心配するな 僕が信じることは当たる
願いは命に宿るものさ
CV:平田広明
概要
深界六層「還らずの都」にある、成れ果て達の住む村で、指導者的な立場である「三賢」の一角を勤める男性。
未来を予知する様な力を持っているらしい。
リコやレグに価値の意味を教えており、村設立に深く関わっている。
村が生まれて150年だというが、アビス深層では時間の感覚が狂う為、実際にどれだけ村を治めていたのかは不明。
経歴
かつて黄金郷を求めてアビス深層を目指した決死隊「ガンジャ」のリーダー。
常に飄々とした態度を保ちながら、状況に合わせて周囲を鼓舞する弁舌を併せ持つ。
一種異様とも言えるほどの予見の力はこの頃から持っており、後に三賢の一人となるヴエロエルコが旅の導きとなるアイテムを携えて加入してくるのを予言したこともあった。
予知能力とすら言えるその様子は、同じく三賢のベラフから「神がかり」「黄金郷が存在していなくても見つけ出す」と評されるほど。
ワズキャン指揮のもとガンジャはアビスへ辿り着き、多くの犠牲を出しながら深界六層へ到達するも、原生生物に寄生され全滅の危機に陥る。
だが謎のロボット「干渉器」達のアドバイスを受けたワズキャンは願いを叶える遺物だという《欲望の揺籃》をイルミューイへ使用。
「あの子は必ず我々に救いになる」と述べ、誰もがうなだれる中でも希望を捨てない強靭な精神力を持っていた。
容姿
成れ果て | 人間の頃 |
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本性
村の住人たちは誰もが、自身の技能や存在意義を絶対的財産のような「価値」として持っている。
リコの見立てによれば、ワズキャンの持つ価値とは「途方もない探求」。
同時に「やるだけやる人」と評された通り、皆を導く者として、大願成就のためなら非常識だろうが非道だろうがハイリスクだろうが自分の身を削ろうが、全ての手段を以て解決策を求める。
最短で最善の選択を模索し続け、ただ目的の達成だけを見据える姿勢はひとつ上の層にいたヒトっぽい何かの、そして当のリコの同類でもあり、リコが自身の思惑や目的をズバリと言い当てた際には、似た者同士だからこその推察を見せる彼女を称賛している。
一方で、「やるだけやった」結果について“これが本当に彼女の願いなのか”とヴエコから問い詰められ冷や汗を浮かべながら無言で微笑んだり、状況を激変させかねないリコたちを見て恐れのような表情を浮かべたことを見抜かれるなど、根本的な部分が人間離れしている訳でもないようだ。
何を犠牲にしてでも、何を踏み躙ってでも冒険を諦めることなく、成れ果て村の住人たちと共に、彼らがずっと憧れ続ける「アビスの底にあるだろう黄金郷」への探求と冒険に再び挑む。それこそがワズキャンの望みであり、成れ果てと化して150年ものあいだ村を治めた後も、その意思は少しも揺らいでいない。
リコ達を助けたのも、白笛の力で遺物をコントロールできる彼女が、村の呪縛を解くような決断を下すのを期待してのことであった。
ベラフがナナチに与えた「“神がかり”を侮るな」という忠告や、ナナチ自身の「状況を『選ばされている』」というモノローグから、ワズキャンの「予言」は未来予知というよりも相手を暗示にかけ自身の予定通りの行動を起こさせる、または起こった様に見せかけるマインドコントロールに近いものではないかという推測もある。