概要
Ryzenとは、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)が開発し2017年に発売したCPUの一形式。全く新しいZenアーキテクチャを採用し、2024年現在に至るまでのAMDの看板ブランドである。
対応OSはWindows10以降のみ。Windows7等で動作させる手段は無くはないが、その場合Microsoftの公式サポートが受けられなくなる。
主なライバルはintel。Ryzen3はPentiumと、それ以外の上位機種はCoreiシリーズと競合している〈出典;『100%ムックシリーズ 自作PCバイブル2021-2022』24頁〉。
特徴
intelのCPUに比べて消費電力は高いが総計した処理性能は(ソフトウェアの設計によって相性の良し悪しが極端だが)優れており、ゲームや動画編集など、短時間に高度・高負荷な処理を要する用途に向いているとされている。
intelのCPUは1コア当たりの性能が高く、コアとスレッドの数が少ない傾向があるが、Ryzenは反対に1コア当たりの性能が低めで、コアとスレッドの数が多い。したがって「マルチコア処理」「マルチスレッド処理」に対応している(多数のコアを組み合わせ、協調させて処理することができる)ソフトウェアでは性能を発揮するし、あるいは複数のソフトウェアを同時に動作させても処理速度が低下しにくい。一方でマルチコアやマルチスレッドに非対応、または不完全な対応のソフトウェアでは性能が伸び悩む傾向がある。おおむね2020年以前に開発されたソフトウェアや、例えばインディーゲームといった技術力や開発力の低いデヴェロッパーが開発したソフトウェアなどの「intelのCPU使用を前提としたソフトウェア」では後者の欠点が顕著になる。
また、intelの同等の性能をもつCPUより実勢価格が割安なことも強み。例えば2021年5月時点ではCore i5-11500が2万8千円弱であった一方で、競合機種のRyzen5 3600は2万4千円程度で購入できたこともあった〈出典;『100%ムックシリーズ 自作PCバイブル2021-2022』26頁〉。
2世代ごとにソケットが変わるIntelとは違い、こちらはZen~Zen3まで全て同じソケット(Socket AM4)を採用しており、マザーボードがメーカー側で対応させれば旧世代のマザーボードでも新世代のCPUを作動させることができる。
Ryzenは、型式名の後ろに何も書かれていない通常版が内蔵GPUなし、Gと書かれているモデルが内蔵GPUありの「APU」(intelの内蔵GPUより性能が若干上回る)、XまたはWXと書かれているモデルがクロック周波数を向上した(標準機種より基本性能を引き上げた)モデルとなっている。いずれにせよラップトップPCは別として、高度な映像データの処理は別途GPUを搭載して補うことが必須である。
製品ラインナップ
Zen
詳しくは→Zen(マイクロアーキテクチャ)
Zen+
詳しくは→Zen+
Zen2
詳しくは→Zen2
Zen3
詳しくは→Zen3
Zen3+
詳しくは→Zen3+
Zen4
詳しくは→Zen4
Zen5
※続報をお待ちください。
Z1
詳しくは→Z1(AMD)
今後の予定
次の世代である『Zen5』は2024年に投入されると言われている。
関連イラスト
詳しくは→Ryzengirl