当記事は「リュウ(ストリートファイター)」から分離・独立させています。
記事の肥大化を防ぐため、先方に当記事の内容を追加しないようお願い致します。
概要
第4作『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』から参戦。
ファイター番号は60、通り名は不断の探求者。
2015年6月15日、リュカ、ロイと共にDLCとして参戦。カプコンからの参戦はロックマンに続き2人目(厳密にはリュウの権利はカプコンUSAが所持)。
参戦ムービーは『スーパーストリートファイターⅡ』のOPデモの再現(波動拳を放った後のロゴ演出までも限りなく近い)。
さらにテレビCMも作られ、マリオとミュウツーが対戦しているところに乱入メッセージとBGMで登場する等かなり凝った演出となっている。
『スマブラ』シリーズとその原形である『格闘戦士 竜王』は、複雑化に向かおうとしていた対戦格闘ゲームに対するアンチテーゼとして制作された作品である。
そんな『スマブラ』に対戦格闘ゲームの代名詞である『ストリートファイター』のリュウが参戦したのは、ゲーム界にとっても大きな衝撃だったといえるだろう。
特徴
桜井政博曰く「ストⅡテイストで作った」とかなりこだわった作りになっており、攻撃を振りかぶった時や打撃・ガード時のSEがSFC版『Ⅱ』仕様、ジャストシールド時のSEと構えが『Ⅲ』のブロッキング、下必殺ワザが『Ⅳ』のセービングアタックになっているなど、『Ⅱ』のリュウをベースに原作の様々なシリーズであった要素が忠実に再現されている。
弱攻撃・強攻撃は『ファイティングストリート』(PCE版『Ⅰ』)などのように、ボタンを押す長さでワザが変わる。
必殺ワザはボタン1つで出せる一方、原作同様のコマンドで出すこともできる。
こちらもボタンを押す長さで性能が変わる。コマンド入力版はスマブラの仕様上、咄嗟に出すのが難しく、暴発のリスクも大きいが、その分攻撃力が高い。
このため、『ストリートファイター』シリーズをやりこんだプレイヤーでもすんなり操作に馴染むことができる。
逆に格ゲーコマンドに慣れていないプレイヤーの場合は、威力の上昇による恩恵よりも他のワザを暴発してしまうリスクの方が高いためにコマンド入力による操作はお勧めできない。素直にボタンの長押し等による使い分けに慣れた方が無難だろう。
ただし、灼熱波動拳だけはコマンド入力でないと出せないので、灼熱波動拳のコマンドだけなら練習してみる価値はあるかもしれない。
最後の切りふだは特別に2つ用意されており、通常は「真空波動拳」が出るが、相手の誰かに近接した状態だと「真・昇龍拳」が炸裂する。
「あけぼのフィニッシュ」も再現され、真・昇龍拳で致命エフェクトの出現条件を満たすと発生する。
基本的にコンボに特化したファイターで、上記の仕様のためワンパターン相殺が出にくく、安定した火力を叩き出すことができる。
他のファイターよりもヒットストップが長めなのも特徴のひとつ。
弱点としては、動き自体が格闘ゲームタイプであるため、攻撃範囲が狭く、前後に対応できるワザやふっとばしの強いワザに乏しい他、空中の機動力が低くて小回りが利かない、斜め方向への復帰が弱い、各種緊急回避の性能も良くない、などスマブラ特有のシステムによる戦いが苦手という点。
総じて、徹底的にタイマン勝負に特化した超上級者向けのファイターとなっている。
自ら攻めるか、相手が近づいてから迎撃するか、まるで格ゲーのような立ち回りで動くことになるだろう。
必殺ワザ
“ ” 内の説明文は『スマブラSP』のゲーム内ヘルプから引用。
- 通常必殺ワザ:波動拳
“ てのひらで練り上げた気を 弾にして放つ
ボタン長押しで 速度と攻撃力が上昇する ”
- 横必殺ワザ:竜巻旋風脚
“ 空を切る鋭い回転で 蹴りながら前進する
ボタンを押す長さで 飛距離が変わる ”
- 上必殺ワザ:昇龍拳
“ 出だしに必殺の威力をもつジャンプアッパー
ボタン長押しで 速度と攻撃力が上昇する ”
- 下必殺ワザ:セービングアタック
“ 相手の攻撃を1発受け止め 重い反撃を放つ
ためるほど威力が増し 相手を長くひるませる ”
これのみ必殺ワザではなく、『ストⅣ』の共通システムが由来。
“ 地形を貫通して直進する「真空波動拳」で
複数の相手を巻き込み ダメージを与える
相手と近いときは 強烈なアッパーで
突き上げふっとばす「真・昇龍拳」になる ”
このうち波動拳、竜巻旋風脚、昇龍拳はコマンド入力版がある。
さらにコマンド専用のワザとして、飛距離が短い代わりに連続ヒットする、灼熱波動拳も存在する。
各必殺ワザのコマンドは以下の通り。攻撃ボタンは必殺ワザボタンに置き換え可能。
なお、灼熱波動拳と昇龍拳には簡易コマンドも存在する。これもれっきとした原作再現。
