概要
エレベーターガールとは、デパートなどのエレベーターで各階の案内とエレベーターの操作を担当する若い女性のこと。制服や、エレベーターと言う狭い密室で一緒になれるというシチュエーションが魅力。
歴史は古く、日本には昭和初期に初めて導入された。
仕事内容は、エレベーターに乗る客の安全確認、客の希望する階へのボタンを押す、怪我人等乗り降りに困難な人を助ける、といったところ。
昔のエレベーターは、扉が重い手動式であったり、扉が格子戸なので気を付けないと手やら荷物を挟んだり、或いは建物の各階に据えられた外側の扉と内側の乗客が乗る「カゴ」の扉の両方をちゃんと閉めないと動かない…という安全装置が無かったりといった具合に不親切で事故のリスクが大きく慣れた人でなければ動かせない危険な代物であった。
慣れた人しか利用しない建物であればともかく、様々な人が利用するデパートではエレベーターの操作のほかに利用客の案内や乗り降りの補助といった仕事が必要とされたため「エレベーターガール」が誕生した。
エレベーターガールの現在
施設自体(百貨店など)の閉館や、人件費の削減、エレベーター自体が自動操作になった等の理由で、エレベーターガールは都心の老舗百貨店など、ごくまれにしかお目にかけられなくなった。
そんな中東京駅八重洲口から徒歩圏内にある日本橋高島屋S.C.では、本館にある10基のうち、正面エントランスから入ったところに見える6基がすべてエレベーターガールをともなう手動運転を続けている。カゴそのものはさすがに自動化されたものの、内扉が昔ながらの蛇腹方式であり、安全確保の観点から手動運転を続けているのだという。この日本橋高島屋S.C.の本館は、建築の美しさにも定評があり、2009年に百貨店建築として初めて国の重要文化財に指定された。