解説
MOTHERシリーズに登場するキャラクター。
初登場となる『MOTHER2 ギーグの逆襲』では弟・ピッキーや父・アンブラミ、母・ラードナの4人で過ごしていた一方、『MOTHER3』では本編の展開上彼の家族は本人以外一切登場しない。
人物
イーグルランドの田舎町オネット出身で、主人公・ネスの実家の隣であるミンチ家の長男として生まれる。
ネスの友達…というか悪友に近い存在(最終的には宿敵になったとも言える)。
見た目はネスよりも大柄な肥満体で、金髪で両目が隠れているのが特徴。一人称は「ぼく」だったり「おれ」だったりと安定しない。
親の愛に恵まれない家庭で育った為か、我儘で意地汚く自己中心的な性格に育ってしまっている。
ネスの様なPSI(サイ)能力は持たないただの人間なのだが、それを補って余りある程の悪意の持ち主。自分より弱いと見なした者(主にネス)に対しては非常に横暴な振る舞いをし、人が傷つくような言葉を平気でぶつけるどころか、騙して利用したり、物を盗んだり、誘拐といった犯罪行為さえも躊躇しない。
が、性根は意気地の無い臆病者で、ネスと共に敵と立ち向かったときは戦うネスの傍らでウソ泣きや死んだふり、ネスを盾に利用する等の自己保身に走り、「強い者の味方」を公言して強者に媚び諂って取り入る事も全く厭わない等、プライドの無さを頻繁に見せている。
また、それらからも推察出来る通り、追い詰められると冷静さを失ってしまう形でなりふり構わない行動に出る傾向が強く、その場凌ぎにしかならない安易な手段に出てしまう事もある。
以上からも、どうしようもない性格である一方、愛情や友情に飢えている節も見せており、家族や友達からの愛情に溢れているネスの事を羨ましく思っている。
家自体は裕福ではある反面、何故か他者に借金をする程お金に困っているが、これはアンブラミの躾の厳しさから多額の小遣いをもらえないことに加え、ポーキー自身の金遣いが常軌を逸して荒い可能性もある(後に大富豪の地位を得た後、尋常じゃない羽振りの良さが噂になっている点で、その事がうかがえる)。
また、やたらとノックの音が下品で、この点は何故か弟も同様(両親のどちらかの影響か?)。好物はお菓子らしいが、嫌いな物はネスの好物(デフォルトでは『ハンバーグ』)である。
性格にかなりの問題はあれど、本来ならポーキーはあくまでも普通の子供に過ぎなかった。
だが、ネス達が冒険を進めていく中、まるで理性のタガが外れてしまったかの様に悪の道へとどんどん突き進んでいき、それによって幼児性と暴力性が増していった結果、最終的には完全に取り返しのつかない領域にまで踏み込んでしまう事になる。
作中での活躍
MOTHER2
◆なぞのいんせきのことなら
このポーキーさまが あした
くわしく おしえてやるからさ。
◆おれはいいけど
おまえは じゃまになってるんだ!
