奇妙で、おもしろい。
そして、せつない。
※本作のキャッチコピー
概要
データ
種類 | オリジナル版 | VC版※1 |
---|---|---|
機種 | GBA | WiiU |
ジャンル | RPG | 同左 |
発売日 | 2006年4月20日 | 2015年12月20日 |
開発元 | 任天堂・HAL研究所・ブラウニーブラウン・東京糸井重里事務所 | 同左 |
販売元 | 任天堂 | 同左 |
レーティング | CERO-A | 同左 |
2006年4月20日に任天堂から発売されたRPGで、前作の正式な続編。ただし、本作では別世界が舞台と思われる事や続投するキャラクターがごく一部に限られている為、仮にシリーズ内で最初にプレイしても一応楽しめるようになっている。
だが、とある登場人物の隠れた一面を知りたい場合は前作を遊び込む事が必須となるだろう。
プロデュースは前2作と同様に糸井重里が担当し、開発は元スクウェア組のブラウニーブラウン(現:1-UPスタジオ)が新たに参加。一方、音楽は前2作で関わった鈴木慶一と田中宏和に代わり、HAL研究所の酒井省吾が全曲を担当した。
そして、糸井は本作を持って『MOTHERシリーズ』を完結とし、今後自身の手で続編を製作する予定は無いと明言している。ただし、「『MOTHER4』を作りたいという声に対しては許可を出すかもしれない」と答えている。
なお、本作は現在もシリーズ内で唯一国内版しか発売されていない。その為、海外ではあまり認知されにくい作品となっているが、有志による翻訳や大乱闘スマッシュブラザーズシリーズへの外部出演によって徐々に知られるようになっている。
発売までの開発経緯
幻となったN64版
実は、本作は元々N64専用ソフトとして開発が進められていた。当初は1997年に『MOTHER3 キマイラの森』として発表したが、後にプラットフォームをN64 DDに移行しタイトルも『MOTHER3 奇怪生物の森』へと変更。
更に、1999年にタイトルが『MOTHER3 豚王の最期』に変更され、2000年5月に発売を決定。当時のイベントで試遊台やトレーラームービーなども披露された。
当時は、マップやキャラクターがフル3DCGで描画されたクォータービューのRPGで、物語は全12章仕立てだった。世界観や物語はこの時から既に完成しており、当時のトレーラーを確認すると3Dで描かれた現在のキャラクター達を垣間見る事が出来る。
しかし、容量や開発期間の都合で12章から8章に短縮されるなどN64のスペックでも糸井の求めるゲームデザインを行えなかった他、開発中止寸前だった前作を救ったプログラマー・岩田聡の離脱(本社業務への関与)、開発の長期化によるファンからの期待感の膨大化、開発側の大作志向化など様々な問題が山積みするようになった。
また、任天堂では同時期に次世代ハードであるGCをメインとしたソフト開発が行われるようになり、N64向けソフトの開発に多くの人員や予算を割く事も出来なくなっていた。
そして、2000年8月に公式から開発中止発表。約6年の開発期間でもなお完成しなかったまま、『MOTHERシリーズ』は沈黙する事になった。
しかし、岩田と糸井、宮本茂は何とか別の形で発売にこぎつけられないかとこの時から検討をしていた。また、ファンからの発売を求める声も大きくなる一方であった。
再開発からのカムバック
2003年6月20日、『MOTHER1+2』の発表と同時に本作の再開発を発表。プラットフォームをGBAに移し、物語やキャラクターはそのままで前2作の雰囲気を色濃く受け継いだドット画による2DRPGとして生まれ変わる事になった。
そして、2006年4月20日に発売。前作から12年の時を経て、遂に復活を遂げたのであった。
ゲームシステム
本編は全8章で構成されており、1つの島の内部のみで物語が繰り広げられる、前半部のみは章ごとに主人公が変わる、序盤から鬱展開があるなどの点が見られる。これらは、ほのぼのしたような雰囲気の中で終始主人公の視点で世界中へ旅をしながら物語が進む前2作とは大きく異なる形で展開する。
このような特徴は本作のみとなっているが、プレイする上でのマップの広さはシリーズ最大で島自体にも様々な地域が存在する。
システム自体は普通のRPGだが、現在では『マリオ&ルイージRPG』などで定番となったシンボルエンカウントと、本シリーズの特徴であるHP減少が時間差で反映されるドラムロールカウンター、幾何学的な戦闘BGMやPSIエフェクトは前作から続投。
そして、本作では新たに戦闘BGMに合わせてボタンを押す事でコンボを重ねられる『サウンドバトル』という要素が追加された。リズム判定はかなりシビアな上、リズムが不規則という嫌らしいフェイントや判定ポイントを持つBGMも多いが、最大までコンボを繋げると2.5倍のダメージとなる。
この為、ダメージや回復の数値はメッセージウインドウには表示されず、敵やパーティに数字がかかるスクウェア作品によく見られる方式になった。
あらすじ
いかにものんびりした美しい風景のなかに、質素な山小屋がたっています。
主人公の少年の、おじいさんの住まいです。
お母さんと一緒に、おじいさんのうちに遊びに行った、双子の少年たちは、今日のうちに、お父さんの待つタツマイリ村に帰ることになっています。
大きく気だてのいい動物ドラゴと全身を使って遊んだり、食卓を囲んでお母さんの手料理を味わったり、たのしい時間は、あっという間に過ぎて行きます。
いつもの森を抜けて、あとは帰るだけ。
不吉な気配など、みじんもありませんでした。
「もうじき帰りますよ」という手紙を加えた鳩が、夕暮れの空を飛び立ちました。
ここが世界のどこなのか、いつの時代なのか、さらには、悲劇なのか喜劇なのか・・・・。
すべては謎にされたまま、この物語は始まります。
WELCOME TO MOTHER3 WORLD
ようこそ『MOTHER3』の世界へ!
