概要
iPadとはAppleが発売するタブレット端末のこと。「私はPADである」(あるいは逆)ということを主張するものではない。
製品としてはiPod touchやiPhoneを踏襲しており、ユーザインタフェースのデザインなど多くの機能が共通化されている。
現行のモデルではiPadOSが搭載されているが、基本的にはiPhoneと同じ感覚で操作することができる。
シリーズごとの違い
iPad
通称無印iPad。最もオーソドックスなシリーズで価格もお手頃。
iPadの中では最後までLightning端子を採用していたが、最新の第10世代でついにUSB-Cが採用された。
iPhoneだけだよ!!
最新モデルは2022年10月に発売された第10世代。
iPad mini
通常のiPadよりも小さなモデル。
手頃なサイズ感から電子書籍といったコンテンツの閲覧との相性が良い。
最新モデルは2024年10月に発売された第7世代。
iPad Air
無印とProの間に位置するシリーズ。
最新モデルは2024年5月に発売された第6世代。
iPad Pro
iPadの最上位モデル。
現時点では11インチと12.9インチの2種類のモデルが用意されている。
4スピーカーを搭載しており音質がよく、リフレッシュレートも最大120Hzであるという点で差別化が図られている。
最新モデルは2024年5月に発売された第7世代。(ただしProに関しては第〇世代と表記されず発売年で表記されることが多い)
モデルごとの特徴(一部)
iPad
2010年に発表された初代モデル。
発表時点でのiPhoneとの相違点は以下のとおり。
- Wi-Fi + 3Gモデルでも、3G回線による音声通話、MMSやSMSの利用ができない。(音声通話に関しては、Skypeなどのアプリを使うことで利用可能)
- カメラ非搭載
- 側面のスイッチがiPhoneでは消音スイッチなのに対し、iPadではスクリーンの回転ロックスイッチになっている。(2010年11月にリリースされたiOS 4.2.1では、iPhone/iPod touchと統一するため、消音スイッチに仕様変更された。iOS 4.3では消音と選択可能な形で回転ロックが復活した。)
- オプションのiPad Camera Connection Kitを使用することで、USB及びSDカードを介することでデジタルカメラまたはiPhoneから直接画像を取り込むことが可能となり、ポータブルストレージビューアー(デジタルフォトフレーム)として利用できる。
- iPadのDockコネクタはUSBの給電規格(5V、0.5A)から外れており、付属のACアダプター(5V、2.1A)または最新のMacのハイパワーUSBポート(5V、1.1A)では充電可能だが、それ以外のパソコンのUSBポートやACアダプター(iPhoneのACアダプターも含む)ではiPadの電源が入った状態では充電できず、スリープモードでのみ時間がかかるが充電が可能となる。
iPad2
初代のiPadに代わる新機種として、2011年春から各国で発売されている。プロセッサをデュアルコアに変更し、グラフィックスも9倍高速化した。デザインも大きく変更し、iPod touch 第4世代のようなデザインに変わった。サイズは4.6mm薄くし、重量もWi-Fiモデルで79g軽量化した。さらに、iPhone 4や第4世代iPod touch同様に、前面・背面にカメラを搭載(ただし、静止画の画素数は、iPod touch第4世代と同様の70万画素か、100万画素という説はあるものの明らかにされていない。設計上、iPhone4よりは画素数が劣ると思われる)。3軸ジャイロスコープも内蔵している。また、2011年2月に発売されたiPhone4同様に、このモデルからCDMA2000ネットワーク対応モデルが発売される。オプションのApple Digital AVアダプタ(HDMI出力)またはApple VGAアダプタを使用することで、iPad 2に表示されている画面を外部ディスプレイに、最大1080p出力でミラーリング表示することも可能となっている(既存機種はミラーリング表示に非対応、最大720p出力)。このほか、オーディオ関係ではCS42L63のオーディオチップ(iPadとiPhone4はCS42L61)にアップグレードされており、低域から高域までフラットに高い解像度で表現出力できるヘッドホン端子に変更されている。
iPad (G3)
第3世代でGPUがクアッドコアに変更されている。
2,048×1,536dpi, 解像度264ppi, Retinaディスプレイ対応。
カメラは1080pのHD動画撮影と500万画素の静止画撮影が可能となった。
また、これまでの3G通信に加え、
第3.5世代移動通信システム (3.5G、HSPA+/DC-HSDPA)とLTEに対応し高速なデータ通信が可能となる。
日本国内においては、LTEで使用している周波数帯や事業者の関係からLTEが使用できない。
このため、2012年3月時点ではSoftBankが提供する回線は
通常の2.1GHz帯を使用した3G High Speed(下り最大14Mbps)で行われ、
同年7月25日より900MHz帯(プラチナ電波)がサービス開始された時点で
HSPA+(下り最大21Mbps)での通信が可能となる予定となっている。
KDDIは、CDMA規格対応のiPadを販売するかについてはコメントを出していなかったが、KDDIが取り扱うようになるまで次のiPadとiPad miniの発売まで待つこととなった。
iPad (G4)
2012年10月24日(日本時間。現地時間では23日)発表。発売は11月の予定。名称は公式サイトでは「iPad Retinaディスプレイモデル」となっている。
