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シロアリ

しろあり

シロアリ下目(旧シロアリ目)に分類される昆虫のこと。アリと似た社会性を有するが、名前に反してアリではない。
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概要編集

(正確には木材)を食べることで嫌われる昆虫である。

名前に反して完全変態膜翅目)ではなく。実際にはゴキブリに近縁なグループ不完全変態でゴキブリ目)である。生態においても蟻とは、社会性で集団生活を行うところなど共通点もあるものの、大きく異なる点も多い。


古くはただゴキブリに近縁な別グループ(シロアリ目/等翅目)として分かれていたが、ゴキブリの間から派生したものだと判明した以降、ゴキブリ目の一下目(シロアリ下目/等翅下目)となっている。


3,000種ほど知られている。


別名「等翅類」や学名「Isoptera」は、処女の女王アリとオスアリの同じ形をした前と後翅に由来する(ギリシャ語 iso 同じ + pteron 翅)。


見た目はアリとは随分と異なる寸胴体型で、触角も数珠状で蟻のようなL字状に曲がる棍棒状ではない。群れの大部分を占める働きアリは名前の通り胴部は白くて柔らかく、頭部だけ硬い外骨格に覆われてがない。一部のアリと同様、「兵アリ」という頭部が特別に大きく武装した個体もいる。


繁殖の要である女王アリとオスアリは黒っぽい体で複眼を有し、元々前述したような翅を持つが、巣立ちして交尾を済ませると翅が切り落とされる。また、女王アリは自分のコロニーを立ち上がるに連れて、産卵マシンである腹部が元の体長の何倍以上も伸ばし、まともに歩けないほど肥大化している。


生態編集

蟻塚を作るタイプは、交尾だけするオスアリ、空調設備の整った部屋にとても巨大な体を横たえひたすら産卵しつづける女王アリ、食料調達や塚の掃除、卵や子ども(ただ単に小さいだけ)の世話をする働きアリ、防御にあたる兵アリで構成される。女王アリの体と卵から成長抑制フェロモンが出ているので、子供は成長ができない。


日本の身近にいるタイプ他何種類かは、巣を作って近場のえさを食い尽くすと移動する習性があるので、女王はそれほど大きくなく、子作りができる程度の能力を持つクローンを自分だけで一生のうちに平均600匹くらい生み、全員で有精卵を産む。

そのため引っ越し後の巣には、シロアリ的に2パターンの顔を持つ繁殖雌の一団が一山ずついる。オスアリは巣が崩壊するまで自分より若い雌約600匹と交尾し続ける。うらやましくないハーレムな上、孵化した個体が奇形などの特徴を持っている場合、ナース個体により処分される。お前ら人間じゃねぇ!!


食事の際は餌を口移しで与え合ったり、他個体の糞を口にしたりする。

食べ物を分解して栄養にする細菌が入ったうんこを受け渡す行動である。ユーカリ分解のためのナニを受け渡すためにやるコアラのそれと違って、蟻腸の、「セルロースを糖化する細菌」や「ハイドロジェノソームを持つ原生生物」等で構成されている、フローラがあるところは、シロアリが栄養を受け取る器官の後ろにあるのでこういう行動をしないといけない。

さらにその腸内細菌は、ホストの、お腹から出るあるいは脱皮すると相当数死ぬのでアリは脱皮するたびに仲間が出すのを補給し続ける。


シロアリはメスが多いと言ってもオスアリを殺せば巣は崩壊はするが、触角と嗅覚で世界を認識するシロアリ同士には個体の識別や判別が可能だが、人間の目では雌雄の判別が難しい。

が、家を食う種類ヤマトシロアリの卵室には、ターマイトボールと呼ばれるカビがシロアリの卵に偽装(胞子が成長した状態)して「発芽」を待っているのだが、これらはほぼ球形で、薬のカプセルのような俵型をする卵とは人間の肉眼では容易に区別できる。そしてこのカビの「卵っぽい肌触り&臭い」の分析、研究がされ、「ビーズへ卵臭をつけ、シロアリに運ばせる」実験が辛うじて成功している。


人間との関わり編集

繁殖個体が巣立ちして「結婚飛行」と呼ばれる生態は、汎世界的に吉兆とされるが、一応これは凶兆とされる。


大坂城が大変なことになる前に、「火事の白煙のような」それが観測されたと言われたり、宇多天皇がソレを見て、御父上である光孝天皇の御代に地震などの起きる前、シロアリが巣立つのが観測されたので凹んだとかあるのだが、和歌山県の一部では、「吉兆」とされた。


そんなシロアリだが、実は人間が食す事も可能。

さすがに日本で食用として取り扱う事はほとんどないが、アフリカの一部地域や中国・タイなどのアジア圏ではシロアリを用いた料理を振る舞う場所が今も多く存在する。

そのレパートリーもサラダやスープにオムレツと何気に豊富だが、中には生食でパクリといってしまう方々もいらっしゃる(衛生的な観点からこの食べ方はオススメできない)。


また、2000年代ではなんと、日本人の教授によって砂漠の緑化計画に利用されている事が判明している。

緑化計画の行われている場所は西アフリカニジェールと言う共和制国家で、具体的なプロセスは以下の通りとなる。


  • 50人程の農民や牧畜民を雇い、荒廃した土地を整えて「サイト」と名付ける。
  • 都市部で発生した家庭ごみをサイトに巻いて、よく馴染ませた後に上から砂を掛ける。
  • 雨期になる事でゴミに惹きつけられたシロアリが発生し、ゴミで栄養を取る事で荒廃した土地にコロニーを形成する。
  • シロアリのコロニー形成によって複雑な穴が地下に発生し、そこに雨が降る事で水が地下の奥深くにまで浸透する。
  • 以上の経緯によって、干からびた土壌が柔らかくなり、植物が根を張る事が出来る状態となる。

2011年にこの計画が実行に移された結果、1年目にはカボチャトウジンビエといった作物が育つ様になり、2年目にはマメ科の植物が大量発生し、3年目にはナツメヤシバオバブと言った樹木等も育つに至っている。

日本では害虫として有名だったシロアリも、利用の仕方によっては自然再生に大きく貢献する存在にもなり得る事が、現在証明されているのである。


余談編集

  • 前述の通りシロアリはゴキブリに近い昆虫なのだが、ゴキブリの幼虫とシロアリの特徴・行動には下記のような共通点が有る。ある意味で、シロアリはゴキブリが幼体成熟や自己家畜化する方向に進化した生物という見方も可能であろう。
    • ゴキブリの幼虫の消化器官内にもセルロースを分解出来る細菌が居て、その細菌はゴキブリの幼虫同士の糞の食べ合いにより広まる。
    • ゴキブリの幼虫も極めて高い社会性を示す。(ただし成虫になると、この性質は失なわれる)

シロアリをモデルとしたキャラ編集


関連タグ編集

白蟻:表記揺れ。

昆虫 不完全変態 ゴキブリ

:他人の空似。

 害虫

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