概要
Zen2の後継であり、2020年に発売した。日本では「第4世代Ryzen」と呼ばれる。
プロセスルールは引き続きTSMC7nm(N7)だが、内部構造の改良によって同じクロックで19%のIPCの向上を実現している。
チップセットは引き続き500シリーズだったが、発表当初は400番台以前を非対応としていた。その後非難を浴びたため、400番台がサポートされた。300番台は発売から時間が経った2022年にようやく対応した。
16コアモデルが初めからラインナップに加わっている一方、当初は8コア・6コアの下位モデルが存在していなかった。また価格も前世代に比べて50ドル、下位モデルが無くなった8コア・6コアモデルは同じコア数で約100ドルの値上げとなった。さらに、CPUクーラーも最下位モデルの5600Xを除き付属せず、5600X付属品が下位グレードのWraith Stealthであるため、CPU単体のコストパフォーマンスは低下した。なお、4コアモデル(Ryzen 3)はモバイルを除き発売されていない。
Threadripperは長らく音沙汰がなかったが、2022年3月8日にPROシリーズが発表された。しかし、当初はOEM向けで「出した」という実績作り程度しか出荷されていなかったが、同年8月にPROシリーズが一般販売され、ようやく一般消費者が入手できるようになった。なお、PROシリーズであるため非常に高価であり、同コア製品の前世代と比較すると実質2倍以上の値上がりとなっている。なお、PROの付かないThreadripperは廃止される模様。
2022年4月には、クロック数と引き換えに「3D V-Cache」を採用した製品が発売された。当初は2021年末までに発売予定とされていたが、遅れた模様。
製品ラインナップ
ここでは一般販売されている製品のみを紹介する。
コードネーム…Vermeer(メインストリーム)・Chagall(Threadripper PRO)
対応ソケット… Socket AM4(メインストリーム)・Socket sWRX8(Threadripper PRO)
L2キャッシュ…512KB×コア数
対応メモリ…DDR4-3200(最大)
内蔵GPU…なし
一覧
- Ryzen Threadripper PRO 5995X
- Ryzen Threadripper PRO 5975X
- Ryzen Threadripper PRO 5965X
- Ryzen Threadripper PRO 5955X
- Ryzen Threadripper PRO 5945X
- Ryzen 9 5950X
- Ryzen 9 5900X
- Ryzen 7 5800X3D
- Ryzen 7 5800X
- Ryzen 7 5700X
- Ryzen 5 5600X
- Ryzen 5 5600
APU
コードネームはCezanne。
2021年に発表されたモデルで、RadeonGPUを内蔵しているのが特徴。
モデル名は5000番台。ようやくRyzenシリーズと同じモデル名となった。
前世代がOEM限定だったため、デスクトップのリテール品としては2世代ぶりのAPUとなる。また、Ryzenシリーズが上位モデルしかなかったため、こちらのモデルは実質下位モデルであった。
2022年4月には、CezanneからGPUを無効化したRyzen 5 5500が既存の5000シリーズの下位モデルとして登場した。
一覧
- Ryzen 7 5700G
- Ryzen 5 5600G
- Ryzen 5 5500
モバイル向け
コードネームはデスクトップ向けと同じくCezanne。
設計はAPUと同じで、モデル名も5000番台となっている。