概要
1980年2月21日に設立。略称は「HAL研」。英名は「HAL Laboratory,Inc.」。設立当初はゲームだけではなくハードウェアなどのコンピューター事業にも関わっていた。設立当時から技術力の高いメーカーとして知られていた。星のカービィシリーズの生みの親として有名で、カービィシリーズ及びハコボーイ三部作ではHALの文字を模ったブロックが登場している。
2020年2月に創立40周年を迎えた。→ 特設サイト
1998年以降使われている「犬たまご」のロゴマークは糸井重里がデザインしたもの(一部、モグラと勘違いする人もいるが…)。それ以前に使われた「HALKEN」ロゴにはバネのようなイラストが描かれていたが、これはハル研究所の「ハル」を「春」に置き換え、英語で「Spring」繋がりでバネのイラストを採用したらしい(ニンドリの熊崎信也によるコラムより)。
社名の元ネタは「2001年宇宙の旅」に登場するコンピューター「HAL9000」。
ハル研究所の出資会社が任天堂と取引していたこともあり、早い時期にファミコン市場に参入した。
初めて任天堂ブランドとして発売されたのが『ピンボール』であり、後に社長に就任する岩田聡が最初に開発に携わった作品でもある。その後は自社ブランドとしてファミコン、スーパーファミコンで自社ソフトを販売したが、ソフトの売り上げ不振、山梨県での不動産投資に失敗したのが仇となり経営不振に陥ってしまう。
1992年に任天堂から支援を受けて和議を申請し、翌年に社員であった岩田聡が社長に就任する。その後パソコン製品関係を開発する株式会社ハル・コーポレーションが分社化されてからは、ハル研究所はゲームソフト開発のみ行うようになる。任天堂によって販売されたゲームボーイ用ソフト『星のカービィ』、ファミコンソフト『星のカービィ 夢の泉の物語』が立て続けにミリオンセラーを達成、1999年に無事再建を果たした。
一方でハル・コーポレーションはエッガーランドの復刻版をPC向けに販売していたが、2002年に解散した。
その後は基本的に任天堂のセカンドパーティーとして星のカービィを中心としたゲームの開発を行い、次々とヒット作を生み出すようになる。
これらの経緯もあって分社化される前の頃と今とでは全く別の企業と見られることが多い。事実『ティンクル☆ポポ』(後の『星のカービィ』)として開発していた頃に任天堂から作り直しを要求され、販売を任天堂が行うようになった際は社内で反発があったくらいである。今の任天堂との関係を知るユーザーには信じ難いだろう。
また、HAL研究所を経て、現在はソラ所属の桜井政博は当初はセガと関係があった。
2017年にはスマートフォン向けゲームに「HAL EGG」というブランド名で参入。久々の自社オリジナルゲームの販売となる。
現在のHAL研は基本的にはゲーム機で使用されるサービスや本体機能の開発が主になっている関係で、現在では上記のソーシャルゲームを除くとカービィシリーズ以外のソフト制作は殆ど行っていない。開発会社としてそこまで大規模ではない為か2010年代以降の任天堂のソフトの販売方針展開と開発負担の増加などにより、カービィ新作開発に合わせ、HD開発経験者を幾度も外部から募集したり、株式会社バンプールと共同開発したりと体制強化へ向けた動きを行っている。
ゲーム関連外の展開
カービィシリーズの知名度と人気で誤解されがちであるが、あくまで「ゲーム関連開発会社」という都合があるためかゲーム以外のカービィシリーズのメディア展開やゲーム外のグッズ展開は任天堂及びエンスカイ、バンダイ、タカラトミーなど他企業が主軸に行っている状況であり会社全体としてはそこまで力を入れていない。
この為、HAL研のゲーム以外のカービィ関連グッズの売り上げ数値は全体の4%程度とごく僅かに過ぎず、任天堂側がカービィシリーズのIP展開をしている。
(あくまで他企業と共同の為か任天堂CMの「ピョン・ズバ ・バシャ・イヤーのうた」ではカービィシリーズは扱われていない)
カービィの展開力・規模自体もカービィシリーズの版権を管理し、HAL研が株の半数を所有している株式会社ワープスターと同じ任天度系列のポケモンに比較すると1000分の1程度と幾分小規模であり、コラボ系を除くと関連商品の全国展開はアニカビ時とハッピーセットなど数も非常に限られている。
株ポケは兎も角、株ポケの子会社である株式会社ポケモンセンターより低いと書くと、人気と知名度に反した規模の小ささが分かるだろう。
主な作品
自社ブランド作品
- ガルフォース
- ファイヤーバム:足が速すぎる主人公が有名。
- エッガーランドシリーズ:倒産前の代表作。パズルゲーム。
- 突撃!ポンコツタンク
- NEWゴーストバスターズ2
- ハイパーゾーン:BGMは星のカービィシリーズと同じ作曲者。
- ピンボール66匹のワニ大行進
- カードマスター リムサリアの封印
上記は後にカービィシリーズに小ネタとして盛り込まれている。
- 殺意の階層 ソフトハウス連続殺人事件
- メタルスレイダーグローリー
- ジャンボ尾崎のホールインワンプロフェッショナル
- スーパーダンクショット:自社ブランド最後の作品
任天堂ブランド作品
- ピンボール
- ゴルフ
- マッハライダー
- バルーンファイト
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ(Xまで、Xは音楽のみ参加)
- 星のカービィシリーズ
- MOTHERシリーズ:HAL研がメインで開発したのはMOTHER2のみ。MOTHERは不参加。MOTHER3は音楽制作のみ。
- 糸井重里のバス釣りNO.1:キャラクターデザインはカールでお馴染みひこねのりおが担当。
- ポケモンスナップ
- ポケモンレンジャー
- 顔シューティング
- ハコボーイ!
スクウェアブランド作品
HAL EGGブランド作品
- はたらくUFO
- 歩数で勝負!!カメさんぽ
その他
- ロットロット:発売は徳間書店
- 所さんのまもるもせめるも:発売はEPICソニーレコード
- ロロの大冒険:発売はイマジニア株式会社
外部リンク
関連タグ
個別
関連人物
桜井政博:カービィシリーズの生みの親。現有限会社ソラ社長。1989年-2003年在籍。
岩田聡:元・HAL研社長。2000年に任天堂取締役、2002年に任天堂社長に就任。
糸井重里:元・代表取締役。MOTHERシリーズ、会社ロゴ関係
熊崎信也:現在の取締役。現在のカービィシリーズを担当。
安藤浩和 小笠原雄太 下岡優希 池上正 大原萌:HAL研所属の作曲家
下村真一:元社員。星のカービィ2などナンバリング作品のディレクターを担当。