※『MOTHER3』の公式サイトから引用
登場人物
メインキャラクター
本作の主人公で、泣き虫だが心優しい少年。父フリント、母ヒナワ、双子の兄クラウスとの4人家族。
幼い頃から超能力の才能に目覚めていたが、後にマジプシーのイオニアの協力を経て『PSI』が使えるようになった。第4章『チチブーの劇場』以降では、プレイヤーとして操作出来るようになる。
リュカの双子の兄。弟と比べるとやんちゃで活発な性格で、よく母から心配される一面もある。
リュカとクラウスの父親。多少不器用な性格で向こう見ずな一面もあるが、強くて頼れる存在となっている。
第1章『とむらいの夜』では、プレイヤーとして操作出来るようになる。
フリントの妻で、リュカとクラウスの母親。とても優しく温和な性格で、家族だけでなく『タツマイリ村』の住民達からも愛されている。
リュカの家で飼われている犬。利口な性格で、本編を通して家族やメンバーを支え続けた。
本作の仲間の1人で、何も盗まないドロボー親子の息子。ウエスから教わった『ドロボー術』を使いこなす事が出来る。
第2章『泥棒アドベンチャー』では、プレイヤーとして操作が出来るようになる。
本作のヒロインで、『オソヘ城』の姫。男勝りな性格で、仲間思いの一面もある。
『PSI』では、主に彼女のみが習得する攻撃系の技が使用出来る。
- サルサ
サル質(人質)となったガールフレンドのサルコを助ける為、ヨクバに奴隷としてこき使われている猿。第3章『あやしい行商人』では、プレイヤーとして操作出来るようになる。
サブキャラクター
- アレック
ヒナワの父親で、リュカとクラウスの祖父。腰痛を気にしている。
陽気な性格でよくギャグを言い、リラックスが何より大事だと思っている。『タツマイリ村』から北側の『オリシモ山』にある山小屋で1人暮らしをしており、娘のヒナワが孫のリュカとクラウスを連れて度々遊びに来る。
また、マジプシーのイオニアとは友達でもある。
ヨクバに対して強い嫌悪感を持っており、『シアワセのハコ』を受け取らなかった。山小屋に雷を落とされ住めなくなってからは老人ホーム『オールドマンズパラダイス』に移り住み、そこで出会ったウエスと仲良くなる。
第1章『とむらいの夜』中盤では、NPCとして一緒に行動する事になる。戦闘中には薬草を使って仲間の体力を回復させ、フリントが寝てしまった時は叩き起こすが、その一方で攻撃力は低く腰痛で動けなくなる事も多い。
- ウエス
息子をよく"あほ"と呼ぶが、彼が行方不明になってからは安否を心配し続けており戻ってきた時には喜びの感情を露わにするなど優しい一面もある。
第2章『泥棒アドベンチャー』では、ダスターに"ある重要な物"を盗んでくるように命じたが彼が違う秘宝を持ってきてしまった為、2度目の捜索に同行する事を決意する。そこで罠にハマって困っていたクマトラを助け、彼女も 加えた捜索を経て無事に秘宝を保護する事が出来た。
しかし、オソヘビとの戦闘後にタマゴを持ったダスターとはぐれてしまった。
第3章『あやしい行商人』では、クマトラとサルサに同行する。ヨクバやブタマスクに最初から嫌悪感を持っており、彼らの言葉を信じなかった。
両者の章では、一時的にNPCとしても活動する。戦闘では『ヌスット術の秘技』や『イカヅチ玉』など威力の高い攻撃をしたり、ダスターの靴下を投げて敵の動きを止めたりする。
一方、彼を叱ったりクマトラの身を案じて何もしないターンもある。
3年後には老人ホームに入れられてしまうが、そこで出会ったアレックと仲良くなる。そして、ある日ダスターについての噂を聞き彼の元を訪れたリュカ達に、行方を追って正体を確かめてほしいと頼んだ。
『オリシモ山』で、マジプシーのエオリアの家の裏の洞窟から繋がっている『ドラゴ台地』に住む緑の恐竜。外見に反して人懐っこい性格で、たまに同じ山の近くに建てられているアレックの家までやって来る事もある。
また、リュカやクラウスがよくやる『ケンカごっこ』(ドラゴに体当たりをする遊び)にも気前よく応じてくれる。
プロローグでは、ドラゴと遊んでいたリュカとクラウスにいきなり戦いを挑むがあっさりと倒される。その後、また会おうという事を言い残すが、直後にヒナワにうっかり踏まれしまった。
それでも、奇跡的に生きていたようで3年後には『オケラホール』に来たリュカ達に再びリベンジを挑んでくる。全体的な能力値は相変わらず低いが、素早さは最高レベルとなっている。
