概要
有翅昆虫(無翅類のイシノミとシミ以外の昆虫)の姿を変えながら成長(変態)するパターンのうち、幼虫が同じ基本体制を保ちながら姿を変えて成虫となり、その間に蛹の期間を持たないもの。
翅が幼虫の体表で徐々に成長することから「外翅類」ともいう(対して完全変態昆虫は蛹になるまで翅が見えないため「内翅類」ともいう)。
基本体制を変えず蛹もならないが、それでも変態の程度は種類により様々。水中の幼虫から陸上の成虫になるなど体型や生態が明瞭に変わる「半変態」(トンボ、カゲロウなど)と、翅以外あまり形が変わらない「少変態」(ゴキブリ、カマキリなど)が存在する。後者は無翅類にも似ているが、無翅類のただ大きくなるだけの「無変態」より変化が顕著である。
系統的には無翅類の間から進化し、蛹を経て成長する完全変態昆虫の祖先が起源するグループである。具体的に言えばトンボやカゲロウはより起源が古く、カメムシやアザミウマ、シラミなどはより完全変態昆虫に近い。
該当する昆虫
- 蜻蛉目(トンボ目):トンボ
- オオトンボ目:メガネウラなど
- 蜉蝣目(カゲロウ目):カゲロウ ※ウスバカゲロウ、クサカゲロウなどは全く別。
- 襀翅目(カワゲラ目):カワゲラ
- 直翅目(バッタ目):バッタ、コオロギ、キリギリスなど
- 革翅目(ハサミムシ目):ハサミムシ
- ナナフシ目:ナナフシ、コノハムシ
- 蟷螂目(カマキリ目):カマキリ
- ゴキブリ目:ゴキブリ、シロアリ
- 半翅目(カメムシ目):カメムシ、セミ、アブラムシなど
- 総翅目(アザミウマ目):アザミウマ
- 咀顎目(旧チャタテムシ目+旧シラミ目):チャタテムシ、シラミ