原題は「Wreck-It Ralph」。ウォルト・ディズニー・アニメーションスタジオ(WDAS)長編作品の3DCG作品で初の続編を出す。
概要
アメリカでは2012年11月に公開され、日本では2013年3月23日に公開されたディズニー映画。WDAS作品としては52作目に当たる。
ゲームの中の世界が舞台であり、ゲームセンターの閉店後にキャラクターたちが自由に動き出す世界観はおもちゃが動き出す『トイ・ストーリー』と通じる。
アーケードゲームの悪役であるラルフが、ヒーローになるためにゲームの世界を冒険する。
主題歌はOwl City、挿入歌はAKB48が担当する。ドット絵で描かれる豪華なスタッフロールは出色の出来栄え。
監督のリッチ・ムーア氏は、「『マリオカート』のような楽しいレースゲームの映画作品を作りたかった」と語っている。
2016年4月22日のフジテレビの金曜プレミアムにて地上波初放送された。
2018年12月16日には続編を受け、無料BSのDlifeにて放送され、放送後にDlife公式アプリとGYAO!にて23日まで無料配信される。国内で劇場公開したディズニーアニメーションとしては初の試み(Web配信したのは続編がインターネットの世界のため)。
ゲームキャラクター
最大の特徴として、劇中のゲームキャラクター以外にもパックマンシリーズのグズタ(ゴースト)やソニックシリーズのソニック・エッグマン、ストリートファイターシリーズのリュウや春麗、ベガやザンギエフ、マリオシリーズのクッパ、モータルコンバットシリーズのカノウ等、ディズニーでない実在のゲームから多数のゲームキャラがカメオ出演する。他にも細かい上に濃いネタが最後の最後まで散りばめられており、制作陣の並々ならぬゲーム愛とこだわりが感じられる一作。
主な登場人物
レック・イット・ラルフ/Wreck-It Ralph (CV:山寺宏一)
主人公。『Fix-It Felix Jr.』の悪役キャラクター。少し短気、だが本当は優しい心を持つ天真爛漫な大男。「皆から愛されるヒーローになりたい」という掟破りの夢を抱き、自分のゲームを飛び出して大冒険を繰り広げる。
ヴァネロペ・フォン・シュウィーツ/Vanellope von Schweetz (CV:諸星すみれ)
レースゲーム『シュガー・ラッシュ』の世界に暮らすひとりぼっちの少女。
「レーサーになる」という夢を持つが、身体にしばしばノイズが入り、レースの出場を禁じられている。
フィックス・イット・フェリックスJr./Fix-It Felix Jr (CV:花輪英司)
『Fix-It Felix Jr.』の主人公にしてヒーロー。愛用の"魔法のハンマー"で何でも直す修理工。
カルホーン軍曹/Sergeant Calhoun (CV:田村聖子)
シューティングゲーム『Hero's Duty』で狂暴なサイ・バグと闘う、美しく厳しいリーダー。
『シュガー・ラッシュ』の王様。好々爺然としているが、何故かヴァネロペのレース出場を禁止させている。
キャンディ大王の側近。緑色の丸いキャンディの体をしている。のんびりした口調。
手足は体と繋がっていない。
ウィンチェル/Wynchel(CV:家中宏)
キャンディ大王の部下。エクレアの形をしている。
ダンカン/Duncan(CV:武虎)
キャンディ大王の部下で、ドーナツの体をしている。ウィンチェルとコンビを組んでいる。
サイ・バグ/Cy-Bug
カルホーンらの仕事場であるFPSゲーム『Hero's Duty』の敵キャラ。自我を持たず、なんでも食い尽くし増殖する凶悪な昆虫型ロボット。
本能のみで行動するため良識など全く存在せず、たとえ他のゲームの世界でもウイルスと同じように無遠慮に繁殖し暴れだしてしまう。
ゲームオーバー時等、用がなくなった場合はビーコンと呼ばれる強い光に引き寄せられることで消滅される。
そのうちの1匹がラルフと共にシュガー・ラッシュの世界に迷い込んでしまい、見えない場所で繁殖していた。