冒頭
物語の序盤、オネットの丘に落ちた隕石に興味を持ち、ピッキーを連れ出していたのだが、怯えて一人だけ逃げ出してしまう。
しかし、ピッキーを置いてけぼりにした事実が父親・アンブラミにバレるのが嫌だった事から、自宅で就寝していたネスを強引に巻き込む形で一緒に探しに行った際、彼がブンブーンと出会いお告げを聞かされる場を、偶然にも立ち会う事になる(帰宅後、父親・アンブラミからは迷惑をかけた罰として尻叩き100回のお仕置きをピッキー共々受ける事となった)。
その後、ブンブーンからギーグから地球を救う子供の1人である事が告げられたネスは旅に出るのだが、何を思ったのか、ほぼ同時期にポーキーもオネットから出て、ネスの行く先々で様々な人間に取り入っては彼の前に立ちはだかる事になる。
なお、ポーキーの取り入った先では度々ギーグの創り出した黄金像である「マニマニのあくま」が関わっており、ポーキーもその影響下にあったのではないかと思われたが、マニマニのあくまが破壊された後も全く変化が無かった様子からも、自らの意志で悪事を行っていた可能性もある。
ちなみに、ポーキーが向かった先での彼の評価は散々そのもので、「ふとったガキ」、「いけすかないデブ」、「ふくをきたブタのようなもの」、等と言われ放題で、逆に見ればそれだけポーキーの振る舞いが酷過ぎた事が容易に想像出来る。
旅先にて
最初は「ハッピーハッピー村」にてカーペインターに取り入り、ハッピーハッピー教の幹部にのし上がってポーラの誘拐という犯罪に手を染めるも、ネスの活躍によりカーペインターや信者達は正気に戻ってしまう。
その後は改心した振りをしてネスに取り入ろうとする狡猾さを見せていたが、これも失敗。開き直る形でその場を走り去っていく。なお、この直後にて、無人販売所に存在していた商品全てを独り占めする形で持ち逃げしたらしく、そのせいで販売所は閉店に追い込まれてしまった。
その後、今度は『フォーサイド』にて、モノモッチ・モノトリーに取り入り実力者として君臨。この時には半ズボンのオーバーオールから派手な赤いスーツ姿になっている。
会社重役のコンサルタントとして莫大な財産を築き、本人曰く「経済のみならず政治にまで携わるようになった」とまで語り、数人のガードマンが傍についている。ちなみに、父・アンブラミもまたポーキーの口添えで重役となっている。
この頃になるとポーキーの性格面はかなり悪化する事になっており、すっかり傲慢になってネスの事を「ぶたのけつくん」や「チビスケ」呼ばわりし「物乞いに来たのか」とまで嫌味を言う等、マウントを取る態度を見せていた。
ちなみに、ポーキー専用のエレベーターにいるエレベーターガールが「後ろにくっついてヒップをじろじろ見ないでね」と言っていた点からも、彼女に対するセクハラまで行っていた模様。メイドのエツコには口の上手さを披露しており、素敵な人だと称されている。
モノトリーが正気に戻ると、今度は彼がネス達の為に用意されたヘリコプターを強奪し、「お人好しに戻っちまったじいさんに用はない」と言いながら、相手が攻撃出来ないのを良い事に言いたい放題暴言を放った末、逃げるが勝ちとばかりに飛び去って行った。
これ以降、終盤に至るまでポーキーとは遭遇しなくなるのだが、以降のネス達の行く先々で彼の情報を得る事になる。
ネス達が色々と手間取ってサマーズに辿り着いた際は、ただの観光旅行かそれとも別に目的があったのかは不明だが、博物館のガードマンに買収する形でヒエログリフの写真を撮ったり、ホテルのドアマンにチップをはずむ等、金銭的にかなりの余裕な様子が語られている。
しかし、後に砂漠の国であるスカラビでは、そこを立ち寄ったと思われるポーキーが「名残り」としてノグソをして行った事実が語られ、マナーの悪さを見せている。
その後、ネス達が魔境にまで辿り着いた際に、ポーキーも既に立ち寄っていた事実が判明するが、毒の沼地帯にてポーキーの乗っていたヘリが墜落している現場をネス達が発見。ジェフがヘリを直そうとした際は、何故かポーキー本人だけでなくヘリのエンジンまで無くなっていた事実が判明している。
この時点で消息不明になったポーキーであるが、その後はなんと地底大陸にて彼らしき人物がいた事実が明らかとなり、彼から「心が張り裂けそうな事」を言われたグミ族が、傷心を癒やそうと温泉に浸かっている様子を見せている。だが、岩で塞がれているはずのルミネホールへ通じる穴をどうやって入ったのかは不明。あるいは穴を岩で塞いだのにポーキーが何らかの形で関わっていたのだろうか?