リュカ達が勝利した後はオケラが道中に度々現れ、商売をしてくれるようになる。一方、負けた場合は口の利き方が少し生意気になる。
『ノーウェア島』の様々なエリアで住んでいる蛙。セーブとお金(DP)の管理をしてくれる(ただし、『オケラホール』では場所の関係上オケラにセーブの役割を委託している)。
『ノーウェア島』で長い時代を生き続けている不思議な人物達。中性的でオカマな外見だが、各地に存在する7本のハリを守り続けている。
彼らの名前は、本作の音楽を担当した酒井省吾が音楽用語の『教会旋法』に基いて命名した。
ダスターがオソへ城で手に入れた赤い蛇。文字通り紐としての役割で冒険をアシストしてくれる。
- サルコ
性格はかなり臆病で、救出されても人間に心を開く事は無かった。
『クラブ・チチブー』で演奏活動をしている5人組の男性バンド。全員が記憶喪失という共通点があり、物事で何か迷った時には『ジャンケス』で決めている。
『どせいだに』に住む謎の生命体。外見に反して高度な科学力を持っている。
一方、怖い話を聞くと苦手なあまり怯えてしまう一面もあるようだ。
キングPの命令により、『キマイラ研究所』で働いていた男性。
前作にも同名の人物が登場するが、同一人物なのかは不明。
『タツマイリ村』で最も高身長な男性。いつも無口で誰にも口を開く事は無いが、村で何かあった際に『クロスロード』の鐘を鳴らして皆に知らせている。
- トマス
その後、一時的にNPCになるが戦闘では慌てるだけで攻撃などは全くしない。
当初は誰かが持ち寄った物を欲しい人に無料であげていたが、第4章『チチブーの劇場』以降はトカイから仕入れた物を販売するようになる。『シアワセのハコ』の影響をあまり受けず、村人達から異端視されたリュカに飲み物をおごる。
また、『クラブ・チチブー』や『ニューポークシティ』のゲームセンターに居たりと、遊び好きな一面もある。イオニアを見て綺麗な人だと評していた。
家族は妻のリサ、2人の子供ニコルとリッチ、父のマイクがいる。
- リサ
井戸の近くでブレンダやジルとよく世間話をしており、トマスには何度も世話を焼かされている。
- マイク
3年後には老人ホームに移ったが孫のニコルとリッチに会う機会が減った為、リュカが彼の元に訪れると小遣いを与えてくれる。一方、老人ホームで働くリンダからは些細な事でセクハラ呼ばわりされ「世知辛い世の中になった」と嘆いており、その寂しさを紛らわす為『シアワセのハコ』に入り浸っている。
- ニコル
3年後は他の子供たちと同じく背が伸びており、『コーバ』で働くトマスの代わりに店番を勤めるしっかり者になっている。しかし、あわてん坊な所は父親譲りのようだ。
- リッチ
少し自己意識が強い。
3年後は他の子供たちと同じく背が伸びているほか、服が赤からオレンジに変化している。
- ライタ
大工の親方で常に角材を持ち歩く為、狭い部屋では少し危なっかしい。
第1章『とむらいの夜』では火事で家が全焼するという災難に遭う。それでも、森の道中でのし掛かった木をどかして家族を探すフリントをサポートしたり、とある出来事で錯乱した彼を角材で殴って気絶させ、正気に戻したりもした。
また、ブタマスク達が森に火を放つ所を見ていた為、当初からブタマスクやヨクバに対して不信感を持ち『シアワセのハコ』も貰わなかった。
3年後には、フエルがカロリーヌの店を手伝う事が多くなった事で家族で過ごす機会が減り、弟子の2人も『コーバ』に行ったり漫才をやり出したりしてライタの元から離れる。また、建て直した新しい家も雷に打たれて屋根の一部が抜け落ちてしまった。
それでも、失意の底に居たフリントを心配し続けた1人でもあり、リュカやダスターにも好意的に接してくれる。
第8章『なにもかも なにもかも』では、フエルと一緒に『エンパイア・ポーキービル』の100階で窮地に追い詰められたリュカ達の元に駆けつけた。
- フエル
その後、ライタの所へ合流するまでNPCとして行動する事になる。戦闘中では敵に石を投げつけたり、フリントを応援してHPを少しだけ回復してくれる。
しっかりした性格で、火事で怪我をした父親を励ましたり失意にあったリュカには気遣いを見せる。また、3年後には「誰かの手伝いをするのが大好き」といってカロリーヌのパン屋を手伝うようになる。