サージ・プロテクター/Surge Protector(CV:二又一成)
筐体の電源ケーブルが繋がっている集合コンセント内で、キャラクターの出入りを管理するメガネのおじさん。キャラクターが他のゲームのアイテムなどを持ち出していないか抜き打ちで取り調べるチェック係でもある。事務的で融通が利かず、ゲームキャラたちからは毛嫌いされているが、まったく気にしていない。
シュガー・ラッシュのレーサー達(太字は男性キャラ)
- タフィタ・マトンファッジ/Taffyta Muttonfudge
- キャンドルヘッド/Candlehead
- ランシス・フラッガーバター/Rancis Fluggerbutter
- クランベリーナ・ディ・キャラメロ/Crumbelina Di Caramello
- ジュビリーナ・ビンビン/Jubileena Bing-Bing
- グロイド・オレンジボア/Gloyd Orangeboar
- スノワナ・レインボー/Snowanna Rainbeau
- アドラビーズル・ウィンターポップ/Adorabeezle Winterpop
- スウィズル・マラキー/Swizzle “The Swizz” Malarkey
- ミンティ・サクラ/Minty Sakura (他国ではミンティ・ザキ/Minty Zaki)
(以下の4人は上のキャラの色違いで出演している)
- シトルセラ・フラッグパカー/Citrusella Flugpucker
- スティッキー・ウィプルスニット/Sticky Wipplesnit
- トーバルド・バッターバター/Torvald Batterbutter
- ノゲータシャ・バランブルステイン/Nougetsia Brumblestain
ターボ/Turbo
過去に「ゲームの掟」を破った、レースゲーム『ターボタイム』に登場する目立ちたがり屋の主人公。グラフィックの進化した新型のレースゲームに人気が移ったことに激しく嫉妬、「ターボタイム」を飛び出してそちらへ乱入したことで双方とも故障と見なされ、筐体ごと回収されてしまった。
この出来事からセンター内では「ゲーム界の掟破り」を「ターボする」と称するようになる。
「turbo-tastic!(ターボ・タスティック!)」が口癖。意訳すると「俺って最高!」あたりだろう。
ゲストキャラクター
劇中の至る所で登場。また、アーケード台が隣にある。
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ(CV:金丸淳一)
ゲーム・セントラル・ステーションで「ゲームの世界の掟」をアナウンスしている。
ゲストで唯一原作と声優が同じ。
シュガー・ラッシュ内に登場。レーシングカート工場の守衛をしている。
日本の実在のシュークリームブランド「ビアードパパの作りたて工房」のマスコットキャラクター。
北米製のゲームキャラクター。人気低迷によるゲーム機回収のため、他に仕事を失ったキャラクター達と共にいるべき世界を失いコンセントの中に潜んでいる。
その他にも前述したようにクッパやDr.エッグマン、セガ・バン・ベイダーなどがカメオ出演している。
世界観
舞台はリトワク氏という人物が経営するゲームセンター。ゲームのキャラクターたちは皆、客を楽しませることを「仕事」としており、閉店後はそれぞれが自由に振る舞っている。ゲームの筐体同士は電源ケーブルでつながっており、それぞれの世界を行き来できる。
この世界には5つの掟がある。
- 自分のポジションを変えてはいけない(勝手にヒーロー役をやったり、ヒーローなのに悪役として暴れたりは禁止)。
- 他のゲームへの無断侵入禁止(基本的には入り口で止められるが、稀にすり抜けられてしまう)。
- 他のゲームで死ぬと二度と復活できない。
- 他のゲームへのアイテム持ち出し禁止。
- この掟を破ったゲームは人間によって廃棄される。
過去にこれらの掟を破り、とんでもない事態を引き起こした主人公キャラクターがおり、それが上述のターボである。