そして終盤では、過去に行く為にどせいさんが製作した『スペーストンネル』を強奪。生身の状態のままで『過去の最低国』へと向かってしまう。
最終決戦時
自分達の魂をロボットに入れてまで最低国の最深部にまでやって来たネス達の前に、ギーグの元にいたポーキーは見た事も無い重機械に搭乗して立ち塞がる。
◆ネス! おどろいたか。
ぼくだよ ポーキーだよ。
つよいものの みかた!
ポーキーだよ。
どういう経緯なのかは全くの不明だが、ポーキーはなんとギーグの配下となっており、人格が崩壊しているギーグと共に、ネス達へと襲い掛かる。
しかし、追いつめられると、かろうじてギーグの心身を保っていた「あくまのマシン」のスイッチを勝手に切る形で真の姿と化したギーグをけしかける。
◆けっ けっ けっ けっ。
おまえたちの ちからも
そんなもんで せいいっぱいだろ。
◆この いじげんくうかんに
せいぎのみかたとやらは
おまえら よにんだけ…。
◆だれにも しられず
うちゅうのゴミになって
きえるのを まつばかり…。
◆くーっ
かなしいはなしだよ。
なみだが でるね。
◆おれも ドキドキしてるんだよ。
…こわくてさ。
◆この まっくらやみに むかって
たすけを よんでみるかい。
◆ハハハハハ。
◆ママーッ! って
さけんで みろよ
ネス!
◆ママーッ! パパーッ!
おしっこもれちゃいそうに
こわいよう! ってか。
◆テレパシーでもなんでも
つかえるもんなら
たすけをよんでみれば いいさ。
◆よわむしけむしの
せいぎのみかたさん!
◆だーれも きちゃ くれないぞ。
◆けっけっけっけっ…。
◆はやく らくになりなっ!
自分の有利だという確信からか、ポーキーはこれまでの鬱憤を晴らすかの様に、挑発的な言葉を言いながら、ネス達を煽り続ける。
だが、自らが不用意に言い放った言葉が原因で、結局はネスの仲間の一人が起こした「奇跡」により、ギーグも完全に倒されてしまう事となった。
しかし、なおも自らの負けを認めようとしなかったポーキーは、「何処かの時代に逃げて次のプランを立てる」とネス達に捨て台詞を残し、時空間を渡って逃亡した。
◆えんがあったら また あうさ。
シー ユー アゲイン!
◆ほんとに カッコイイのは
どっちかな?!
その後の行方は不明だが、少なくとも家に帰っていないのは確かで、EDのラストで彼が書いたと思われる手紙がピッキーから渡された。その内容は…
◆ここまでおいで。おしりペンペーン!
果たして、ポーキーは何がしたくてネス達の行く先々を立ちはだかっていたのか?
その答えはおそらく、ポーキー自身にも分からなかったのかもしれない…。
弟のピッキーだけは、永遠に家へと戻って来なくなった兄の行方を案じていた様だが、エピローグの自由行動で見る限り、ミンチ家は実質的に家庭崩壊している様子。
なお、ギーグが何故ネスの隣人に過ぎなかったポーキーを配下として迎え入れたのかについては、ギーグ自身が人格を崩壊させてしまった事もあって、最後まで明かされる事が無かった。少なくとも、ポーキーが魔境でヘリを墜落させた時期には、ギーグからの接触を受けていた可能性が高いと言え、地底大陸に辿り着いていた事にも説明がつくと言える。
また、これは本当に予想外な真実だが、ギーグの配下となったポーキー自身の言葉によると、ポーキーの数々の悪事に関しては、ギーグの所有する予言マシンである『ちえのリンゴ』でさえ予言出来ていなかった事とされている。
