種類が減るため、安全度が高い牌がなくて全牌危険牌の事態も少なくないので過信は禁物。
単騎待ち故に、一度聴牌になれば立直をかけるか崩さない限り待ちを自巡ごとに変える事も可能。しかも使える牌に制約がないため、余程偏った捨て方をしない限り待ちの特定は困難を極める。
更にドラが乗るときは赤ドラを除いて必ず2枚ずつ乗るため裏ドラありの場合のドラ期待値も高い。よって他の役やドラの絡み次第では跳満以上も十分狙える爆発力を秘めた役である。
序盤から対子が多い場合、対々和狙いのためにポンする事も少なくない。が、敢えてそうせずに七対子で手を進めるプレイヤーもいて好みが分かれやすい役である。
極論すれば四暗刻シャボ待ちは七対子スーシャンテンともなるが、ここから四暗刻を崩して七対子にすることは、カラ待ちや危険牌ばかりツモったなどの状況などない限り、まずないだろう。
実際には対子が5つの時点で聴牌するまでには平均で12巡程かかるといわれていることから運がよくないとなかなか聴牌に漕ぎ着けられない一面も否定できない。
後述するように複合できる役は多くないが、門前で作るという性質上、混一色と複合すれば満貫が確定し、そこからさらに立直すれば跳満が確定する。
一方、七対子+混老頭、七対子+字一色(大七星、イラスト上)は難易度の割に報われない組合せとして有名であり、前者の場合他の役が全くなければ満貫にならない(一方で対々和の場合は必ず40符を超えるため満貫確定)し、後者の場合は一般的には役満にしかならないが、後述の中国麻雀ではいずれも配点上高得点になる。
また3飜役の二盃口は、ほとんどの場合七対子と同じような形になるが、高点法により二盃口が優先される。
三人麻雀においては萬子の2~8牌が抜かれているため、対子が出来やすく、七対子で和了する頻度が比較的高い。
中国麻雀では24点役『七対』が本役に相当し、清一色と同じ点数、更には四枚使いもありで、その場合2点役『四帰一』(4枚を槓せずに面子・対子として使用する役)と複合…とかなりの優遇ぶりである。
台湾麻雀では手牌の構成上(17枚使い)本役は不成立。
WSOMルールでは30点役で、四枚使いも認められているが、面前和了点(5点)は加算されない。
ニコニコ、チートイなどと言われる事も多い。
七対子と重ならない役一覧
役満は除く。
順子系、暗刻系は全滅である。また和了形の都合上、他の役になりやすい役も多い。
- 平和
- 一盃口:見かけ上のアガリ形としてこれになることもありうるが、七対子の場合はつかない。
- 役牌
- 嶺上開花
- 槍槓
- 三色同順
- 一気通貫
- 対々和
- 混全帯ヤオ九/純全帯ヤオ九 チャンタ系の七対子は必ず混老頭(もしくは字一色)になるため
- 三色同刻:当然ながら同じ数の対子を三種集めても役にはならない。
- 三暗刻
- 三槓子
- 小三元
- 二盃口:アガリ形が七対子と重なることが多い。役としてはこちらを優先。中国麻雀では本役が採用されていないため、七対子扱い。
七対子で出来る役満一覧
事実上、狙って出来る役満は字一色だけに等しい(ただし字一色を七対子で完成する難易度はかなり高い)。
- 字一色…大七星というローカル役扱いになる事も
- 天和
- 地和
- 人和(ローカル役)
- 数え役満…清一色が絡まない限りは難しいと言えるがカンが横行してドラが爆発的に増えればごくまれにあり得る(その場合でも、自力ではカンがまったく出来ないので他力本願となるが)
- 清老頭および緑一色…4枚使いを認める場合のみ有効
- 大車輪(ローカル役)…亜種の小車輪は混一色+七対子形で跳満扱いとするパターンあり
- 黒一色(ローカル役)
関連イラスト
関連タグ
鷲巣麻雀 システム上この役の待ちが一番わかりづらい、と作中で説明されている。