前置き
麻雀賭博は、日本の法律では違法行為となるので絶対にやらないように。
ただし食べ物など、その場で消費するものを賭ける場合はその限りではない。
概要
麻雀は零和ゲーム(全員の持つ点数の和が変動しないゲームのこと)であり、また実力だけでなく運の要素も強いゲームである事からギャンブルとしてプレイしやすく、点数差がそのまま勝敗になることから点差による金銭のやりとりが行いやすいこともあり、よく賭けの対象となる。
実際には何も賭けない麻雀(ノーレート麻雀、健康麻雀、競技麻雀など)も存在するが、昭和中期のギャンブル特化麻雀『ブー麻雀』の流行と同時に摘発の対象にされていた影響か、あまり麻雀をよく知らない人からは『麻雀=賭け麻雀』のイメージが強く、金銭のやりとりが存在するギャンブルとして麻雀を嫌う人は少なくない。
大体の場合は点棒1000点につき幾ら、というレーティングが設定され、最終順位に対してウマやオカを考慮した点数で金銭のやりとりが行われることになる。一応日本の法律では1000点につき幾らという金額の大小で賭博か否かを判定していない為、レーティングの大小は問わずに賭博行為として違反であるが、実情を言うならば1000点につき200円までは摘発されていない。ちなみに1000点100円のことを1000点棒にたとえピンと呼び、200円ならリャンピンという。50円は点5、30円は点3というが、これも点棒に因む。
実際、麻雀は実力のほかに運要素も高い競技であるため、一定の賭け行為によってゲーム性が成り立っている一面がある。片山まさゆきが『スーパーヅガンアダルト』において全くギャンブル行為のない健康麻雀について暗に批判した話があるが、一定の損得勘定がないと危機感がゼロ(つまり、振り込んでも痛手が全くない)なので、プレイヤーは捨て牌を選ぼうとしない。結果、ゲームとしてユルくなり麻雀の魅力、面白さが減退、ひいては雀荘、麻雀そのものが廃れる原因となる(片山にとって、捨て牌は唯一、プレイヤーが意思を選択できるものであるという持論がある)と答えている。
とはいえ日本麻雀協会屈指の強豪、鈴木達也がMリーグに指名されないのは、彼が雀荘経営者(賭け行為に関わる者は指名禁止)だからでもあり、雀荘で賭け行為が行われていることは周知の事実でもある。つまりは利用者の良心に委ね、黙認されている(麻雀荘はパチンコホールなどと同様、風営法第4号によって管理されている娯楽施設であり警察の監視が入るため、その目を盗んでいる下記の麻雀賭博とはケースが大きく異なる)のが現状である。また、上記のレート以内なら後述するゲーム代のオゴリ程度の儲けにしかならない。
だが、場合によっては1000点につき1000円(デカピン)など高レートで行われる麻雀もあるが、流石に店で行われることはまず考えられず、これらは人目を忍んでマンションなどで行われる事が多い(マンション麻雀)。また雀荘以外での個人宅における麻雀は、リャンピンでも摘発対象となる場合がある。主にニュースなどで摘発対象となっているのは、これらの警察の目を逃れた賭け行為や第三者が胴元を持った麻雀賭博である(この辺の裏社会の麻雀事情については、桜井章一の自著に詳しい)。
ちなみに麻雀を題材にしたフィクション作品では賭け麻雀で稼いでいる雀士が登場する事も居るが、実際に賭け麻雀で儲けようとすると店側の控除分(場代)を含めて勝たなければいけない。高レートならばともかく、レートが低い場合はこの場代の比率が大きい為、そこそこの実力では最終的な収支がマイナスになることも少なくない。例えば、雀荘では法律上1時間で1人あたり630円以上の料金を取ることが出来ないことから、最大で600円/時間の料金設定である事が多い。この場合、1時間で1半荘の勝負を行うとすると勝敗による損得から更に600円を支払うことになる。1000点で50円の場合、オカとウマを含め12600点以上勝てば収支はプラスだが、11500点以下の場合はマイナスである。雀荘で働いているメンバーでさえ、下手すれば(給料を含めても)マイナスになってしまうおそれさえ有り得る。
また、フィクション作品では雀荘が賞金を兼ねた大会を行うこともあるが、それこそ完全に景品法ならびに風営法違反行為である。
余談
ピクシブでは賭け麻雀ならぬ描け麻雀という企画も行われている。日本の法律では金銭をやりとりしなければ違法にはならない為、描け麻雀は賭博罪に当たらない。興味がある人は参加してみてはどうだろうか。