エンぬそす・・・
(連れてきてくれたのですね。)
エンぬ ホンでィンデぶーそす・・・
(連れてきてくれたのですね。ヒトの子供を本当に。)
概要
CV.後藤ヒロキ
深界六層に存在する成れ果て達の村「イルぶる」の住民。
生々しい(いろんな意味で)外見の多い成れ果て達の中では珍しく、竜を模した玩具のような姿をしている。
一人称は「カジャ」
やや片言ながらリコ達が使う地上の公用語を話す事ができ、気の良い性格もあってか村人との通訳や案内訳として、イルぶる編全体に渡って登場している。
身体
本人曰く、本来の姿は『におい』であり、機械のような外見は物理的な活動や意思疎通のための器でしかないらしい。
普段は「身体」と称する器に入り込み内側から操作しているが、中に入り込めるなら生きた動物であっても乗っ取って「身体」にすることができる。ただし、入り込む際には時間をかけて「体を通す」という工程を挟む必要があり、この工程をすっ飛ばして無理やり操縦した場合死ぬという重い代償がある。
身体(からだ)
最初に登場した身体。首長竜のような長い頸、丸っこい胴体に五歩脚、マジックハンドのような手がついている。
普段使いの身体が3つあって用途に応じて使い分けているほか、寝る時は生きた動物に入っているらしい。
アニメ化にあたっては体の駆動音、機械的な足音、首に絡めたアクセサリーの鳴る音など音響面でかなり凝った演出が入っている。
速身体
長い脚とエアロパーツのような頭部を備えた高速移動用の身体。「はやからだ」と読む。
1つしか作っていないとっておきの身体で、普段より速く動ける。
特殊な食べ物で動くため、動かすのも高価なんだとか。
強身体
胴体が大きな甲羅状になった、複数人が乗れるほど巨大なサイズの身体。甲羅部分は座席のようになっている。
「通す」工程にマジカジャ以外の他人の助けを必要とするため、誰かに手伝ってもらわないと使うことができない。
作中の行動
リコ達が村に入って最初に出会った成れ果て。公用語を扱えるので村の案内をしてくれた。
市場を通った際には村独特の通貨「価値」の仕組みも教えてくれたが、コイン状に変換した「価値」を見せながら「人間の身体ならいくら出しても欲しい」と話し、人間と成れ果ての価値観の違いを覗かせる。その意味では「村がどういう場所で、成れ果てはどんな連中なのか」をリコにも読者にも教えてくれるキャラクター。
それでもリコが拒絶すれば素直に引き下がるなど、欲望のままに行動しようとした他の成れ果てよりは理性的な面も見せ、以降もガイド役としてリコたちと行動を共にすることに。
村に「価値の化身」ファプタが姿を表した時は見物に向かったが、ナナチからリコが腹を下したと聞き「人の子の価値を落としたくない」と断腸の思いで見物を諦めナナチの案内を行う。
この時、ナナチと価値の話をする中で三賢のベラフが「ミーティ」を所有している事を洩らしてしまい、ナナチが身売りするきっかけを作ってしまう。
腹痛から復帰しヴエコを連れ出したリコが、ナナチ奪還のためベラフのもとへ向かい、ベラフと問答を交わした際にもおり、リコがナナチ解放の代価である「内臓と脚」を支払う決断をした際には慌ててリコの口を塞いで『何とられてもおわり!』と制止しており、「カジャいっぱい みてきた」と言って、過去にベラフと交渉した相手がどうなったを示唆している。
外部からの価値を持ち込むための「呼び込み」で原生生物オオガスミが村に誘い込まれると、予想外の強さで村を蹂躙するオオガスミ撃退のためリコに協力。リコの髪一房という「ヒトの身体」を提供されたマジカジャはその価値を元手に速身体を動かし、猛スピードで駆ける身体にリコを乗せてオオガスミを誘導。罠まで引き込んで村人たちの総攻撃で仕留めることに成功した。
ファプタの再来と大量の原生生物襲来で村の崩壊が始まった後もリコのそばについていたが、ファプタから「リコを逃がせ」と厳命されると、生き残った皆を強身体に載せて三賢のワズキャンの元まで送り届ける。
その後、力尽き動けなくなっていたファプタも拾い上げることができたが、無理がたたって脚が破損し倒れてしまう。
それでもファプタの命令を実行しようとするマジカジャは、不敬に慄くような独り言を漏らしたあと「最後の手段」として気絶していたファプタ本人の身体に入り込んだ。
凄まじい力を持つファプタの身体を操ることでリコ達を救い、最高の肉体を得た歓喜に震えるマジカジャだったが「通し」をせずぶっつけ本番で動かしたためリコたちの救出後しばらくして最期の瞬間を迎える。
眠るように静かに座り込むファプタの身体は、マジカジャの癖だった爪をカチカチ鳴らす仕草を見せたあと、元のファプタに戻っていた。