鷲巣麻雀
わしずまーじゃん
鷲巣麻雀とは、漫画作品「アカギ〜闇に降り立った天才〜」に登場する特殊ルールの(闇)麻雀ゲーム、及びそのルールである。
萬子、索子、筒子、字牌全てにおいて4枚の牌のうち3枚が透明なガラス製になっているという、特殊な牌を使用することが最大の特徴である。
当然ながら他家にも手牌の大部分を晒すこととなる。赤ドラ、花牌は用いない。
山を作っても次にツモる牌が丸見えであるため、最初に山を積まず卓の中央の穴に牌を入れ、ツモごとにそこから牌を取り出すことでゲームは進行する。ドラ類や嶺上牌も、発生に応じてここから取り出す。
盲牌による牌の選択を防止するため、ツモる手には革手袋をはめなくてはならない。
山がないため、数え間違いなどの防止兼代替として鳴きの数に関わらず4人合計70回のツモで(河の捨て牌の合計が70になったら)流局とする。
これら以外のルールについては、通常の4人打ち麻雀に準拠する。
牌の大部分が透けるため相手の役をかなり限定出来るが、逆に黒牌のせいで手を誤認する事が多発する。
鷲巣曰く「なまじ見えるから人は恐れる。さきほどまで普通に歩いていた道も、地雷原と知ったらもう一歩も動けない。」「恐れが何に起因するかを知りつつ眺めるのは楽しい」
また振り込んでもオープンリーチに振り込んだ場合のように役満払いにはならない。
作中には登場していないが、仮にテンパイ時全ての牌がガラス牌であっても同じであると思われる。
詳細は鷲巣巌の項に譲るが、戦後巨額の富を得つつも、老いから来る死への恐怖、自身より無能なのに若いというだけで生きながらえるクズに絶望した鷲巣が、その富を餌に若年者を誘い込み、生命を玩ぶために考案した闇ゲームである。
この時使われるガラス牌の由来は「ワシズ-閻魔の闘牌-」4巻で語られた。
半荘6回戦差し馬勝負で行われる(順位ウマ10-30、20000点のオカあり)。
半荘毎に得点精算を行うが、この時挑戦者は鷲巣との点差に応じ、自分の血液を対価として「支払う」ことになる(レートは10cc当たり1000点)。
一方の鷲巣は10万円当たり1000点のレートで金銭を支払う。
支払い済みの血液を同じレートで取り戻すことも可能である。
半荘6回の後に生き残るか、鷲巣の残金が0になれば挑戦者は勝利となり、支払われた金銭を得る。(とはいえ鷲巣は現在の方で数百、数千億にも及ぶ資産を平然と所有しているので底抜けはほぼ期待できない)
失血死した場合は鷲巣の勝利となり、得た金銭は没収となる。
また鷲巣と挑戦者の間で直接の点棒授受があった(直撃ロン、ツモ、ノーテン罰符等)場合、ご祝儀としてその場で点数に応じた金銭、または血液の支払いが発生する。
血液と点棒のレートは、100ccあたり1万点。一般的に成人男性は2000ccほど失血すると死に至るため、20万点が持ち点と言える。
しかし挑戦者の敗北はあくまで「死亡すること」であって「20万点の失点」ではないため、大物手に振り込んだり、大差をつけられて半荘を落とす等して一度に大量の血液を抜かれた場合、2000ccより手前でも死に至る可能性があり、そのようにして死亡した場合もそこで敗北となる。
「死亡したかどうか」のみを基準とし、そこに至るまでの体調の変化は一切考慮しないため、1500ccを超える失血をしている場合、通常死なないまでも意識朦朧でロクに麻雀など打てない状態になるが、それでも死んでさえいなければ敗北ではなく、途中リタイアは認められず麻雀の続行を強制される。
逆にいえば何らかの方法や理由で「ゲーム開始時点で既に通常より血液量が増えている」場合でも2000cc抜かれたからといって敗北にはならない。(「20万点が持ち点」というのは言葉の綾)
作中では鷲巣とアカギによる勝負が描かれている(他にニセアカギやその他のモブが挑戦したが敗北し、失血死している)。
鷲巣側の目的はアカギの致死量となる血液約2000ccを奪ってアカギを殺すことにあり、アカギ側は鷲巣の莫大な資産(隠し預金も含めて現在の60億円、コレでも鷲巣にとっては残り滓)を奪う事を画策している。
鷲巣側の鈴木とアカギ側の安岡は4人麻雀を成り立たせるための数合わせとされているが、実際にはそれぞれ自軍の打ち手をサポートするアシスト役であり、有効牌を鳴かせたりリーチに即差し込みをする戦法がこの鷲巣麻雀のセオリーとされる。
なお、アカギ戦においては、血液のレートが10倍(100cc当たり1000点)に設定されている。2000cc当たり20000点となり、順位ウマにより1度でもアカギの順位が鷲巣より下で終了すれば死亡するレートである。また6回戦途中で鷲巣の金銭が底をついたため、以降は鷲巣もこのレートで血液による支払いを行なうことになった。
月1での連載であることや福本が麻雀そのものよりも登場人物の心理描写を重視したことから、たった半荘6回勝負(=東場→南場を6周繰り返す)であるにもかかわらず、勝負終了までに20年を要した。リアルタイムで読んだ場合、小学校から大学卒業するまで読み続けてまだ終わらない…(有名な話だが、「麻雀している間に『NARUTO』が連載開始して完結」している)。
特殊な牌を使うため再現したくてもなかなか出来ないゲームである。
ただし、牌を積まなくて済むので初心者でも簡単に出来る麻雀であるとも言える。
一応公式のものとして鷲巣麻雀牌が売り出されているが、値段はとんでもなく高い。驚きのお値段はWEBで検索!
最近はパチモノだがゲームセンターの景品に入っている事もある。どんなに金を使っても公式の物よりは安くゲットできるだろう。パチモノだが…。
普通の麻雀牌で擬似的に鷲巣麻雀を再現する方法として、配牌時に全員が全ての手牌を開き、ツモってきた牌はオープンしないというものが挙げられる。
auスマートパス専用AndroidOS用アプリとして発表されている「アカギ鷲巣麻雀」(イマジニア制作)において、ストーリーモード最終ステージがこの鷲巣麻雀ルールになっている。
このステージは合計で2万点鷲巣に振り込むとその時点でゲームオーバーになる。
セガネットワーク対戦麻雀 MJ4 Evolutionの「雀荘モード」中、「廃倉庫」にてプレイが可能となっていた(こちらは点棒授受については普通の麻雀ルール)。
MJ5シリーズでは主コラボレーション相手が「咲」になった関係か、2015年11月現在採用されていない。
コナミの麻雀格闘倶楽部では、普通の麻雀牌で擬似的に鷲巣麻雀を再現したイベント卓「配牌オープン卓」がプレイできる。
雀魂ではアカギの公式コラボが行われ、ガラス牌を使用したイベント卓「明鏡の戦」が実装された。
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