第8章『なにもかも なにもかも』では、ライタと一緒に『エンパイア・ポーキービル』の100階で窮地に追い詰められたリュカ達の元に駆けつけた。
なお、アンジーに少し気があるようだ。
- エントツ
- アチャト
猿のような顔をした背の高い方がエントツで、帽子を被った小柄な方がアチャト。
大工として働く場面は見られず、エントツがボケでアチャトがツッコミの漫才コンビとして登場する事が多い。
エントツはテッシーに憧れており、ダスターをライバル視していたが、結局想いを告げる事はなかった。アチャトはクラブ・チチブーの従業員であるヨシコシのファンだが、クマトラが目の前に来ても彼女がヨシコシと同一人物である事には全然気付かなかった。
一時期は漫才の事を完全に忘れて働いていた時期もあったが、『コーバ』の閉鎖後は再び漫才を始める。『シアワセのハコ』にのめり込む事はなく、『ニューポークシティ』に行った後も『タツマイリ村』の今後を憂いていた。
- ジャッキー
3年後には大きなホテルの主人になり、従業員も増えた為にブロンソンと一緒にコーバで働く。『シアワセのハコ』が室内に置かれているが、その影響は小さい。
村での評判が悪いリュカやダスターの来館を歓迎しない姿勢を見せる。
- ベッツィー
サルサ(猿)のことを可愛いと思っている。
3年後は『YADO』への来客が増えた為、村を近代化させたヨクバに感謝している。
- テッシー
『YADO』の看板娘で、何処へ行く時もメイド服を普段着として着用している。才色兼備で『タツマイリ村』の青年達の憧れの的だが、当人にあまり自覚は無い。
なお、ジャッキーとベッツィーの娘なのかは不明。
3年後でも『シアワセのハコ』の影響は受けておらず、リュカ達に以前と変わらない態度で接してくれる。『D.C.M.C.』のタメキチが行方不明のダスターであると直感し、彼を心配してクラブ・チチブーのライブ会場に顔を出すようになった。
トカイへの興味は少しあるものの、他の村人に比べると関心は薄い。後にジャッキー達に連れられて『ニューポークシティ』に行くが全く馴染めず、退屈そうにしていた。
- マット
陽気な性格。酔っているように見えるが、本人曰く「酔っているのではなくしゃっくりの症状」との事。
3年後には、息子ビフ程ではないが微妙に『シアワセのハコ』の影響を受けている為、リュカに対して傲慢な態度をとる。
- ジル
見た目はポーキーのママに似て太っており、口が大きい。
毎日のおかずはローストチキンと決めている。夫の仲は良い方である。
ヨクバを気に入ったらしいが、すっかり遊び好きになってしまった息子とその友人に手を焼いている。『シアワセのハコ』の影響は小さく、牧場の一家の中では唯一リュカに好意的に接してくれる。
- ビフ
3年後はブッチと一緒に『コーバ』でで働いているが、仕事中に立ち寝をするなど勤務態度は不真面目。
- ブッチ
最初にヨクバに目をつけられた男。森が火事になった際に野次馬のような態度をとっていた為エドに止められた。
ヨクバから貰った大事なカネの隠し場所をドロボーであるダスターに教えるが、カネが無くなると彼に疑いをかけるという身勝手さを見せる。3年後はビフと一緒に『コーバ』で働いているが、勤務態度は彼以上に不真面目。
- ニッポリート
『オソヘ城』への秘密の通路が家の地下にあり、城の跳ね橋の鍵を持っていたり、城の前庭の花畑を『○○のなえ(○○にはゲーム開始時に決めた「好きなこんだて」の名前が入る)』と『じゃがじゃがいも』を植えた野菜畑として育てていたりするが、城との関係は不明。失意のフリント達の事を気遣い続け、フリントから預かった『ゆうきのバッヂ』をリュカに託す。
3年後には、『シアワセのハコ』を持っていなかった為に家を雷で破壊されてしまった。第8章『なにもかも なにもかも』では『ニューポークシティ』へ行ったものの、守る墓が無いと嘆いていた(前述の墓と同じ「墓がない」と「儚い」をかけたダジャレを言った可能性もあり)。
- ブロンソン
洗濯物が外に干しっぱなしになっている。海が好きで、海岸で日光浴をしていたりビーチコーミングをする事もある。
失意に暮れるフリントの事をずっと気にかけていた。『シアワセのハコ』を持っているが、影響は殆ど受けなかった。