- 灼熱波動拳:↙↓↘→+攻撃ボタン
- 昇龍拳:→↘→+攻撃ボタン または ↘↓↘+攻撃ボタン
『SP』での変更点
デザインが発表当時のシリーズ最新作『Ⅴ』のものに近くなった。
相手が1人だけの状態に限り、自動で相手の方を向く一般的な対戦格闘ゲームの仕様が追加された。
また、弱攻撃(強)と横強攻撃(弱)が相手との距離に応じてワザが変化するようになる、空中攻撃を必殺ワザでキャンセルできるようになるなど、様々な仕様が加わっている。
また演出面では相手が撃墜確定状態で真・昇龍拳を出すとアゴが突き出るという『スパⅣ』のウルコンⅡ技『滅・昇龍拳』に近い演出になっている(向こうと違って突き出す拳の順番が逆)。
当初はかなり性能が低かったが、度重なるバランス調整で大幅なパワーアップを遂げた。
大きな強化点は、
- 弱攻撃(強)の性能が同じモーションの上強攻撃(強)と差別化され、原作の「アッパー昇龍」のようなコンボが可能になった。
- 下スマッシュ攻撃がまさかのキャンセル対応ワザに。
- 波動拳の発生が1F早く、攻撃力の最小値がケンの最大値以上になり、さらに強弱による弾速差が大きくなった。シールド時に硬直させる時間もケンの倍以上に。
といった感じ。特に波動拳の強化は全てケンにはない固有のもので、より2人の性能差を明確にしている。
参考までに、原作シリーズではリュウとケンの波動拳の性能差は小さい。これほど大きな差があるのは、アップデートの結果とはいえ『スマブラ』特有の個性付けとも言える。
その他
ホームステージ「朱雀城」
背景の城や「風林火山」と書かれた看板など、無印『ストⅡ』のデザインが忠実に再現されているが、構造は大きく異なり、左側がやぐらのような足場で、右側が安定した足場となっている。終点化することで、ガケがある点を除いてオリジナル版に近い構造となる。
どういうわけか『SP』で隠しキャラとして戦うときのステージはここではなく戦場になっている。
アレンジ楽曲はオリジナル版作曲者の下村陽子氏による直々のアレンジ。
なんでも『ストⅡ』からあまりにも久しぶりな為にまずは耳コピから始めてのアレンジであったという。
下村氏によると「(自分が作曲したのに)なんやこのドラム…」と当時の自分の作曲に苦笑したらしい。
勝ちあがり乱闘「俺より強いファイターに会いに行く」
ROUND | 敵 | 元ネタ |
---|---|---|
1 | ケン | 同左 |
2 | ゼロスーツサムス(2Pカラー) | 春麗 |
3 | ガオガエン | ザンギエフ |
4 | ドンキーコング(5Pカラー) | ブランカ |
5 | リトル・マック(ジャイアント、4Pカラー) | M・バイソン |
6 | メタナイト | バルログ |
BOSS | マスターハンド&クレイジーハンド | 『ストⅡ'』イメージイラストのベガの両手(味方:ケン) |
『ストリートファイター』シリーズに登場する格闘家たちと似た特徴を持つファイターが登場。
全ROUNDが「体力制+アイテムなし+終点化」という格ゲーの再現となっている。
ボーナスステージがボス手前ではなくROUND4と5の間にあるのも『Ⅱ』を意識している(原作では3・6・9戦目の後、SFC版無印のみ4・8戦目の後)。
BOSSは映画『Ⅱ MOVIE』のクライマックスや『ZERO』の「ドラマティックバトル」の再現で、ケンと共にベガに立ち向かうシチュエーションとなっている。
余談
『for 3DS』には横スクロールアクション風の「フィールドスマッシュ」というモードがあるのだが、格闘ゲーム発のリュウがこういったタイプのアクションに登場するのは非常に珍しい。
スマブラのシステムにより武器アイテムを拾って使える為、武器を手に闘うリュウの姿を見る事もできる。
徒手空拳の使い手であるリュウがスーパースコープやハンマー、果てはバットでカキーン!と使う様は格闘ゲーマーならずとも衝撃的(一応、本作以前に『ポケットファイター』でリュウが道路標識を振りかぶったり、トゲ付き鉄球で殴る場面もあるにはあるのだが…)。
ウサミミやタヌキのアイテムを装備した場合は「ウサミミの波動に目覚めたリュウ」「タヌキの波動に目覚めたリュウ」と呼ぶプレイヤーもいるとかいないとか。
ちなみにタヌキの場合、ホバリングすると偶然にも阿修羅閃空に似たポーズになる。
…実はリュウのスーパースコープの構えは使い方としては間違っている。
機関銃のように腰だめで撃っているが、他のキャラや実際のスーパースコープを見てわかる通り本来は「肩にロケットランチャーのように担いで上部のFIREボタンを押す」のが正しい使い方。
どうやって撃っているのかは謎である。
関連タグ
スマブラ ファイター(スマブラ) リュウ(ストリートファイター)