概要
「負けた相手は服を1枚ずつ脱がなければならない」というルールが追加された麻雀である。
かつてのアダルトゲームの定番。最初はコイン式のBET麻雀で「連チャンすると画面上の女性が1枚ずつ脱いでいく」というサービス要素だったが、それが「対戦相手が負けると脱衣する」というゲームシステムに発展した。純粋に麻雀ゲームとして見た場合も面子が自分と対戦相手の二人に限定される、その割に点数計算は四人居ることが前提になっている、イカサマが出来る等の特殊ルールが目立つタイトルが多い。
対戦相手(女性側)は和了されるたびに服を1枚脱ぎ、脱ぐものが無くなったら負け、プレイヤーは持ち点が無くなったら負けになるというルールが一般的である。プレイヤーは脱衣のリスクが無い代わりに、持ち点が極端に少ない状態でスタートするのが通例である。
対戦相手にも持ち点が存在し、無くなった場合はその場で全裸になるというルールが追加されたものも存在する。
対戦相手が全部脱ぐと次の対戦相手に進み、全員脱がせるとエンディングか最初にループする。
通常の麻雀と違って上がり点の大きさがほとんど意味を為さないため、立直やタンヤオなどの安い手のみで素早く和了するのが定石となる。大きな手を和了ると相手もそれに応じて大きな手で和了る傾向にある。
ぶっちゃけ「4面子1雀頭」すら理解していない初心者でも、イカサマアイテムのあるタイトルならコインを大量に使ってダブル立直を掛け捲れば、いつかは十分アーケード脱衣麻雀を全クリできる。当時そのようなプレイ適応外年齢の低年齢層が金を積んで強引にクリアする事例もあった。
ゲーム自体は時代の進化と共にグラフィックが飛躍的に向上し、プロの漫画家やアニメーターを起用するようなケースも見られたが、音声については気の抜けた「いや~ん」などが垂れ流されるだけで全く力が入れられておらず、「画はいいのに取って付けたような音声に興醒め」というケースが多い。
80年代から90年代にかけてアーケードゲーム市場では隆盛を極めていたが、現在はJAMMA(日本アミューズメントマシン協会)による規制強化などによりPCゲーム以外で乳首まで見せる脱衣麻雀ゲームにお目にかかる事はほとんど無い(あっても水着や手ブラまで)。老舗のゲームセンターにメジャー作品の筐体が2、3台あればいいぐらいで、アーケードゲームとしては風前の灯火である。
今では到底考えられない話だが、アーケードの脱衣麻雀商用作品には明らかに実在するアイドルを真似たキャラや、どう見ても実在するアニメキャラに似ているキャラを使った著作権を明らかに無視した作品が多く出回っていた。当時は今よりも緩かったこともあり、この手の権利的にかなり怪しいゲームが、麻雀に限らずエロ非エロ問わずちょいちょい存在したが、裁判沙汰になった例も(少数だが)あり、そうなった場合の損害を考えるとかなりのハイリスク行為である。後年にはAV女優の動画を流す作品もあった(日本物産/三木商事合作による「AV麻雀ビデオの妖精」など)。
そんな色々危険な橋を渡っていた脱衣麻雀だが、ゲーセンにおけるサラリーマンを対象とした定番タイトルでもあり、人気シリーズはかなりのインカムを稼いでいたという。カプコン開発、ユウガ販売の「麻雀学園卒業編」などはカプコンスタッフによる高クオリティのイラスト(とHボタン連打でのイタズラ)により高インカムをたたき出し、経営難に陥っていたカプコンを立て直したとすらいわれる。
しかし、JAMMAの規制が入ったことで脱衣麻雀の表現自体がほぼ不可能となってしまう。そして2000年代に入って、競技麻雀を志向したネット対戦対応の麻雀ゲーム(麻雀格闘倶楽部、MJ)が登場し急速に普及。その陰で脱衣麻雀はひっそりと消えていった。近年では麻雀ファイトガールがリリースされるなど、脱衣要素よりも萌え要素が押し出されている状態である。
家庭用機ゲームでは、80年代に非公認でファミコンなどで脱衣麻雀などの18禁ゲームが発売されたことがある。1989年にはPCエンジンで初の公認の乳首まで見せる脱衣麻雀ソフト「麻雀学園 東間宗四郎登場」が発売されるが、完全脱衣ものはこれ一本に終わり、この後の同機種でのスーパーリアル麻雀などの移植作品は水着などを見せるに留まっている。
90年代以降、公認でセガサターンや3DOなどで、アーケード版の脱衣シーンを完全移植したX指定の脱衣麻雀が発売されたが、これらも数年とたたずにメーカーの自主規制で見られなくなってしまった。
ただし、2020年代に入るとCEROレーティングの範囲内でコンシューマゲーム機で脱衣麻雀が復刻される事が起きた(スーパーリアル麻雀・ファイナルロマンス)。
一応、脱衣状態で元グラフィックに「謎の光」で隠されている自主規制が条件となっておりCERO-D(17歳以上対象)のレーティングが付いている。
麻雀自体が比較的時間の掛かるゲームであり、ゲームの回転率を上げるための対処としてツモ牌の引きに偏りをつけたプログラムをされていることも多い。コイン投入→東1局CPUが親でいきなり天和、プレイヤーが何も出来ないままにゲームオーバーというパターンは理不尽の塊として語り草になっている。