第8章『なにもかも なにもかも』では、『エンパイア・ポーキービル』の100階で窮地に追い詰められたリュカ達の元に駆けつけた。
- プッシャー
ヨクバに目をつけられ、様々な話を持ちかけられる。リュカ達への態度は冷たいが、ヨクバが傍に居るとコロッと態度を変える。
- エルモア
夫と同じくきつい口調と嫌味な性格で、フリント一家を嫌って厄介者扱いする。息子のオリーが将来大物になって自分達夫婦に楽をさせてくれる事を夢見ている。
- オリー
火事の知らせを聞いて家族の中で唯一手伝いに向かったり、暴れるフリントを止めようとする勇敢な一面もある。村への愛着があったらしく、『ニューポークシティ』に行ってからはすっかり意気消沈していた。
落ちぶれた原因でもあるフリント一家に対して冷たい態度を取るが、リュカや彼の仲間には優しく好意的に接してくれる。
- セバスチャン
家から殆ど出る事も無く、フリント一家や仲間達を邪魔者扱いする。
- マップソン
リュカが向かうべき目的地を地図上に書き込む事が、彼にとってストレス発散となっているらしい。一方、村の事件や様子にはあまり興味が無い為地図以外の話は殆どしない。
住民との人間関係は一切不明で、彼らの殆どが『ニューポークシティ』へ行った後も最後まで『タツマイリ村』に残っていた。その為、第8章『なにもかも なにもかも』では1度も登場しない。
- イサク
しかし、唯一親しい人物がフリントだけであったからなのか、第1章『とむらいの夜』ではヒナワ達が村に帰ってこない事に最初に気付き、住民達を呼んで積極的に捜索活動を行った。また、捜索時には毒消しを無料で配っていた。
しかし、ヨクバに出会ってからは彼の器の大きさに感服し、更に『シアワセのハコ』の影響も大きく受ける事になる。第8章『なにもかも なにもかも』では、完全に洗脳されてブタマスク軍の一員になりブッチと意気投合するようになった。
- アボット
3年後にはコーバで働いていたものの、上手く馴染めずあまり働いていなかった。『シアワセのハコ』に入り浸るものの、元々お互いの幸せだけを求めていたので影響は小さく、逆に2人の絆が更に深まった。
その為、リュカ達にも好意的に接してくれる。
- アビー
夫と同様に『シアワセのハコ』に入り浸るものの、元々お互いの幸せだけを求めていたので影響は小さく、逆に2人の絆が更に深まった。その為、リュカ達にも好意的に接してくれる。
- ポール
見た目は前作のジェフに似ている。
眼鏡をかけており冷静な性格だが、煙に敏感でたまに咳が止まらなくなる。
第8章では、妻と共に『ニューポークシティ』に行ったものの上手く馴染めなかった。
名前の元ネタはポール・マッカートニー。
- リンダ
ヒナワに「ふわふわオムレツ」の作り方を教えてもらう約束をしていた。
夫とは逆に被害妄想が激しくヒステリックな性格で、ヨクバの演説に対して「友人のイサクに余計なことを吹き込まないで欲しい」と思っていた。
3年後には老人ホームで働いているが、マイクの事は良く思っておらず"セクハラじじい"と言って毛嫌いしている。
第8章では、夫と共に『ニューポークシティ』に行ったが、彼女の方は子供のように楽しんでいた。
名前の元ネタはリンダ・マッカートニー。
- ヨーネル
フリントとヒナワの事を"森の小鳥達も羨む最高の夫婦"と評しており、第1章『とむらいの夜』では行方不明になったヒナワ親子の捜索で指示を出し、第4章『チチブーの劇場』ではコーバのやり方に独自の案を提示するなど度々リーダーシップを発揮した。
3年後もリュカにフリントの事を何度も尋ねるなど、一家の事を心配し続けている。なお、実はリュカを自分の後継者にしたかったらしい。
また、信仰深く森の中にある『イノリバ』で祈りを捧げていたが、時が経つにつれ信仰心が薄れていった。
普段は帽子を被っているが、コーバで働いているときは外しており、ツノのような髪型であることを確認できる。
- ブレンダ
口が悪く厄介事や湿っぽい事が嫌いらしいが、結構涙もろい。また、人魚の伝説を信じているなどロマンチックな一面もある。
- ボブ
普段はあまりさえない男だが、ワインと桃が好きである為酒に酔うと口調が紳士的になり、何か良い事がある度に1人で乾杯をしている。しかし、翌朝には二日酔いしている事が多い。
ヨーネルと同様、リュカ達に友好的に接してくれる。
- ドナ
