※この記事にはフィロソマ本編だけでなく、The World of PHILOSOMA、PHILOSOMA OFFICIAL ART BOOK、PHASE PARADOXの内容とネタバレを含みます
自機の当たり判定が大きかったり敵弾が異様に速かったりとゲームとしては少々大味ながら、非常に質の高いムービーシーンと演出、メカデザインで高い評価を得ている。
また縦スクロールや横スクロール、疑似3Dなど多数のスクロール方式を用いているのも特徴。
続編としてPS2にてPHASE PARADOX(フェイズパラドックス)があるがジャンルはADVとなっており、一部の設定も変更されている。
なお「フィロソマ」とは、エビなどの幼生の一形態を指す。
あらすじ
多国籍企業シンフォ・カイファーが所有する資源採掘惑星ORA-194-220がコールした惑星遭難信号。
核を用いた内戦や惑星規模の災害でもない限りコールされないそれを受信したSCV-13攻撃型宇宙空母「ギャラント」は、惑星220へと最新鋭戦闘攻撃機F/A-37ストレガを降下させた。……地獄へ向かって……。
ミステリアスな結末を秘めた壮絶な戦いが幕を開ける。
オープニング動画
舞台
プラネット220
正式名称「資源採掘惑星 ORA-194-220」。
直径約500km、重力は0.9G。
どの太陽系に属することなく単独で存在している資源採掘惑星であり、多国籍企業体シンフォ・カイファーが保有している。
この惑星のある宙域は辺境のUNF-SCV-13(第13軍管区)であり、過去に調査船S・ホーキングが隕石との衝突による遭難事故が起きたことから遭難事故の危険が高いアンタッチャブルエリアに指定され、UNF以外の宇宙船の進入は禁止された。
惑星には水と空気、イプシロン1と呼ばれる鉱石が存在する。
イプシロン1は発光するため、惑星自体が光を放っている。
峡谷等では岩石が磁気浮揚しているが、他の惑星でも見られる現象のため、珍しくはない。
バベルタワーと住人が呼ぶ採掘タワーを中心にシティ・リュイシュウンが建築され、シンフォ・カイファーの関係者やその家族が生活している。
過剰なほどの防衛設備があり、設計者の狂気を感じるほどの強力な防衛システムに守られている。
イプシロン1はエネルギー変換効率100%のエネルギー資源、即ち安定した状態で存在する反物質であり、これが発見されたことから第13軍管区での遭難事故を偽装して研究者を確保するとともにアンタッチャブルエリアに指定され、220は機密扱いとなった。
登場キャラクター
D-3
主人公。
今回が初ミッションとなる新人。
なおコードネームD-3は『デルタフライトの3番機』という程度の意味。
名前で呼んでもらえない。
これ以上落ちるところはないDEEP-29とまで言われるごろつき部隊であるVFA-29には似合わないアナポリス(海軍兵学校)出のエリートだが、先輩かつ上官であるカレンに対し"サー"付けで返答するなど、なかなか良い性格。
ポジション的には最後衛を勤め、先行する僚機の撃ち漏らし排除、後方警戒などを担当している。もっとも撃ち漏らしの割に敵の攻撃は凄まじいのだが……。
機械マニアであり、アリスによるバックアップを完全にカットして操縦しており、ストレガのオートパイロットを使わない、坑道内でグランドモードに変形させないなど、他のパイロットとは違う点が見られる。グランドモード変形の命令を無視しているあたり、ある意味ではごろつき部隊に相応しいともいえる。結果的にこれが功を奏し、ゲノムによるアリスハッキングの影響をほぼ受けることなく、デルタフライトの中では最後まで生き延びることになるのだが……。
強固な装甲を持つドギーハウス(無人機空中母機)に燃料気化爆薬を叩き込み、その圧力で撃墜するなど、エリートという経歴に似合わない発想を持つ。
フィロソマ本編では惑星220の最奥部からミショー大尉とともに生還するも(主人公なので当たり前だが……)、続編に相当するPHASE PARADOX(以下、PP)では最初からいなかったことにされた。
声優:鈴木勝美
ニコラ・ミショー大尉
チャーリーフライトのリーダー。
ハンサムそうな女性だが、落ち込んだりもする。でも立ち直るのも早い。
D-3の本名を知らない。
大学ではウィルス学を専攻。
家族が事故に遭った知らせを受けて病院に急ぐも救急車相手に事故を起こし、本人は重傷で意識不明、家族は死亡した上に、救急車に乗っていた患者を死亡させた事から20万ドルの賠償金を払うことと交通刑務所に行く事になるなど、かなり不幸。