そこまで露骨な事は少ないにしろ、「満貫和了って1枚脱がす→跳満で返されてゲームオーバー」みたいな例は普通にある。ただコイン投入後の最初の一局は配牌でイーシャンテン、リーチすれば一発ツモなどサービスされている場合も多い。
「レベルの高い現代麻雀で鍛えられたから昔のアーケードゲームは楽勝だろ!」と勘違いして久しぶりにゲームセンターで脱衣麻雀を見つけて安易に挑戦すると痛い目に遭う。
麻雀としてのルール
タイトルによって細部は異なるが、概ね以下のようなルールが採用されているタイトルが多い。
- 基本ルールは通常の四人打ちに準じる。
- 花牌を除いた136枚をそのまま使用する。
- 役の後付けあり。
- 裏ドラあり。カンドラあり。カン裏あり。
- 喰い断么あり。
- 天和あり。地和あり。人和は役満扱い。
- プレイヤーと相手の二人のみが打牌する。
- プレイヤーと相手は相互にチーが可能。
- 流局のルールはタイトルによって異なるが、通常の四人打ちと同じ17~8回のツモを終えた時点で流局となるケースが多い(即ち王牌以外にも場に出てこない牌がある)。四家リーチ、四風子連打は続行(そもそも成立しない)。四開槓は流局。九種九牌の扱いはタイトルに拠るが、成立しないことが多い。
- 点数計算は四人打ちに準じる。ツモ和了の場合の処理は作品により2通り。
- ロンと同様、全額相手からもらう(ほぼすべてのタイトル)
- 四人打ちの点数計算を行い、相手1人分の支払分だけをもらう(ツモ損。彩京の対戦ホットギミックシリーズが採用)
- 打牌している家(即ちプレイヤーと相手)に限りぶっ飛びあり(0点以下でぶっ飛び)。
- 対戦相手にだけ持ち点の概念がなく(点数の表示がない)、そのため相手は何点失っても飛ばないという作品もあるが、この場合は自分が役満を上がると相手がぶっ飛ぶケースが多い。
- ロン、ツモを問わず、相手は一定回数失点して「これ以上脱げない」となった時点で点数に関わらず敗北となる。ただし、リーチ流局によるリーチ棒の喪失とノーテン罰符は失点と見做さないゲームが多い。
- プレイヤーだけ持ち点1000点スタートみたいなものが多い。上のぶっ飛び条件と合わさると「立直して流局してノーテン罰符が取れない」と東一局でゲームオーバーになる。
- 良心的な場合は0点でもマイナスでなければ継続できるので上記のケースでもまだワンチャンある。しかしこの場合でも東一局でノーテン罰符(1500点が多い)を取られると一発ゲームオーバーとなる。
- 半荘のうち、プレイヤー、または相手のどちらかが親になった局のみを行う。どちらかが敗北するまで東場と南場を繰り返す。西入することもある。タイトルによっては半荘終了時点で相手が敗北条件を満たしていない場合、プレイヤーの敗北として扱われることもある。
- ごく稀だが、追加クレジットを入れることで、お互い27000点持ちの本格的な半荘戦を行えるタイトルがある。ホームデータの「麻雀クリニック」は半荘戦が行え、半荘終了時に自分が勝っているか相手がぶっ飛ぶと一気に全部脱ぐというシステムになっている(自分がぶっ飛ぶとその場でゲームオーバー)。
アーケード版開発メーカーとその商品
※あいうえお順
- アップル(大人の麻雀)
- アルバ(麻雀学園、リアル麻雀 牌牌)
- カネコ(TEL雀、ジャンジャンパラダイス、VS麻雀乙女繚乱)
- キワコ(ヤクマンクラブ)
- 彩京(対戦ホットギミックシリーズ)
- サミー(麻雀ハイパーリアクションシリーズ)
- サンリツ電気(麻雀狂時代)
- ジャレコ(アイドル雀士スーチーパイ、VS雀士ブランニュースターズ)
- スフィンクス(イメクラ麻雀 、まぁじゃん4Pしましょ)
- セイブ開発(とってもE雀、E雀ハイスクール)
- セタ(リアル麻雀牌牌、スーパーリアル麻雀シリーズ)
- ダイナックス(麻雀クラブ、雀遊記、麻雀デリンジャー、麻雀フライデー)
- 東亜プラン(麻雀シスターズ)
- 日本物産(テレフォン麻雀、ギャルの告白、宇宙より愛をこめて、セカンドラブ)
- ビスコ(雀々しましょ、麻雀遊技)
- ビデオシステム(ファイナルロマンスシリーズ、麻雀ファンクラブ、麻雀大予言)
- フェイス(麻雀学園2)
- フジック(マージャンギャル10連発、麻雀恋愛倶楽部)
- ホームデータ(麻雀クリニック、麻雀放浪記、マージャン ビタミンC、個人教授)
- ホワイトボード(スケバン雀士竜子{販売はセガ}、麻雀クエスト{販売はタイトー})
- 魔法(麻雀レモンエンジェル)
- 三木商事(麻雀かぐや姫、麻雀カメラ小僧)
- モノリス(バカ殿様麻雀漫遊記)
- ユウガ(麻雀学園卒業編、スーパーマル禁版)開発はいずれもカプコン
- UPL(浦島まあじゃん)
関連項目
脱衣ゲーム仲間
ピクシブ百科事典に個別記事のある脱衣麻雀作品及びシリーズ一覧
※:追記する場合は作品名の五十音順に従ってお願いします。