眼鏡をかけており、芸術を好む人並み外れたセンスの持ち主で、当初から『タツマイリ村』を出たがっていた。
泳ぎが苦手な為、練習用のビート板を持っているが、観賞用としてサーフボードも持っている。
第8章では、『ニューポークシティ』の芸術に感動していた。
- レジー
3年後には、『シアワセのハコ』を受け取らなかった影響で雷を落とされテントを焼かれてしまった。
- カロリーヌ
失意の底にあったフリントに対して、彼女なりの言葉で励ましていた。
- アンジー
最初は帽子を被っており大人しい性格だったが、3年後は他の子供達と同様に背が伸び、帽子を被らなくなったほか、気の強さも見せるようになる。好みのタイプは"ジャガイモのような人"で、フエルに対し気のあるようなそぶりを見せている。
母親と同様に、フリント一家の事を励ましてくれる。
好きな海を見るため岬に1人で居る事が多い少女。少し思い込みが激し一面や自分の考えが周りとずれている感覚があり、1度話し始めると長い話を語ってくる。
何故かピアノの事を"ヤノピ"という。時々村を訪れてヨクバの演説を密かに見に行ったが、『シアワセのハコ』には興味を持たなかった為影響は受けなかった。
住民との人間関係は一切不明。
- バトー
見た目は前作のピッキーに似ている。
高所恐怖症で性格は内向的だが、家の中で沢山の鳩を飼い『タツマイリこけし』というものを作っている。
3年後には郵便局のような仕事をしていた。第8章『なにもかも なにもかも』では『ニューポークシティ』に向かったが、その雰囲気には馴染めなかった。
住民との人間関係は一切不明。
- ちょうろう
テディベアのクマミちゃんが好きで、インコのキューちゃんを飼っている。女の子が見舞いに来てくれると嬉しいらしい。
3年後には既に故人(享年99歳)となっており、生前に購入した墓に埋葬された(彼の墓には、単に子供のころからちょろちょろしていたため「ちょうろう」と呼ばれていたということが記されている)。
- エド
リュカ達に好意的に接してくれる。
- ナン
- アル
3年後には他の子供達と同じく身長が伸びており、髪型もツインテールからショートヘアに変化している。
村にやってきたヨクバの演説を聞いているものの、ブタマスク達の乱暴なやり方については快く思っていない。
- ヨシダさん
他のブタマスク達と違い『クラブ・チチブー』に行った事がない。その代わり、歌を作成する程『コーバ』への愛着があった為、閉鎖が決まった時には「俺まで必要とされてないみたいで悲しいよ」と嘆いていた。
本編では詳細が明らかにされていなかったが、2007年2月7日に『ほぼ日刊イトイ新聞』で配信されたブックレットで素顔が明らかになった。
敵キャラクター
ここでは、MOTHER3に登場する一部の敵を紹介する。
全モンスターについてはMOTHERシリーズのモンスター一覧を参照。
キングPと仮面の男に忠誠を誓ってい謎の集団。ある日突如『タツマイリ村』に現れ、様々な悪事を企てていくようになる。
ブタマスク達によってキマイラに改造されたドラゴで、第1章『とむらいの夜』のボス。
『オソヘ城』の地下に潜んでいた巨大なヘビで、第2章『泥棒アドベンチャー』のボス。
キングPに仕え、ブタマスク達を統率している男性。バナナが好きで、食べた後にその皮を地面に捨てる癖がある。
第3章『あやしい行商人』ではサルサを奴隷として扱い、『タツマイリ村』での演説で徐々に間接侵略を試みるようになる。
口だけの顔に足が4つついた不思議生物。
- ぶんちょうぼう
『イカヅチタワー』の『キングPのおへや』に住んでいるメイドロボット。室内に飾られた『ともだちのヨーヨー』を監視している。
- ジェネッタくん
『キマイラ研究所』に監禁されていた生命体。
- てっきゅうメカゴリラ
『シログネ山』にある針を抜いた仮面の男が、後を追って来たリュカ達に差し向けたゴリラのメカキマイラ。凄まじい攻撃力で、手に繋がれた鉄球を振り回してくる。
『タネヒネリ島』にあるミクソリディアのハリを守る謎の生命体。
- 仮面の男 ※リンク先ネタバレ注意!※
第5章『イカヅチの塔』のラストから登場した謎の人物。キングPに忠誠を誓い、多くのブタマスク達から慕われている。その正体は…
『ニューポークシティ』に置かれている巨大な像。一見するとただの石像のようだが…?