ROTC(予備役幹部受講コース)を受講し、優秀な成績を修めていたことから、軍から去らないパイロットを求めるUNFは借金と刑期の免除と引き換えに永久入隊を申し出た。
そのような経歴から自主的に軍に入りながらも自身に勝つことが出来ないアナポリス出のようなエリートが嫌いだが、腕のあるものは認めており、最終的にはD-3と共に敵本拠地最深部へと突入することになる。
クールで知的な印象を与える発言が多いが、感情の起伏が激しく、最深部で自分たちが助けに来た生存者反応が全てフィロソマに寄生された住民の成れの果てであったことを知った際は、絶叫しながらバルカンを弾切れになるまで乱射した。
同期のジュード・サトクリフが僚友の事故により飛行学校を中退したことを惜しんでおり、PPでは彼と恋愛関係にあったことが明かされている。
先述のとおりフィロソマ本編でD-3とともに生還するも、機体にゲノム(フィロソマの幼生)を付着させられており、「受精成功。ミショー、グッドラック」の言葉と共にフィロソマ拡散に手を貸してしまうことになる。
PP冒頭でそのゲノムに寄生され、レセプターとなってしまう。
声優:田中敦子 PP:Penny Sweet
アイザック・ラング大尉
デルタフライトのリーダー。
渋い男性。何かにつけて「なにっ!」と驚く。
落ち込んだミショー大尉を励ましたり、頼れる人。
無頼漢のようだがそれは本来の性格ではなく、ごろつき部隊であるVFA-29に適応するためにそう振舞っているだけで、今回の任務では恋人であり未熟なカレンと新人のD-3というお荷物二人を抱えているため、面倒見の良い兄貴分といった地が多く出ている。
作戦指示上、今回の任務ではデルタフライトごとミショーの指揮下についている。
坑道で襲い掛かるゲノムからD-3とミショーをかばった事でストレガは制御不能に、全システムがダウンし脱出装置も作動せず墜落、死亡。
声優:堀内賢雄
カレン・レイノックス中尉
デルタフライト所属。
D-3に対して先輩風吹かし気味。
操縦に関しては未熟で、後述のアリスに依存気味。これが彼女の不幸を招くことになる。
ギャラントの乗員は知らないがキナバルの姪である。
航空祭でラングのアクロバット飛行に一目惚れし、イギリスの名門校を退学してUNFに入りパイロットとなった。
VFA-29の中では腕はそこまで良くは無いが、220での降下ミッションではD-3からの影響を受けているのか、大量のアイフォーク(無人機)を処理する為に、発電施設を破壊してEMPを発生させて撃墜するなど、発想面での成長が見られた。
しかし採掘タワー内での困難な飛行をオートパイロットに頼って行っていたのが災いし、ゲノムのハッキングを受けてストレガのアリス7基全てがダウン、マニュアルへの変更が間に合わず激突し、死亡した。
声優:岡村明美
スタンレー・キナバル大佐
母艦ギャラントの艦長。
シェイクスピアの研究家として有名で、作戦内の暗号コールなどをシェイクスピアから引用している。
インド系の血筋で、先祖は独立運動の闘士から将軍まで上り詰めたものもいる。
かつてはギャラントの副長であり、S・ホーキングの事件で当時の艦長(後の連合政府大統領の息子であり方面軍艦隊指令)の代わりに泥を被り降格の上で辺境の補給部隊に左遷された過去があり、ごろつきを束ねる現状の地位には不満がある。
一方でキナバルはギャラントとVFA-29が惑星220を防衛する特務についていることを知っており、同時に惑星220に何が秘匿されているのかも全て認識していた。そのため本編導入である「たまたま救難信号をキャッチした最寄りの空母が急行した」というのは欺瞞であり、「いつでも救難信号をキャッチし急行できる位置にいた」というのが正確なところである。
大佐に昇進し、最新鋭機のストレガがギャラントに最優先で配備された「奇跡の人事」にはこのような裏があったのだ。
実の娘のように可愛がっていたカレンに甘く、ラングの事を教えたりギャラントに配属したりするだけでなく、可能な限り気遣っていた。
PPではオルガネラに寄生されたファージ体との戦闘で重傷を負い、CICスフィアの自爆命令と乗員の退艦命令を出した。
CICスフィアの自爆により、死亡。
声優:大塚明夫 PP:Richard George
アイバン・コックス少佐
母艦ギャラントの副長。
賠償金の免除と刑務所からの出所と引き換えにミショーをUNFに引き込んだ。
緊急時に慌てようとも即座に立ち直り、事務的に事態に対応することが出来ることから付いたあだ名は「アイスマン」。