この日の発表でかねてから噂のあった小型版である7.9インチのiPad miniも正式発表され、これで2つのサイズが並行して展開されるようになった。
日本ではこの世代からKDDIでも取り扱うため、Appleの携帯デバイスはすべてauとソフトバンクが取り扱うこととなった。これによりソフトバンクの独占体勢が完全に崩れた。ちなみに両社版で違いはなく、LTEも扱える。
ちなみに、第三世代iPadが出てからわずか半年で発売されている。現在のApple製品の新製品は細かなぶれはあるものの約1年毎であることがこれまでにない速いペースでの新バージョン発表である。
いつかはこの時期がくるとは思っていただろうが、「新しいiPad」と呼ばれていた第三世代iPadがたった半年で古くなってしまった。
iPad Air(G5)
2013年11月1日発売。
画面サイズを維持しながら、重さを約3割、厚さを約2ミリ削減した。左右のベゼルが細くなり、全体的にすっきりした外観となった。Air2のせいで影が薄い。
地味ながら、スピーカーの音質が良くなっている。
この筐体は、後に登場する第5世代、第6世代iPadにも採用されている。
iPad Air 2(G6)
2014年10月17日発売。
厚さが更に削減され、わずか6.1mmとなった。フルラミネーションディスプレイとなっており、見栄えは非常に良くなっている。
指紋認証であるTouch IDが採用され、利便性が向上。メインメモリが2GBに増強されたことで、安定性が大幅に向上し、ほとんどのソフトウェアが問題なく動作するようになった。
iPadの中でも高い機能性を持っており、根強い人気がある。
第5世代iPad(G7)
2017年3月24日発売。このモデルは、今までとは位置付けが変わり、エントリー向けのiPadとして売り出されている。第5世代iPadとよく言われるが、9.7インチモデルの系譜から言えば第7世代である。しかし、iPad Air 2の正当な後継機はiPad Proであるため、必ずしも7代目に当てはまるわけではない。
コストダウンのため、iPad Airの筐体設計を流用。これにより、3万円台のお手頃価格を実現。一方、フルラミネーション構造と反射防止コーティングは採用されておらず、画面の品質はやや落ちている。
性能はiPhone 6sと同等である。(Apple A9+メインメモリ2GB)
第6世代iPad(G8)
2018年3月27日発売。基本設計は第5世代を踏襲。
エントリー向けモデルながら、Apple Pencil(第1世代)に対応したのが大きな特徴。
性能はiPhone 7と同等である。(Apple A10+メインメモリ2GB)
iPad Air(3代目)
2019年3月18日発売。第6世代iPadの上位機種となる。
特筆事項として、ディスプレイサイズが10.5インチであることが挙げられる。フルラミネーション構造であり、ホワイトバランスの調整機能(True Tone)が採用される。また、本体左側面にはSmart Connectorを搭載し、Smart Keyboardの使用が可能となっている。
Apple Pencil(第1世代)との連動に対応。第2世代には対応しない。
ハードウェアとしては第2世代iPad Proに近く、価格帯もiPad Proと第6世代iPadの中間の位置付けとなっている。ただし、ProMotionテクノロジーと4スピーカーシステムの不採用により、iPad Proとは差別化がなされている。また、カメラは下位機種と同等の800万画素である。
性能はiPhone XRと同等である。(Apple A12+メインメモリ3GB)
第7世代iPad
2019年9月30日発売。第6世代iPadの後継機種である。
こちらもディスプレイサイズが10.2インチに大型化。よって、9.7インチモデルの系譜はここで途絶えた。
また、Smart Connectorが追加され、Smart Keyboard(10.5インチ用)に対応した。
フルラミネーションやTrue Toneには対応せず、性能も現在の水準を考慮するとやや控えめ(Apple A10+メインメモリ3GB)である。この頃、iOSフォークのiPadOSが発表された。当面は、最新の中上位機種が中心となる模様。
第8世代iPad
2020年9月18日発売。基本設計は第7世代を踏襲し、プロセッサをiPad Air(第3世代)相当にアップデートしたモデルである。(A12+メインメモリ3GB)
これ以外の変更点は特にない。
第9世代iPad
2021年9月24日発売。ボディは従来と同様だが、プロセッサはA13+メインメモリ3GBにアップデート。(iPhone SE(第2世代)と同等)
加えて、カメラを内外共にアップデート(それぞれ1200万画素、800万画素に大幅強化)し、ストレージ容量の種類を64GB・256GBに変更している。
これによりコストパフォーマンスが高くなり、供給不足の情勢も相まって品薄となっている。
第10世代iPad
2022年10月発売。ボディは10.9インチに拡大、そしてホームボタンが廃止され、充電方式はUSB-Cになった。プロセッサはA14(iPad Air第4世代と同じ)。なお、Touch IDは他のシリーズと同じようにホームボタンに埋め込まれる形となった。
カメラは外がアップデート(1200万画素)され、ストレージ容量は64GB・256GBと据え置き。
また、これにより定価が値上げされた(68800円(税込)、64GB)。
USB-C採用に伴い、この機種もApple Pencil(第2世代)に対応するかと思いきや、第1世代のみ対応。使用するには、別途アダプターを購入する必要がある。
余談だが、iPad Air(第4世代)と比べると、見た目がほぼ一緒なので初見ではわからない可能性が高い。