もし、それが事実だとすれば、ポーキーは予言で把握する事の出来たネス達よりも遥かに『特別』かつ『イレギュラー』な存在であったという事になるだろう。
MOTHER3
本作がNINTENDO64の作品として製作段階であった時の副題は『豚王の最期』であり、その当時よりポーキーが物語の黒幕で何らかの形で最期を迎える事が確定していた。
当初本人は全く登場しなかったが、第7章『7本の針』のラストにて、『ノーウェア島』の『タツマイリ村』の人々の憧れである”トカイ”こと『ニューポークシティ』の支配者"キングP"の正体であった事実が判明。
飛行機能を備えたリムジンの運転手を通してリュカ達をニューポークシティへ招待した。
そして、第8章『なにもかも なにもかも』ではリダの情報から『エンパイアポーキービル』の100階で指示を出している事が明らかになる。
ポーキーからの放送による挑発を受けたリュカ達は、それに乗る形で100階を目指す事になるのだが、行く先々ではポーキーの暴虐によって行われている非道が描かれており、中には『液体の入ったカプセル「よいひと温泉」内に閉じ込める形での洗脳処置』等、ギーグの技術を利用して開発されたと思われる施設も存在していた。
更に進む中、リュカ達はポーキーを模したロボットであるプチポーキーと「モグラ叩きゲーム」、「一本橋早渡りゲーム」、「どっちでバン!でショー」の三本勝負での大戦をさせられるのだが、このゲームは全てポーキーへの「接待」を行うゲームであり、圧倒的勝利は勿論、わざと負けるのもダメ、ギリギリで負けるだけが「正解」という馬鹿げたルールだった為、リュカ達には呆れられる事になる(特にダスターは「こんな事させるポーキーって、俺達が思っていた以上に下らない奴の様な気がする」と酷評している)。
◆おわりの はじまり。
◆すべての おわり。
◆なかよく しようよ。
◆ぼくが ポーキーです。
◆ほんとうは こんなに すなおな
ただの ちいさな しょうねんです。
ようやくビルの100階に辿り着いたリュカ達の前に、ポーキーが姿を現したかと思われたのだが、その正体は彼が自分そっくりの外見をして造らせた『メカポーキー』であり、突如自爆したメカポーキーにリュカ達が怯んだ後、新たに複数のメカポーキーが召喚され、襲い掛かった。
当初は、幾ら倒しても無尽蔵に送り続けられるメカ達に任せ、ダメージを受けて追い詰められる度に自爆させる卑劣な戦法で、徐々に彼らを追い詰めようと試みる。
しかし、音楽を心から愛した為にポーキーの洗脳が効かなかった『D.C.M.C.』の乱入と援護によって全てのメカポーキー達は蹴散らされた。
更に、3年前の悲劇からずっとリュカ達を心から信じ支え続けたライタやフエル、ブロンソン、ウエスなどの仲間達、彼の大切な家族であるフリントやアレック、そしてかつて『キマイラ研究所』から離反したアンドーナッツ博士も駆け付け、一気に劣勢状態へ逆転する。
窮地に立たされた彼はリュカ達に声をかけた後、遂に無数の天井の蔦からポーキー本人が目の前に現れるのだが……。
◆ゴホンゴホンゴホ。
◆もうすこし まえにでて
よくかおを みせてくれ・・・。
◆おお そんなかおを していたのか。
◆ここまで きみたちを
よんだのは ぼくだ。
◆みらいと かことを
じゆうに いききしてきた たびびと。
◆だれよりも おりこうで
だれよりも チャーミングで
だれよりも いたずらっこな
◆ポーキー・ミンチさま でーす。
◆この ちきゅうさいごの じんるいを
きどっている
へろへろ いきのこりの しょくん!
◆あらためて ようこそ。
おしり ぺんぺーん!