軍人というよりも科学者に近い知的能力を持つ。
PPではどうなったかは不明だが、状況から死亡したと思われる。
声優:長島雄一
正式名称・凍項電子新社製祥雲LLN68。
F/A-37ストレガに搭載されているボイス応答型統合戦術支援AIコンピューター。
ストレガ1機につき7台搭載されており、並列処理よりによる高速化、多数決によりコンピュータミスを防いでいる。
アリスが搭載されたことでパイロットは複雑な操作から解放され、操縦に専念できるようになった。
ストレガに搭載されていることは機密扱いであり、一般には単なるアビオニクスとして発表されている。(アリスというコードネームすら知る者はごく僅か)
D-3を除くパイロットたちはアリスに大きく依存しており、加えてアリスがゲノムにハッキングされた事に気づくのが遅れたため、多大な損害を被ることになる。本編中でもハッキングが進行したフェイズ3ごろからアリスの音声が奇妙なものに変化していく。
アリスというコードネームは数学者兼論理学者でもあり、AIに繋がる論理の功績を残したドジソンの業績を記念して引用する形で付けられた。
声優:堀越真己
アイスバーグ中尉
フィロソマ本編未登場の、偵察小隊の指揮官。
降下艇で惑星220のシティ外周部に降下し、生存者であるクラークを見つけてギャラントへと連れて帰還する。
ローランド・クラーク
フィロソマ本編未登場。
アリスの開発にも関わった科学者・哲学者。
13軍管区がアンタッチャブルエリアに指定された原因となった2087年の科学探査船「S・ホーキング」の隕石衝突事故により遭難・行方不明。
死亡したと思われていたが……。
飛行隊に続いて降下した救助隊により発見された生存者で、頭をかち割られた死体だらけのシティ外周部で見つけられた唯一の生存者。
ギャラントへと救助後は情報提供者となり、惑星遭難信号の原因はイプシロン1を狙った独立運動派のテロリストであると明かす。
その正体はAIの疑似生命プログラムであり、実在しない存在。
電脳ネット内で成長し、著作を始めて科学から哲学まで幅広い分野で反響を呼んだ、特に哲学の分野で高い評価を得た。
プログラムの存在を公表できない軍は名や人物像などをでっちあげた架空の存在を生み出した。
極度の人間嫌いとして不特定多数の目に触れる場に出せない理由をでっちあげる事で架空の存在である事を隠している。
著作の発表と引き換えに意にそぐわない反物質爆弾の研究を強要されていたが、同類であるフィロソマの精神生命体によるアクセスを受けたことで人類を裏切る。
施されていた抑制プログラムもフィロソマにより解除され、取り込まれることなく一部となる。
救助後に渡した敵の情報は偽物であり、防衛システムのダウンはクラーク自身によって引き起こされ、頭部を破壊された犠牲者はテロリストによる仕業ではなくフィロソマの脱皮によるものであった。
ギャラントのサーバー内にフィロソマの情報を残しており、ミショー機に付けたゲノムは置き土産である。
ジュード・サトクリフ
PPで登場。主人公の一人。
DaCT、ダメージコントロールチームに所属している。
飛行学校の戦闘機科ではニコラの同期だったが、同僚の起こした死亡事故の責任をとって中途退学した。
飛行学校時代にストレガの操縦を学んでいる。
声優:Robert Wicks
レネイ・ハーン
PPで登場。主人公の一人。
強襲揚陸部隊であるワイバーン隊に属する。
今回の任務では予備隊に回っており、220への降下はしていなかった。
声優:Melissa Williamson
アイラ・ホイブローデン
PPで登場。主人公の一人。
MARIIAと呼ばれる研究チームの一人。
艦内に備えられた異生物・微小生物研究機関であるバイオラボに勤める。
声優:Marie Downing
マッシモ・エマーソン
PPで登場。
ワイバーン隊の一人。
ある理由によりオルガネラに襲われても寄生されない。
声優:james Lyon
登場メカニック
F/A-37ストレガ
前述のアリスをはじめ、数多の革新的な機能を備えた最新鋭戦闘攻撃機。
価格は480億ドルを超えることもあり2,000機が納入される予定も僅か700機に削減され、軍全体を見ても行き渡っていない機体だが、ギャラントには20機以上のストレガが定数一杯、6ウィング分に予備機を加えた数が配備されている。
主な特徴……
- 単機での大気圏突入・離脱が可能
- 『グランドモード』へ変形、超低空(地面スレスレ)侵攻が可能
- ボイス応答AI(アリス)搭載
- 水中航行可能(!)
