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概要

MOTHER3の登場人物で、タツマイリ村に現れた謎の行商人。

鼻の下にヒゲを生やし、日除けのようなものがついた帽子ないしターバン(クーフィーヤ)を被ったアラビアンな装いである。高級バナナが好物で、「ヌヘヘヘヘ」と下品な笑い方をする。

猿のサルサを連れており、貨幣制度のないタツマイリでお金(DP)を配る、不安を煽るような演説を行い「シアワセのハコ」と呼ばれる怪しげな装置を各家に設置させるなど、不審な行動を行う。

その正体は第1章、第2章で暗躍していたブタマスク達の親分と言える存在。

サルサは電撃を与える首輪とサル質を使い無理やり従わせており、また第1章の森火事も彼やシアワセのハコが信用を得るための自作自演であった。第3章終盤でサルサには逃げられるが、3年後の第4章でも平然と登場し、あろうことか村人からは村発展の立役者として尊敬を集めている。

第5章ではイカヅチタワーの頂上でリュカ達を追い詰めるものの、自身が捨てたバナナの皮で足を滑らせて落下(何故かボイス付き)。ポイ捨て癖が仇となった自業自得とも言うべき最期を遂げた。

シアワセのハコ

ヨクバがタツマイリに広めた怪しい箱。ピンク色の直方体に画面が付いた形をしており、テレビパソコンを連想させる。しかし、そこから発信されるのは「謎の光」と「震えるような音」であり、リュカやプレイヤーはその意味を理解することはできない。

3年後には完全に普及しており、設置されていない家はイカヅチタワーによる落雷で破壊されるため、タツマイリの事実上の居住権のようなものとなっている。

作中でその具体的な役割について言及されることはないが、設置開始からたった3年間で通貨が根付き村が発展したこと村人のほぼ全員が同時期に都会への憧れを抱き始めたことなどから、ブタマスク達の望む状況を作り出すための催眠装置のようなものだと推察できる。

糸井は発売後のインタビューでシアワセのハコについて「テレビ(パソコン)と決めないでほしい」「水道管かもしれない」と述べており、既存の何かの暗喩ではなくインフラという概念そのものであることが示唆されている。

復活

◆おまえ ヨクバさまのこと きいたか?

◆なんでも ものすごい

 イメージチェンジを したらしいぜ。

◆おう きいてるきいてる!

◆なんか サウンドほうめんに

 めちゃくちゃ ちから いれたらしいな。

ニューヨクバ

※入浴場ではない。

なんとメカキマイラに改造され生き延びており、第7章で火山のハリを目指すリュカ一行の前に立ち塞がる。半身を機械化し、背中には飛行用ロケット、そして何故か鼻からは巨大なラッパが生えている。また声帯を損傷したのか言葉が話せなくなっており、代わりにロボットの「ツーヤク」がラッパの音色をエキサイトに翻訳してくれる。

絵面だけ見ると完全にギャグなのだが、これまでの相手とは間違いなく一線を画す強敵である

高ダメージの全体攻撃に加え、どわすれガスやノミいりボムといった状態異常技を使用。物理攻撃はシールドで軽減され、HPが減ると高級バナナにかぶりつき大回復を行う。

また、戦う場所にも問題があり、"タイタニースカイ"や"ミセスようがん"を始めとした難敵だらけの長い道の果てで突然戦闘が始まるため、万全の状態で戦うのは難しい。加えてセーブポイントもフリギアの家の前のカエルが最後であり、敗北するとまた道の始めからとなる。

無論、ニューヨクバ撃退後はその来た道を戻らなければならない。貰った傍からフリギアのかたみを消失してしまったプレイヤーは多いだろう。

ミラクルヨクバ

第8章のニューポークシティの下水道にて、「猛烈に強力な危ない最終兵器」として再び一行の前に立ち塞がる。戦闘能力とラッパの本数が大幅に向上、通訳はよりはちゃめちゃになっている。

一定のダメージを与えると追加分のラッパが外れ、憎しみに心を支配された第2形態へと移る。

攻撃は物理からPSI中心になり、Ω級のPK、そしてPKスターストームを連発する。また、使用するシールドはサイコシールドになるため、形態変化に合わせてこちらも戦い方を変えることが求められる。

撃破後は「戦いの場面に限らず、二度と会うことはない」と言い残し、下水の中に墜落する。

ネタバレ

ロクリアさまは

もう かえってこないみたい。

ぼく?