あはははははは。
招かれざる侵略者(ネタバレ注意)
そこで明らかになったのは、前作からは想像も出来ない程老化が進み歩行や呼吸すら困難になる程衰弱した姿だった。
実際に、移動時にはベッドと言うよりも棺のようなカプセルから足の生えたマシンに、まるで介護される老人のように収容された状態で行動している。
前作でのネス達とギーグによる死闘後、時間転移の機能を利用して様々な時代や世界を一人旅していた様だが、すっかりエゴを肥大化させてしまったその我儘で暴力的な性格故に、誰からも受け入れられず、追い出されてしまう経験を繰り返していた模様。
しかし、前作でアンドーナッツ博士が推測していた通り、本来時間転移は生身の状態で行うのは非常に危険な事で、ネス達も魂をロボットの中に入れる形で行っていた。だが、ポーキーの場合は生身の身体のままで時間転移を繰り返してしまい、その影響によるものか身体は『不死』化したが、『不老』化にまではならなかった為、『不死身の身体になったが無限に老化し続ける』という歪な人間になってしまった(前作のギーグとの決戦時、肌の色が青白くなってしまっていた点からも、既にその時には身体の変調の兆候が始まっていた事がうかがえる)。
当人は「1000歳かも知れないし10000歳かも知れない」と語っており、肉体は醜く変調しても精神は子供の心のままであった。その為か、口調は大人びた物と幼稚な物の入り混じった物となっており、本人の台詞から歯も入れ歯となっている模様。
極めて歪な形で時を過ごした結果、自制心が無い精神と、自己顕示欲や支配欲だけが肥大してしまい、旅の道中で出会い洗脳によって集めた人々を自らの私兵であるブタマスクにし、更には強力な武器や兵器を自身の戦力として開発させ、侵略を行う形で様々な時代に大きな混乱を撒き散らす様になってしまった。
その歪んだ性格を自覚してはいたものの、最後まで認める事はしなかった。
◆わらうのか。
◆ゴホン ゴホン
◆ぼくを わらうのか!
時間転移を繰り返した末に『ノーウェア島』に転がり込む形で辿り着いたポーキーは、間接侵略に乗り出すべく、序盤から住民の洗脳や島で動物のキマイラ化による生態系の破壊を試みた。
更に、自己の欲望の塊とも言えるニューポークシティや街の何処かに『キングのぞう』を作り上げ王として君臨する等、文字通り子供らしく島を玩具のように扱いやりたい放題やっており、私兵のブタマスク達には島の侵略の促進も命じている。
このような経緯から彼は本作の全ての元凶であり、皮肉にもヒナワとクラウスを間接的に死へ追いやっている。
野望と顛末
マジプシーのロクリアから島にある7本のハリと闇のドラゴンの話を聴いた事がきっかけで、自分を必要としない世界を滅ぼしてやろうとクラウスの死体を改造して生み出した仮面の男にハリを引き抜かせるように命じる。
そして、7本目のハリの所へ向かった彼の後を追うリュカ達を阻止する為、勝負を仕掛ける。
しかし、想定以上の強さで乗っていたマシンが壊れる事態に遭った事で、追い詰められた彼は、アンドーナッツ博士を騙して製作させた『ぜったいあんぜんカプセル』に逃げ込んだ。
これはあらゆる外部からの干渉を阻む事が出来る"絶対に安全な*カプセルであるが、同時に1度入ったら永遠に出られないという代物で博士曰く"外に居る人にとっても絶対に安全"なカプセルであった。
ポーキーはその後リュカたちと共にハリを抜いた後の新しい世界を見届けると、その風景を見て嬉しそうに揺れていた。
親友のネスへの嫉妬をきっかけに闇堕ちし、時空を越えて逃走するがその代償に死ぬことの出来ない身体となり、自暴自棄となって数々の暴挙を行うが最後の1本はリュカによって抜かれた事で野望が潰えただけでなく、彼はカプセルの中で死ぬ事も許されず、例えドラゴンが目覚め全てが終わった後も永遠に生き続ける運命を辿る事になる。
など、事の顛末だけ見ればとにかく悲惨な末路の彼だが、意外にもそのラストシーンは彼に対して多少の救いを感じさせるものとして書かれている。