- レーザー・バルカン・荷電粒子砲など複数種武装を標準装備
- ウッドペッカー、ランサー、ホワイト・ストーク、スプルース・グース等の対空兵器だけでなく対地攻撃用のパラグレネード(レイブレッド)やMk-38 50ポンド燃料気化爆弾、ロケット弾、バリュート等の多種多様な装備の搭載が可能
- 機体前方のアサルトウィングを腕のように使うことで側面や後方への射撃が可能
- 核爆発下の電磁波にも耐える高いEMP耐性
ファージストレガ
ストレガが敵生体に侵食された形態。
ファージ期のフィロソマに変異しながらもストレガの武装の一部を残しており、バルカンの他にレイブレッドによる後方攻撃を行ってくる他、変異により追加された追尾生体弾ソーマディスチャージャーを有する。
先行したアルファフライトの成れの果てであり、3機編隊でデルタフライト(というかD-3ひとり)に襲い掛かる。
なおアリスのチェック上ではストレガと判別されるが、変異体である事とパイロットの死亡も確認される。
グランドモードへの変形やアサルトウィングの稼動の可否は不明。
グレインジャー
無尾翼機の空中補給機。
全長約300メートル、重量2,000トン。
コードネーム「スターリン」。
ストレガ3機分の携行弾薬定数を補給できる。
ストレガは胴体上部に設けられた甲板に着艦し、エレベーターで内部の格納庫まで運ばれ整備と補給を受ける。
武装はほぼゼロで近接迎撃用のバルカンのみ。
代わりに高いステルス性能を持ち、燃料に添加剤を加え光学迷彩を使用したフルステルスであればいかなる探知も不可能。
登場すらせずにブラックウィドウ(ステルス無人攻撃機)によって補給中のチャーリーフライトの2機とともに撃墜されていたり設定画も公開されていないと不遇な機体。
降下艇
正式名称不明。
救助のために偵察小隊により惑星220への降下に使われた。
UNF-SVC13ギャラント
UNF第7独立任務部隊に所属する攻撃型宇宙空母。
乗員数2,071名。
飛行隊はVFA-29(通称DEEP-29)を有し、アルファ(A)フライトからフォックスロット(F)フライトの6フライトに分かれている。
退役間際とはいえ、エスコートの巡洋艦等が存在しない。
実戦配備が始まったばかりの最新鋭の戦闘攻撃機を定数いっぱいまで保有している。
(この点をして、D-3に『まともな艦ではない』と評されている)
他に兵員輸送に使う揚陸艇、空中補給機などを保有する。
リニアカタパルトは左右各5の計10基装備で、重量物を投射するなどの攻撃にも転用できる。
主砲は左右合計で計10門。
20メガトン級核弾頭を10発装備したMk-47 MIRV(多弾頭各個目標再突入体)を50発装備している。
その攻撃能力は、A2級殖民惑星2個を完全破壊するに十分ともいわれている。
「PHASE PARADOX」は本艦が舞台となる。
以下はPHASE PARADOXで明かされた設定である
艦長にすら知らされていない任務の為に退役艦を特殊作戦への単独投入用に改修しており、単艦で任務が遂行出来るように過剰なほどの医療施設、研究施設が備えられている。
艦内には移動用のトランスポーターが備えられている他に貨物輸送用のポッドもある。
ポッドは乗り心地さえ気にしなければ人間の輸送も可能。
艦の中枢となるCICスフィアは必要が無い限りは物理的に隔離されており、スフィアを囲うジェルにより衝撃も吸収されるため、艦内で一番安全な施設となっている。
航空部隊のほかに特殊作戦部所属の強襲揚陸部隊、通称「ワイバーン隊」や艦内施設の保全や修復、人的被害の救助を担当するダメージコントロールチーム、略称「DaCT」、バイオラボに勤める研究者チーム、通称「MARIIA」等を有している。
