概要
アオイ科バオバブ属(クロンキスト体系や新エングラー体系ではパンヤ科)。アフリカ中部から南部にかけてアフリカバオバブ(Adansonia digitata)が分布する他、特にマダガスカルに8種類がある。オーストラリアにもオーストラリアバオバブ(boab)など2種が分布する。
主にサバンナの半乾燥地帯に生育し、徳利のような太い幹を持つ。掌状複葉だが、若木は単葉。
名前の由来は16世紀にアフリカを旅したイタリア人植物学者が「バ・オバブ」と記述したことにより、アラビア語の「ブー・フブーブ(種がたくさんあるもの)」が語源と言う説がある。
育つと高さは30m、幹の直径は10mにもなり、乾期には内部に10トンもの水分を蓄え、葉を落として乾燥に耐え抜くという。
利用
現地の住民にとっては重要な植物であり、ヘチマのような果実の果肉はビタミンCやカルシウムが豊富な食材で、種子からは油もとれ、若葉は山菜として食される。
また樹皮は熱さましをはじめとした万能薬として、繊維はロープの材料となる。
文化的な扱い
アフリカ各地ではことわざの題材として用いられており
「どのバオバブにも、好みの妖怪」(十人十色)
「バオバブの種は焼かないで、噛める歯を持っている人にあげなさい」(自分の手にあまる問題は専門家にまかせるべき)
「英知とはバオバブの木のようなもの、誰も一人でそれを抱きしめきれない」(どんな天才でも全ての英知を得ることは出来ない)
などが日本でも知られている。
創作での扱い
その特異な外見から、アフリカやサバンナを表す記号として描かれる。
現地の伝承によると悪魔もしくは巨人が普通の樹木を抜いて逆さに植えたものであるとされる。
星の王子さま
生やしたままにすると、星を破壊してしまう恐ろしい植物であると描写された。
漫☆画太郎によるコミカライズでは星を蝕み、住人を洗脳する薔薇に擬態したババアの怪物と解釈されている。
けものフレンズ
サバンナがモチーフの「さばんなちほー」に分布。
メタルマックスシリーズ
ぷろだくしょんバオバブ
この植物が由来芸能事務所。