対人関係
家族
ラードナ・ミンチ
母親。大きな口に寄り目と不気味な見た目をしている。
自称「正直者」であるが、それを良い事に口が非常に悪く、ブンブーンを蝿と見なして殺害したりと暴力的な一面を覗かせる(ブンブーンのステータスを参照するに、ファンによっては彼女をMOTHERに登場する最強生物と評する声もある)。
ピッキー一人に留守番をさせてアンブラミと外食に行ったり、エンディングでは我が子であるはずのポーキーを「ブタ息子」呼ばわりして名前で呼ばない、愛人(カラーマン)を家に連れ込んで子供の目も気にせず堂々と浮気をする等、ポーキーが捻くれていった理由をある程度推察できる精神構造をしている。
『MOTHER3』では彼女に似せたロボットがレストランの従業員として登場するが、「すききらいはあってもいいのよ」だのとポーキーを甘やかす様に人格がプログラミングされている辺り、ポーキーは母親に愛して欲しかったのではないかと思われる。
彼女の存在を踏まえた上で『MOTHER』というタイトルを考察すると作品への見方が変わる…かもしれない。
アンブラミ・ミンチ
父親。メガネを着用している。
妻からはお人好しと呼ばれており、ネスのパパに金を貸している…らしいのだが、ネスを何も分からないガキ扱いしてるのか「何百万億ドル…にちょっとかけるくらい」と十中八九デタラメの額を出したり、それを理由にネス家に立ち退きを要求したりと、彼もまた一人の大人としてろくでもない人物である事がうかがえる。貧乏暮らしを自称している割に子供たちを差し置いて外食するだけの余裕はあるようだ。
妻のラードナに比べると息子達への教育は厳しく、冒頭でも勝手に外に出た二人にお仕置き(ケツたたき100回)する様子が描かれているが、それでも無関心よりはずっとマシと言えるくらい、子供達への愛情はあったと言える。だが、ポーキーからは、内心自分に冷たい父親としか見なされていなかった模様。
フォーサイドの「モノモッチ・モノトリー」によって一度はリッチマンとなるが、モノトリーが正気を取り戻した後はあっけなくポーキーに見捨てられている。
エンディングでは、上記の通り妻が間男を連れ込んでいる実家に戻る事もできず、ボルヘスの酒場でひたすらヤケ酒する程までに落ちぶれてしまう。
ちなみに、両親の名前の由来は「脂」が由来である。
ピッキー・ミンチ
弟。こんな歪な家庭に育ったにもかかわらず、(下品なノックの音を除いて)常識人である。物語の冒頭においても、兄と違ってネスの戦闘の手伝いをしようと懸命な姿勢を見せており、ダメージこそあてにならないものの、責任感や勇気の強さを持つ様子を見せている。
これでも兄の事を心配するぐらいには兄弟仲は悪くなかったらしい。ただし、その割に冒頭で兄貴に酷い目に遭わされまくっており、ポーキーがネスを連れだしてピッキーを探したのも、「弟(ピッキー)が心配だった」ではなく「父親(アンブラミ)に叱られるのが嫌だった」という保身からだった。更にマジカントでの発言からも、お菓子を取り上げられる等、兄からは意地悪されていたらしい。
最終的に兄は自分達を捨てる形で去ってしまい、父はヤケ酒、母は浮気と、一家の中で最も割食ってしまう事になった。当然、エンディングの自室では、元気の無い様子を見せているが、エピローグにて兄からネス宛の手紙を届けている。
小説版では、ネスの妹であるトレーシーが、幼馴染み兼ガールフレンドとなっている。原作でもこの関係である可能性が高いので、しっかり者の彼女が兄を失い家庭崩壊して落ち込んでいるピッキーを何とか立ち直らせて欲しいと思わずにはいられないプレイヤーも少なくないだろう。
唯一の救いと言えたのは、「その後における兄の顛末を知らずにいられた点」であるか…。
家族以外
ネス
原作
『MOTHER2』においては幾度となくネスと衝突したポーキーだが、本音では彼を大切な友達と思っていた。