- キングP ※リンク先ネタバレ注意!※
ブタマスク達と仮面の男を統率する謎の人物。2をプレイした人からすれば、何となく予想がつくが…。
冒険の舞台
本作の舞台で、村や森、火山、雪山、砂漠など様々なエリアが存在する。
ヨーネル曰く別名"ぶきみじま"で、食べた者にトラウマやネガティブな幻覚を見せるキノコが生えている。
キーワード
- ハミングバードのタマゴ
『オソヘ城』に隠されている秘宝で、世界を滅ぼす力と生み出す力を持っていると言われるタマゴ。第2章『泥棒アドベンチャー』では、ウエスがダスターに"ある重要な物"として盗んでくるように命じた。
また、作中では"ひかりのタマゴ"とも呼ばれている。
- シアワセのハコ
人の心を洗脳する力を秘めているが、その効果には個人差が見られる。
本シリーズでお馴染みのバッヂ。物語の途中でフリントから貰える『ゆうきのバッヂ』をどせいさんに磨いてもらった事でさびが取れ、本来の模様と雷を跳ね返す効果が復活した。
前2作では誰でも装備出来たが、本作ではリュカ専用のアイテムとなっている。
- 7本のハリ
しかし、そのハリは特別な『PSI』を覚えた者しか抜く事が出来ず、自分の守るハリが抜かれた場合彼らは消滅する運命となっている。そして、7本が全て抜かれた時には闇のドラゴンが目覚め、1度世界に終焉を迎えた後に最も多くハリを抜いた者の意思を反映させた新世界へ改変すると言われている。
フリントの家のドアノブ。本編での関わりは特に無いものの度々登場しており、第1章『とむらいの夜』の序盤でトマスに破壊され投げ捨てられてしまう。
その後、本編でリュカやサルサが拾おうとしてもヨクバや住民達によって何処かに投げられたり、窃盗罪の証拠として鑑識に回されたりなどでゲットする事が出来ない。しかし、第8章『なにもかも なにもかも』のラストでとある人物の手に渡る事になる。
メディアミックス
CD
- MOTHER3+
2006年11月2日から発売されたサウンドトラック。酒井省吾が編曲した楽曲に加え、クレイジーケンバンドの生演奏曲や大貫妙子がボーカルを担当した『We miss you 〜愛のテーマ〜』を収録。
また、初回限定で『おしのびどせいさんストラップ』も付属していた。更に、2007年2月7日からはボーナストラック1曲を追加したネット配信版もリリースされた。
- MOTHER3i
書籍
- Pollyanna
『ほぼ日『MOTHER』プロジェクト』の第1弾として、2020年6月25日に発売された公式トリビュートコミック。35名の漫画家と作家が描き下ろした漫画が掲載されている。
なお、ほぼ日ストアでは同年6月12日から先行販売が行われていた。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
リュカが『大乱闘スマッシュブラザーズX』以降の作品でファイターとして(『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』のみDLCとして)参戦している。ホームステージは「ニューポークシティ」で、一定時間が経過するときゅうきょくキマイラが出現する。
また、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』ではクラウスやフリント、ヒナワ、ボニー、ダスター、クマトラ、仮面の男などがスピリットとして登場した。
余談
- ネタバレにも繋がりかねないので詳細は伏せるが、登場人物にまつわると思われる没イベント・没データが複数発見されている。
- 当初N64版で開発されていた時は『PSI』ではなく『マホウ』と呼ばれる物があった。
- 前2作にもあったBGMも一部使われているが、唯一シリーズ皆勤だったのは『Pollyanna』や『スノーマン』となった。
- 前作では、主要登場人物や一部のモンスターはフィギュアが作られていたが、本作では一切制作されておらず他作品で登場した際には全てドット絵が使われていた。
- しかし、リュカときゅうきょくキマイラは『大乱闘スマッシュブラザーズX』、クマトラとボニーは『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』での登場を機にフィギュアのようにモデリングされた。
- 舞台としても謎がかなり多く、少なくとも前作との繋がりがあるキャラはごく僅かしか居ない。時代すらはっきりしておらず、糸井重里も現在でも公言していない。
- 前作との関係性は未来説や太古の時代説、別の世界説もあるがどれも確証が無い。
- なお、1999年にN64で発売された『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』は元々没となった本作の代わりになっていた。
