ソニー初の携帯ゲーム機
通称「ポケステ」。1999年12月発売。価格は3,000円。
プレイステーション用メモリーカードにモノクロ液晶画面・操作ボタン・スピーカー・赤外線通信・時計機能を搭載した小型の携帯ゲーム機兼周辺機器という位置づけで発売された。
メモリーカードとほぼ同じ大きさの本体に32ビットRISC CPUを搭載している。液晶画面は32ドット×32ドットのモノクロ液晶になっており、上下左右ボタンと決定ボタンの5ボタンが配置されている。
プレイステーション用のメモリーカードとして使用する場合、このボタンが設けられているカバー部分を押し上げた状態でスロットに入れる。
90年代にブームを飛ばした「たまごっち」シリーズのプレイステーション版とでも言うべき製品で、主力ソフトである『どこでもいっしょ』が1999年に大ヒットを飛ばすと、連動する本機はメーカーの想定を超えた需要となり一時品薄状態となった。
その後もプレイステーションで発売される一部のソフトで連動機能やミニゲーム、おまけ要素などを盛り込んだものが発売されているが、ぶっちゃけて言ってしまうと無くても別に困らない程度のものも多く「どこいつ」シリーズを超えるポケステとの連動をウリにしたメガヒットタイトルは登場せず。
やがて連動機能のあるソフトも減っていき、2002年7月に本機も生産終了となった。
この時点での累計出荷台数は490万台とされている。
本体カラーは当初「ホワイト」のみだったが、後にスケルトンカラーの「クリスタル」や『遊戯王』とのタイアップで「クリスタルブラック」、『ときめきメモリアル』とのタイアップで「クリスタルピンク」の全4色が流通している。
なお、光沢感のあるホワイトや丸みを帯びたデザインは角張ったグレーの初代PSとは大きくことなっており、後に発売された初代プレイステーションの小型・廉価モデルである「PS one」系のデザインである。
なお、本機の発売に2ヶ月ほど先駆けてセガはドリームキャストの周辺機器として
メモリーパック兼ゲーム機にもなるビジュアルメモリを発売しており、群雄割拠の据え置きゲーム機業界において「据え置き機を母艦に、持ち運んで使う周辺機器」として同じ付随市場を争っていた。
しかしながら、両者ともに電池消耗が激しい、連動ソフトが乏しい、携帯ゲーム機としては遊べるミニゲームの内容や表現力がチープ(この頃既に携帯ゲーム機分野ではゲームボーイアドバンスが発売されている)など、類似した問題点を抱えており同じような運命を辿ることとなった。
ただし、その後ゲーム機事業から撤退したセガに対し、SCEはその後も継続してゲーム機を手掛け続けている事もあり、キーホルダー、ストラップ、液晶クリーナーといった小物のデザインとして採用されていたり「どこいつ」シリーズの看板キャラである井上トロの出発点として度々派生作品でフィーチャーされている事などから、現在でもその姿を見かける事はちょくちょくあったりもする。
PocketStation for PlayStationVita
当時のPSソフトでポケステとの連動要素を利用するには実機を入手するしか無い状態が長く続いていた。しかし、PSVITAにてゲームアーカイブス配信されたそれらのタイトルでは「PocketStation for PlayStationVita」が付属しており、利用することで実機なしでのポケステ連動要素が利用可能となっていた。
起動するとポケステの上部が大写しになったような表示がなされ、PS Vita上でポケステのミニゲームなどを遊ぶことが出来る。赤外線通信はWi-Fiによる代替で提供。
PS Vita自体は生産が終了したが、現在でもゲームアーカイブスは利用可能なため、PS Vita自体を持っていれば利用可能なままになっている。
ただし、あくまでPS Vita用のエミュレータ上で動作しているものであるため、初代PS時代のソフトを持っていたとしても、PS3やPS4を母艦としてPS Vita上のポケステで遊ぶような事はできない。
最大の弱点であった電池持ちに関してもPS Vitaのバッテリーで駆動するために克服されている。
性能
基本的にはPSメモリーカードと変わらない15ブロックまでの記録領域がある。
時計機能があるが、PS本体に連動するタイトルは「ポケットムームー」と…他に何かあったっけ? なおポケットムームーはポケステ単体で遊べるミニゲームやツールが101種類収録されたミニゲーム集で、まりもの成長を見るだけというゲームと呼べるか微妙なものも含まれる。
ちなみにコイン電池の消耗が早く、さらにポケステに書き込んだゲームまで遊ぶとなると電池の減りはかなり早くなる。
赤外線通信ポートがあり、他のポケステとの通信が可能。
実はとあるPSソフトではポケステを介して、なんと任天堂のゲームボーイカラーと赤外線通信をやってのけたものがある。
なお、電池は時計駆動とポケステの操作に使われている為、データ自体はメモリーカード同様にフラッシュメモリ。
普通にPSメモリーカードとしても使える。液晶画面がある為、セーブしているタイトルのセーブデータアイコンもモノクロだが表示して確認が可能。つまりPlayStation版ビジュアルメモリもと言われていた。
まさかのプレイステーションシリーズ以外で…!?
スクウェア・エニックスの聖剣伝説LOMのHDリマスター版でポケットステーションを利用したミニゲームがあるが、なんとニンテンドースイッチ版やSteam版でも権利の関係で文字は省かれたがほぼ再現される。
おそらくプレイステーションシリーズ以外では初めてだと思われる。ちなみにポケットステーションそのものの登場ではないが、画面枠は間違いなくポケットステーションのものである。
関連タグ
プレイステーション プレイステーション2 プレイステーション・ヴィータ 携帯ゲーム機
ワンダースワン…周辺機器のワンダーウェーブを使うことで、本機の赤外線通信ポートを利用したPS本体との連動が可能だった