実際に、作中では彼の事を何度も馬鹿にしたり見下したりしているが、同時に心の奥では親の愛情に恵まれずねじくれた自分に普通に接してくれる唯一の人物で大事な存在と考えており、しかし自分と違って彼は親の愛に恵まれている事を羨ましく思い嫉妬していた。
また、それは決してポーキーの一方通行の思い込みではなくネスも何処かでポーキーの事を気に掛けていたのではないか、彼の行動原理が両親に愛されなかった事によるものだと知っていたのではないかという考察もある。
ネスの精神世界である『MOTHER2』の『マジカント』にはネスの親しい人や思い出の存在と共にポーキーも存在しており、こんな台詞が見られる。
◆ネス
おまえは いいよな・・・・。
◆なんか おまえのこと
うらやましいよ。
◆・・・・・・。
◆おれなんか ダメさ。
◆だけど、ネス
◆・・・・ま、いいよ。
◆いつまでも なかよく
やっていこうぜ な。
この事から、彼の理解者に最も近かったのはネスなのではないかと思われるが、その真意を知る前にポーキーは時空間に飛び去った為、やがて『MOTHER3』で一連の悲劇と彼の悲惨な末路へと繋がっていく事になる。
『MOTHER3』では、ネスに対して抱いていた友情についてが顕著に示されている。
例えば、ネスから貰った『ともだちのヨーヨー』を『イカヅチの塔』でマシュマロちゃんに管理を任せる程厳重に保管していたり、彼の活躍を収めた映画を『ニューポークシティ』の映画館で上映もしている。
更に、この映画にはポーキー自身の行動を脚色したり、ネスを貶めたりするような作為的な描写は一切無い。この事から彼がネスに嫉妬する一方で友情を感じ、大切な存在と見ていた事が窺える。
年齢が14歳に変更された事で、ネスより年上となっている。幼い頃は彼の良き兄貴分だったが、入学後に上級生に情けなくいじめられていた所をよりによって弟分のネスに見られてしまい、更に彼に見て見ぬ振りをされた事がきっかけで、性格が歪み始めるようになった。
そして、本編では『オネット』に墜落した隕石に潜んでいたギーグに寄生され、徐々に蝕まれるようになった。終盤ではギーグが復活する前に自我を取り戻し「今のうちに殺してほしい」という自身の願いを聞き入れたネスによって倒された。
その後、ギーグ打倒で生じた歴史改変でポーキーはネスの実の兄という世界に変化し、仲の良い兄弟のままエンディングを迎えた。
なお、改変後は体格や性格がスポーツマン然とした面倒見の良い頼れる兄貴となっている。一方、ミンチ家はピッキーの1人っ子の家庭でネスの家との力関係も逆転した。
このように、小説版の結末は『MOTHER3』に繋がらない(と思われる)展開になっている(もっとも、この小説版が出たのが『MOTHER3』よりもずっと前なので無理は無い事だが)。
色々と賛否両論ある小説版だが、もし興味があるなら是非読んでみよう。
ステータス
MOTHER2
序盤では一時的にNPCとして行動するが、戦闘中では臆病者な一面から死んだ振りをしたりネスを盾にするといった行動を取り、敵には一切攻撃しない。
一転、ラストバトルでは先述通り「じゅうそうび」に乗り込み敵として登場。第1形態のギーグにはこちら側の全ての攻撃が跳ね返されてしまう為、展開を進めるにはまず彼を攻撃しなければならない。
味方全体のオフェンスとディフェンスを下げる『とてもくさいガス』や、味方1人に大ダメージを与える突進を繰り出して来る。一定ダメージを受けると、ギーグを制御していた『あくまのマシン』のスイッチを切った後にネス達の戦闘から離脱し、戦闘が終わるまで状況を俯瞰するようになる。詳しくはじゅうそうびポーキーを参照のこと。
MOTHER3
メカポーキーは、力尽きる前に爆発で全体ダメージを与えてくる。その為状況に応じて攻撃と回復のタイミングをしっかりと見極めなければならない。
ラストダンジョンで戦うポーキーは、前2作のラスボスのような正体不明の攻撃(主に物理や『なみだ』の状態異常攻撃)を仕掛けてくる。