- また、もし本作もN64用ソフトとして無事に発売された場合、リュカは『大乱闘スマッシュブラザーズDX』の段階で前作の主人公と交代で出場予定だった事が言及されているが次作のforではリュカは参戦せず前作の主人公のみとなったが後にニンテンドーダイレクトでダウンロードコンテンツの追加キャラとして再参戦を発表、当時の任天堂社長だった岩田聡曰く「皆様のご要望が多かった」ことにより製作することが出来たとのこと。
- 本作は現在でも海外版がリリースされていない為、リュカだけが大乱闘スマッシュブラザーズシリーズで全世界にデビューした事になっている。
- 一度迎えた開発中止以前で公開された映像では『前作の舞台とよく似た街が崩壊』する衝撃的なシーンがあった。
- ただし、製品版として世に出た本作では前作との時代や舞台の関係は不明となっている。
- 2020年5月14日に、にじさんじに所属するVtuberのリゼ・ヘルエスタから配信された動画がきっかけで本作がTwitterにトレンド入りし話題になった。
- 更に、後に原作者の糸井や音楽を担当した酒井本人も視聴していた事が明らかになっており、配信日の翌日には『ほぼ日』でその内容を採り上げた記事が掲載された。
- MOTHERとMOTHER2は、2022年2月10日に「Nintendo Switch Online」に追加され、SWITCHでもプレイできるようになったが、MOTHER3はGBAか3DS・WiiUのバーチャルコンソール(前述が購入できる「ニンテンドーeショップ」は2023年3月28日に終了)しかプレイする手段がないため、本作をプレイしたい人は早めにダウンロードしておくことを推奨されていた。
- ただし、スイッチオンラインの追加パック契約するとGBAが新たに追加される為、2023年以降に『MOTHER3』が追加されるのではないかと期待も寄せられている。
関連イラスト
関連動画
- プレイ映像 (WiiU版)
関連タグ
メインタグ
MOTHERシリーズ
前々作:『MOTHER』
前作:『MOTHER2 ギーグの逆襲』
リュカ(MOTHER) クラウス(MOTHER)
フリント ヒナワ
ボニー(MOTHER)
ダスター クマトラ
マジプシー リダ
ヨクバ しきかんどの
ポーキー
ゲームボーイアドバンス WiiU
スマブラ
大乱闘スマッシュブラザーズX 大乱闘スマッシュブラザーズfor 大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
間接侵略
参考作品
影響を受けた作品
『悪童日記』(1986年)
フランスの小説家・アゴタ・クリストフが発表した3部作の第1作目。
本作に登場するリュカとクラウスの名前はこの作品の双子の名前が元になっているが、厳密にはそれが明らかになるのは続編の『ふたりの証拠』以降からである。
『ふりむけばカエル』(1987年)
4〜5月の『みんなのうた』で公開された楽曲。作詞は糸井氏が行っている。
本作に登場するカエルのモチーフの一つとして、この楽曲が挙げられている。。
『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年)
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画。
本作の『ニューポークシティ』で、映画館の映写室に置かれた小麦粘土の人形の置物はこの作品が元になっている。
『ライブ・ア・ライブ』(1994年)
スクウェアから発売されたSFCのRPG。
『MOTHER2』と同年に発売されており、最終的に本作に携わったスタッフも参加しているからか、章仕立てや群像劇、衝撃的なイベントなどよく似た部分がある。
影響を与えた作品
『Undertale』(2015年)
トビー・フォックスによって発売されたインディーゲーム。
原作者が影響を受けた作品の1つとして、更に『ファミ通』のインタビューでは本シリーズの中で特に本作が好きとコメントしており、糸井を驚かせた。このような経緯が縁になったのか、後に公式コミックの『Pollyanna』では唯一の海外アーティストとして正式に参加を果たした。
他の記事言語
外部リンク
公式
その他
- MOTHER3 - Wikipedia
- MOTHER3とは (マザースリーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
- 開発者インタビュー - ニンテンドードリームweb(※ネタバレが多く含まれているためクリア後の閲覧を推奨)