概要
正式な表記は「ケラ」で、漢字表記は「螻蛄」。
秋に鳴く虫の一種で、モグラのような前足で地中を掘り進む習性があることで有名な昆虫。泳ぎも上手く、バッタの仲間の鳴く虫としては珍しく飛行することが出来る非常に多才な昆虫。
雑食性で非常に大食いであり、掘り当たった植物の根は大概食べてしまうので農業に害をなす害虫とされている。多湿な環境を好み、水分と餌が不足すると死んでしまう。共食いをすることもざらにある為、飼育や繁殖は容易ではない。
生態がモグラに似ている(所謂収斂進化で、実際はモグラがケラに似ている)ため、よくモグラに捕食される。
開発の影響で年々生息できる環境が少なくなり、それに伴って個体数を減らしている。
陸上・地中・水中・空中で行動できるその多彩さから「スーパー昆虫」と呼ばれることもあるが、現在は地域によっては絶滅危惧種として指定されている。
俗語で一文無しのこと。または古い俗語で馬鹿のこと。俗にいう虫けらとはケラのことではなく、虫全般の総称。
諺
螻蛄芸/螻蛄才
ケラが持つ「掘る」「走る」「飛ぶ」「よじ登る」「泳ぐ」の五つの特性のこと。「跳ねる」「鳴く」を加えて「螻蛄の七つ芸」とも言う。
ただし、どれも中途半端とされ、いわゆる「器用貧乏」といった使われ方もする言葉である。
螻蛄の水渡り
上記の通りケラは泳げるのだが、すぐにやめる。
このことから、物事を最後までやり遂げないこと、他人の真似をして失敗すること等を指す。
螻蛄腹立つれば鶫喜ぶ
昔はツグミを捕らえる為にケラを餌にしていた。その際、紐で繋がれたケラの抵抗が怒っているように見えた。
このことから、二者の利益が相反していて一方が不利益を被るともう一方が利益を得る状態のことを指す。
螻蛄になる
ケラを正面から見ると万歳をしているように見えることから、お金が無くなってお手上げ状態になった人の事を指す。
登場する作品
- てのひらを太陽に…みんなみんな、生きているんだ友達なんだ。ケラが「オケラ」と呼ばれるのはだいたいこの歌が原因。
- 三丁目の夕日…子供たちが捕まえて遊ぶ回がある。
- テラフォーマーズ…バグズ2号の乗組員「陽虎丸」の手術ベース。のちに彼の能力を奪ったテラフォーマーが登場。
- 仮面ライダーBLACK…「ケラ怪人」が登場する。
- 光戦隊マスクマン…地底帝国チューブの巨大化要員として「エネルギー獣オケランパ」が登場。
- 王様戦隊キングオージャー…バグナラクのオケラモチーフの怪ジーム「ヲゲラジーム」が登場。
- 超人バロム・1…ドルゲ魔人の吸血魔人「ケラゲルゲ」が登場。
- 宇宙刑事ギャバン…ダブルモンスター「ケラダブラー」が登場した。
- ワラトルマン…『ハイスクール!奇面組』の番外編。「やっつけ隊」の地底戦車がこの形。
- MOTHER3…最初に戦うモンスター。
- どうぶつの森シリーズ…捕まえるには、鳴き声で居場所を探り、スコップで掘り出す必要がある。あつまれでは家具として飾った際にギミックが追加された。
- はりもぐハーリー…主人公の友達にオケラのケラスケがいる。
- キングコング(2005)…髑髏島の生物としてデカルノシメックスという全長2メートル近くの巨大なオケラが登場する。
- サバイビー…ケラのライバーが登場する。
- D&D…初期の版からアンケグ(Ankheg)という巨大オケラのモンスターが存在する。ファイナルファンタジーにはアンクヘッグが出現するが、こちらはムカデのモンスターになっている。
関連項目
螻蛄…オケラの漢字表記。中国には螻蛄にまつわる怪奇小説が存在している。