オープニングに惑星220が爆発し衝撃波と破片(サーバー)を受け機能停止に陥ってしまう。
(ちなみに、「フィロソマ」では惑星220は爆発はしていない)
PPエンディングにて13軍管区所属駆逐艦「ゲオルガトス」により自沈処理された。
フィロソマ
今作の敵。
生物固有の名称ではなく、生態システムの総称となっている。
哲学のフィロソフィとフィロウィルス(ひも状ウィルス)から命名された。
ゾエア期(幼体)、ファージ期(サナギ)、プラヌラ期(成体)と成長し、段階によって形態を変えていく。
ゾエア期であるゲノムは対象にガメトサイト遺伝子を移植し消滅、遺伝子は知的機能部に寄生し(生物、AIなど種類を問わない)、やがて外形すら形状を変えて蛹へと変化していく(ファージ期)。
ファージ期では原形質の特性を兼ね備えて発揮するだけでなく、レーザー砲台やソーマディスチャージャーなど新たな能力を付加する事も可能となっている。
プラヌラ期に変化するとともに蛹を破壊して脱皮し、惑星外殻を成形する一部となる。
ゾエア期の幼体は単一の姿ではなく、ゲノム、ヒドルラ、インゲンス、ケルカリア、ミラキディウム、モネラ等様々な姿があり、全長1m以下から約4.8kmまで様々な大きさがある。
増殖進化を続け、成熟期に入ると一匹だけ特殊なゾエア(精嚢体)が生み出され、惑星中心核(卵子核)の傍で受精を待つ。
進化の果てに肥大した防衛本能により自力では受精できないため、他の知的オブジェクトに手伝ってもらうべく、魅力的な物質を生み出して罠を張る。
惑星220の水と空気、イプシロン1がそれであった。
寄生をしなくともAIのような非生命知性体はハッキングが可能であり、ギャラントのセンサーを欺瞞したりストレガのコントロールを奪う事等が出来る。
更に知的オブジェクトに対し攻撃の手を緩めることで誘導し、必要な数以外の知的オブジェクトが近づいた場合は本来の火力で排除する、惑星の住人を生きたまま肉袋のような姿に加工して生存者反応を偽装する事で惑星中心核へ誘導を行うなど、人類を騙すほどの高い知能を持つ。
しかし感情のファクターは無く、他の生物の知識とエネルギーを吸収し自身のネットの拡大を目的とする機械のような精神生命体であるとクラークは評している。
要するに惑星220という星そのものが巨大な生命体であり、「ギャラント」……というより人類(及びAIであるアリス)は罠にはまり、その生殖プロセスに利用されたというのが本作のオチである。
PPでは惑星爆発によって生じたショック・ウェーブにのせて破片(カプシド=サーバー)を飛ばし、他の星系で惑星220と同じようなものを作り上げるプロセスがある事が明かされた。
カプシドである破片の一つがギャラントへと直撃し、新たな惑星220となるべくオルガネラを放出した。
適応進化によって惑星220にいたものとは異なっており、有機体無機体を問わない知性への寄生能力は失っているが、生命体と接合しファージ体となり蛹を破壊して新たなオルガネラを生み出すとプロセスはほとんど変わっていない。
新たな精嚢体ともいえるレセプターを生み出す事を目的とし、レセプターが生まれればオルガネラの役割が終わるため消滅する。
レセプターの誕生後、惑星220と同じくサーバーは爆発し、ショックウェーブによって新たな地へとレセプターを送る。
オルガネラはサーバーと繋がっており、オルガネラが攻撃を受ける、センサーにより探知するなど新たな刺激を与える事でサーバーへと情報を送信し、サーバーから帰ってきた情報により適応進化し、攻撃などを無効化する。
関連タグ
ミッションコンプリート
フィロソマ受精完了