あのね、言葉を覚えるの
概要
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE、現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント=SIE)が1999年にリリースしたプレイステーション用お話ゲーム及び後続作品を含めたシリーズの総称。登場人物であるポケットピープル(ポケピ)に言葉を教えたり、一緒に遊んであげたりすることで、プレーヤーはモニターを通して共同生活を送ることができるというのが基本コンセプトである。
初代PS版はポケットステーションと連動し、ポケットステーションの普及に大いに貢献。主人公の井上トロはPSひいてはSCEを代表するキャラとなった。2000年代以降もPS2、PSP、PS3、PSVitaと関連作品が多数出ており、イベント展開、PlayStation Storeでの配信番組『週刊トロ・ステーション』、スマホゲーム、メダルゲーム化もされるなど根強い人気を誇った。
ポケピはチャットボット型の対話キャラクターで、ユーザーの入力に応じてセリフが変化するが、対話エンジンは初代PS版は言うに及ばず、PS3版やPSVita版も現在のChatGPTなどより遥かに性能が低く、言葉を教えても文法や背景情報などは理解しない。それでも会話パターンが丁寧に作り込まれており、支離滅裂になりがちな会話をキャラクター性に昇華させることで、プレーヤーに親和感を抱かせることに成功している。
登場キャラクター
ポケピたち
人間になる事を夢見る白ネコ。言葉をたくさん覚えればいつかは人間になれると信じており、何でも知りたがろうとする。無邪気だが、寂しがり屋で甘えん坊。
カラオケとテレビが大好きなウサギ。自称・恋愛の達人で、芸能ネタやうわさ話に敏感。歌う事が大好きで、将来の夢は紅白出場。
世界一の格闘家を志すカエル。全国各地をさすらっており、様々な体験談を語る。歴史に詳しく、毎日のスパーリングをかかさない。
オネエ言葉が特徴のイヌ。占いや心理テストをよくやり、花言葉や外国語に詳しい。温厚な性格ではあるがまれに逆上することもある。パリで一人暮らしをすることが夢。
理論派で理屈っぽいロボット。知識が豊富で格言・名言も語るが、間違った解釈をしている事も。発明するために日々研究に励んでおり、ノーベル賞受賞が将来の目標。
『まいにちいっしょ』からレギュラー入りした黒ネコ。そっくりな見た目の同族がたくさんいる。お酒とゲームとお姉さんが大好きなオタクで、ネットスラングを多用する。
シリーズ作品
どこでもいっしょ
1999年7月22日に発売されたPS用ゲーム。記念すべきシリーズ第一作。
特筆すべき点はPocketStation(PS)との連動がゲームの基本になっている点である。ポケピはその中に常時おり、未使用時でも持ち運ぶ事によって外出時にポケピとコミュニケーションをとることが可能である。
さらに内蔵の赤外線通信機能を使う事で、友人と名刺交換が出来たり、しりとり遊びが可能になったりと、当時としてはかなり先進的な内容であった。
2004年には、5周年企画第3弾としてPSP用のリメイク版が発売され、それまで出ていた作品の要素をほぼ全て取り入れ、大幅にボリュームアップした内容となっている。
こねこもいっしょ
『どこでもいっしょ』の追加ディスク。こねこ時代のトロと遊べる。基本システムはそのままに、ストーリーが刷新されている他、この作品で遊んだデータをそのまま引き継げるなどの追加要素が盛り込まれている。
トロと休日
2001年11月29日に発売されたPS2用ゲーム。
実写で再現された港町をトロと一緒に散策、様々な人に出会ったりしながら、トロと会話して想い出作りを行っていく。モデルとなった街が三浦半島近辺であり、主要路線である京浜急行電鉄とコラボレーション企画を行っている。
どこでもいっしょ 私なえほん
2003年4月24日に発売されたPS2用ゲーム。
話を読み進めながら、プレイヤーが挿し絵や言葉を入力していく事で、自分だけの絵本を作り上げていく。
どこでもいっしょ トロと流れ星
2004年4月1日に発売されたPS2用ゲーム。
5周年企画第1弾で、トロと一緒に流れ星のかけらを探しにいくアドベンチャーゲーム。
なお、『トロと休日』からこの『トロと流れ星』までは、原作ゲームの製作元である株式会社Bexide(旧ボンバーエクスプレス)の製作ではない。
どこでもいっしょ トロといっぱい
2004年9月2日に発売されたPS2用ゲーム。
5周年企画第2弾で、空き地に住むようになったトロに言葉を教えていくが、言葉がノラネコ達に伝わり、やがて空き地がプレイヤーの言葉で一杯になっていく。
どこでもいっしょ レッツ学校!
2006年6月15日に発売されたPSP用ゲーム。
学校が舞台で、プレイヤーは学校の先生となり、生徒である5人のポケピと入学から卒業までの1年間を過ごす。「どこでもいっしょ」PSP版のセーブデータとの連動が可能となっており、サルゲッチュのピポサルも特別出演。
2007年12月20日には、部活動(ミニゲーム)を「トレーニング」としてクローズアップした「レッツ学校!トレーニング編」が発売された。
まいにちいっしょ/週間トロ・ステーション
PS3専用ネットワークサービス「PlayStation Store」で、2006年11月11日から2009年11月11日まで無料配信されたコンテンツ。現在はサービス終了。
トロなど「どこでもいっしょ」のキャラクターが毎日さまざまな情報を提供するとともに、出題されたクイズに答えるなどのコミュニケーションをとることが可能。
また、PSP版の「まいにちいっしょ ポータブル」が2008年10月15日より配信開始された。
トロともりもり
2009年7月23日に発売されたPS3用ゲーム。
初代のエンドシーンから始まるストーリーモードをゲームの中核とし、「まいにちいっしょ」で配信されたコスプレゲームを元にした、30種類以上のミニゲームをプレイできるパーティゲーム。
みんなといっしょ
PS Vita用に、2011年12月17日より配信されていたコミュニケーションソフト。現在はサービス終了。
アバターや名刺データを登録し、友達を増やしていく。また「週刊トロ・ステーション」で配信されているニュースコンテンツを見ることも可能。
トロとパズル~どこでもいっしょ~
2019年10月1日よりiOS/Androidで配信されたソーシャルパズルゲーム。2021年5月10日にサービス終了。
シリーズ20周年の新作で、いつものキャラクター達に加えて、青いネコ「ソラ」が新しく登場。
関連イラスト
関連タグ
人工知能 人工無脳 トロ 癒し 1990年代 チャットボット
シーマン ワンダープロジェクトJ The Sims...同時期のコミュニケーション型ゲーム。