「悪役お悩み相談会」
嫌われ者として働くヴィラン役の面々のメンタルケア及びカウンセリングをお互いに行う集まり、所謂「CISD(心傷性災害ストレス報告会)」に近く、これは外では決して口外しないという約束の元、自分に起きた出来事やその時想起した感情などを口に出し、今冷静になって考えるとどう考えていたのか等を認識して参加者で共有する事でストレスを制御する手法。
当然ながら彼らにも(ゲーム内のキャラとしてのそれとは別の)人格が存在しており、ゲーム内の振る舞いとは違い繊細だったり心優しかったり、嫌われ役をやる事が辛いと感じる者がいる。そういった者が集まり「悪役があるからこそヒーローは輝ける、悪役であることに自信を持とう」とお互いに励まし合っている。
クッパやエッグマン、ザンギエフ(悪役?)やベガ、グズタ(テンパるとイジケモンスター化する)などが参加しているが、それぞれ不満ではあっても「誰かがやらなければならない仕事」ということは理解している為「辞めたい」と漏らす者はおらず、そう漏らす者がいれば上述のターボの件もあり非常に動揺する場面もある。
締めくくりの言葉は「俺は悪役、それでいい。ヒーローになれないのは決して悪いことじゃない」。
劇中ゲーム
下記3つのゲームは劇中ゲームではあるが、ディズニー公式によって「それぞれのゲームのCM(+リトワク氏のゲームセンターの宣伝)」というそれぞれの制作年代の雰囲気に忠実な映像が製作、公開されている。また、『Fix-It Felix Jr.』と『Sugar Rush』は「TOBIKOMI」という作中世界の日本メーカー製という設定がある。
フィックス・イット・フェリックスJr. Fix-It Felix Jr.
1980年代のレトロアクションゲーム。ゲームセンターで30年稼動している古株。開発で住み処をなくした大男のラルフが怒って壊したアパートを、プレイヤーが操る修理工・フェリックスが、落ちてくるガレキをかわしつつ魔法のハンマーで修復していくゲーム。クリアするとフェリックスがメダルを獲得し、ラルフはアパートの住民によって屋上から投げ落とされ、泥まみれになる。
シュガー・ラッシュ Sugar Rush
「Fix-It Felix」の向かい側にある、キャンディ大王が治めるお菓子の世界のレースゲーム。キャンディの木にチョコレートの沼など、そこかしこが甘いものだらけ。ミニゲームでお菓子製のカートを作り、日替わりのキャラクター(閉店中の「予選」で選抜される)を操作する。マリオカートをモチーフとしているだけあって、コース上にアイテムの配置や加速ポイントなどがある。レーサー達は原宿系ファッションの3頭身の人間の姿をしており、観客はみんなお菓子。
ヒーローズ・デューティ Hero's Duty
稼動開始から一週間ほどで、センターでは新入り。暗雲垂れ込める惑星でサイ・バグを一掃していくハードなガンアクション。筐体も画面も大型。カルホーン軍曹や仲間たちと共にサイ・バグがひしめく塔を上り、メダルを目指すのだが、最上階は一面がサイ・バグの卵だらけ。中でもこのゲーム内の隊員の一人はラルフ同様息苦しい毎日に悩んでおり…?
予告動画
シュガー・ラッシュ:オンライン(シュガー・ラッシュ2)
2016年6月30日にディズニー公式フェイスブックで続編の製作が正式に発表された。
全米公開は2018年11月21日、日本では2018年12月21日公開。
WDAS長編作品において続編が出た作品としては4作目であり、3DCG作品以降としては初である。
シュガー・ラッシュが壊れてしまい、ラルフとヴァネロペが部品を調達するためにインターネットの世界へ出発。未知の世界で冒険を繰り広げるなかで、思わぬ事件へと発展していく。
また、こちらの続編を受け、pixivにてイラストコンテストが開催された。
関連タグ
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