特に厄介なのは防御・シールド無視の全体攻撃。リュカが「ライフアップΩ」をいつでも使えるようにはしておきたい。
クマトラが「PKグラウンド」を覚えているなら、サイコシールド無視の大ダメージを与える事ができる。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
大乱闘スマッシュブラザーズX
アドベンチャーモード『亜空の使者』で、ボスキャラクターの1人として登場。容姿は『MOTHER3』の物を踏襲しており、原作と同様に棺桶から足の生えたようなマシンに搭乗している。
最初は「キングのぞう」に乗り込んでリュカを追い掛け回していたが、救援に駆け付けたネスに像を破壊された事で遂に姿を現し、両者と激突する。
なお、「キングのぞう」は無敵で絶対に倒す事は出来ず、接触すると大ダメージを受けて吹っ飛ばされてしまうので注意。その為、序盤はポーキーを倒すのではなく逃げ延びる事がシナリオを進める条件となる。
超威力の突進やボディプレス、脚部の1つを使った乱れ付き、さらにレーザーなどで攻撃してくる。重い一撃と多段ヒットして大ダメージを与えてくる技の両方を兼ね備えており、更に鈍重そうな外見に反して意外に素早い為、経験者でも苦戦する。
特に、最高難易度の「ゲキむず」ではあらゆる攻撃から一撃でKOされる危険性を孕む非常に危険なキャラクターとなっており、ガレオムやデュオン以上に苦手意識を抱いているプレイヤーも多い。
因みに、亜空軍の一味だったかどうかは不明(厳密には亜空軍配下の兵士と共に登場するが、「キングのぞう」の状態では敵味方関係なく押し潰して歩いていた為)。
ネスが老化後のポーキーと出会うという原作を思うとあまりにも因縁が深すぎるイベントだが、キャラ間のやり取りは特になく敵同士として淡々としたまま終わる。スマブラ世界に存在しているキャラは本人ではなく、あくまでもキャラを模したフィギュアだからということだろうか。
大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Wii_U
口の達者なワガママぽっちゃり少年だった彼、しかし、ごらんのとおり異様な姿である。
いったい彼に何があったのかを説明するには、ゲームを2本ほど、作らなければならない。
オネットの町に住んでいた頃は、ネスのママに「いつもきれいですね、へへへ」といったような、おせじを使うたんなるマセガキ君だったのに・・・・・・。
(参戦後のフィギュア名鑑より)
フィギュアのみ登場。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
同シリーズからメジャーやマイナー問わず様々なキャラクター達がスピリットで登場する中、彼は現時点で未登場となっている。ファンの間では「『ぜったいあんぜんカプセル』に彼も含まれているのではないか」といった説も考えられているが、真相は謎のままである。
余談
- 糸井によると、非道な悪行を繰り返しておきながら生き延びたという点を批判するプレイヤーもいれば、死ぬよりも悲惨な末路を辿る事になった彼に同情する声もある。
- 『3』でのポーキーが老化している事は直接対面するまではわからないようになっているが、実は偽の100階での彼のアナウンスで伏線が既に張られている。あるフロアで何故か「入れ歯」の事を言うところである。特に前作をプレイしていない人は気付きにくいが、前作をプレイしている人だとあの頃のまんまの姿だと思い込んでいると思われるので、何故あの悪ガキが入れ歯の事を言い出すのか違和感を持つのである。
- 実は、『MOTHER3』の没データ上にはマシンが落下して死亡するポーキーというアニメーションが存在する。
関連イラスト
関連タグ
メインタグ
ジェフ(MOTHER) プー(MOTHER) じゅうそうびポーキー