ロクリアさまに かわいがられてた

ねずみだよ。

ヌヘヘヘヘとか きもちのわるい

わらいかたを するから

みんなには かんじのわるい

ひとだったかも しれないけど

ぼくには とても

やさしい ひとだったんだ。

もう かえってこないのかなぁ。

さびしいよ。

彼の正体は、実はマジプシーのひとりである「ロクリア」。物語的には最後のハリになる、エンパイアポーキービル地下のハリの守護者だった。他のマジプシーとの関係は良かったはずではあるが、なぜかポーキー側に寝返った。

戦闘中に服装のことを考えたり、ドラゴに追い詰められた時にオネエ口調になったりとオシャレが好きで男でも女でもないマジプシーらしいそぶりを見せていたほか、なぜかクマトラの事を知っている(※クマトラはマジプシーのイオニアに育てられたため、ロクリアは成長した後の顔も知っていたと見られる)と、伏線は随所に張られていた。またメカキマイラになった後のラッパのBGMはマジプシーのBGMであり、最終戦で本気になった時はスターストーム等の強力なPSIを使うなどの描写もあった。

そしてエンパイアポーキービルの途中にあるマジプシーの家では、大量に置かれているバナナの箱、ロクリアのかたみなどが置かれており、ヨクバ=ロクリアであることが示されている。同階には砂漠のような背景が描かれており、服装のイメージも広大な砂漠のある中東風である。ここから、ヨクバ=ロクリアは本来デス砂漠のマジプシーであり、ニューポークシティはデス砂漠の真上に建設されたのではないかという考察もある。

またフロアを上がる度にリュカ達を茶化す放送をするポーキーだが、ロクリアのフロアを調べた後だけは明らかに不快感と敵意を顕にしてくる。ポーキーなりにロクリアに対して思うところがあったのだろうか。

「かねつきおとこ」のリダは「7人のマジプシーの中にひとりだけいた裏切り者は、まだ君達があっていないはずのロクリア」と語っている。その通り、ポーキーに対して7つの針の事だけでなく、タツマイリ村の秘密を話したのもロクリアである。

リダ自身もヨクバとなったロクリアを作中で目撃しているが、ロクリアが裏切った事自体も知っていた。それにも拘わらず、ヨクバがロクリアだとは気づかなかったらしい。

なぜ裏切ったのかは結局のところ不明である。糸井重里自身も実は答えを用意していないらしいが、「きっと悪いヤツに会っちゃったんでしょう」とも発言している。

二次創作においても、ポーキーやタツマイリの村人達が来るより前にノーウェア島への闖入者がいた、先代のマジプシーと確執があった、タツマイリ村設立にあたっての記憶操作に反対の立場だったなど様々な考察・解釈がある。

前述のセリフから分かる通りペットのネズミのことはとても可愛がっていた様子。

なお、このセリフには元ネタがあることを「ほぼ日」で糸井が言及しており、松尾和子の『再会』という曲の「みんなは悪い人だと云うが 私にゃいつもいい人だった」という歌詞にインスピレーションを得たという。この曲は離れ離れになった恋人を想った歌であるが、実は恋人は刑務所(※「監獄の壁」というフレーズがある)に入ってしまった…という展開である。→当該の記事

ヨクバは、いわば善悪どちらも併せ持つ立ち位置の1人。糸井曰く、「こういうどっちつかずな面を楽しめないと、MOTHER3とは相性がよくないかも」とのこと。

人間誰しもが、多かれ少なかれ良い部分と悪い部分を持っており、その配分は人によって大きく違うだろうが、完全に「この人は全面的にいい人」「全面的に悪い人」と言い切れる人間はめったにいない。そういう意味で、リアルな人間像とも言える。

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