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トンボ

とんぼ

昆虫の分類群の1つ。長い体と翅を持つ捕食者。他にもいくつかの名称に用いられる。
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曖昧さ回避編集

  1. 昆虫本項で解説
  2. グラウンドの整備などに使う、土を平らに均すためのT字型の道具。
  3. 印刷物の断裁・位置合わせに用いる目印。→トリムマーク
  4. 魔女の宅急便」の作中に登場する人間の少年の名前。→トンボ(魔女の宅急便)
  5. シンガーソングライター長渕剛を代表する大ヒット曲。本人主演のドラマ「とんぼ」の主題歌

概要編集

日本ではからにかけて発生する、細長いと腹を持った昆虫。

分類上は蜻蛉目(せいれいもく、トンボ目、学名:Odonata)という分類群をなす。

一説には「飛ぶ棒」がなまったものが由来といわれている。

愛嬌のある見た目に反し高性能なハンターで、小型の虫を捕食する。


非常に高い飛行能力を有しており、二対の翅を器用に操作することで、数秒以上も同じ点でほぼ完全な停止飛行(ホバリング)ができる。これはヘリコプターでさえ未だ不可能とされるレベルの能力であり、トンボの飛行能力の高さを表す生態とされている。その速度もオニヤンマで時速70kmという自動車並みの高速を叩きだし、ギンヤンマに至っては時速100㎞にも及ぶ。これは飛行性昆虫の中ではトップクラスの飛翔能力ある。

また1万個のレンズからなる複眼も大きく発達しており、実に270度という広大な視野を確保している。複眼故に解像度は高くないが、高い動体視力とフレームレート(1秒に300分割ほどで通常の人間の5倍)で得られる情報をが処理し、獲物の行く先を先読みして行動する。

6本の脚には棘が生えていて、カマキリよろしく、獲物をガッチリとホールド、発達した大でバリボリと捕食する。

獲物は主にハエなどの双翅目や、シジミチョウなどの小型のウンカアブラムシなどの小型の半翅目などだが、オニヤンマギンヤンマコオニヤンマなどの大型種は、スズメバチアゲハチョウなどの大型の虫も捕食し、共食いも行う。

特殊な例では、蜘蛛の巣に飛び込み、巣の主の蜘蛛を捕食するネアカヨシヤンマがいる。

一方、翅は非常に薄く破れやすいうえに脚が短いため、翅の損傷が移動手段の喪失となり、そのまま命の危機に直結する(ただし、1枚喪失しただけなら致命的な飛行力低下にはならない)。

また首も割ともげやすく、捕獲しようとして網を振った際に網の縁にぶつけてしまうと、首が吹っ飛んでしまう。

子供がトンボの目を回して捕まえようとしたら、目を回し過ぎて首だけもげてそのまま飛んで行ったなどという逸話がある。


幼虫は水生で「ヤゴ」と呼ばれており、こちらも肉食で、小魚オタマジャクシエビ、他の水生昆虫などを捕食する。

ハワイ等の一部には、ヤゴも陸生の種類もいる。


古代からの生き証人編集

昆虫の中でも歴史の長いグループの一つで、ルーツはなんと3億年前の石炭紀に遡る(有名なメガネウラは近縁だが別のグループ)。

メガネウラが属するグループ「オオトンボ類」はペルム紀までに滅びたが、トンボ類はそのペルム紀末・三畳紀白亜紀の三大絶滅期を生き延び、新生代現代に至るまで命脈を繋いでいる。

大きさこそ大幅に小型化したものの、古代からほぼ形を変えず、最低限の進化で生き続けることから、その強さや逞しさを容易に想像できるだろう。

 

文化との関わり編集

日本では天敵にして、また前にしか飛ばない事から「勝ち虫」と呼んで縁起を担いで装飾のモチーフや染め物の柄とされてきた(同様の理由でムカデも好まれた。しかしトンボの場合は後退もできる)。

ちなみに本多忠勝の愛用した槍として有名な「蜻蛉切」も、穂先に飛んできたトンボが真っ二つに割れてしまったという言い伝えが名前の由来になっている。

文献上では古くは『古事記』にその姿が記されており、日本人には非常に馴染み深い昆虫である。

神武天皇は日本を「秋津島(あきつしま)」(トンボのようなかたちの島)と形容なされたという。それほど日本人にとっては親しみ深い昆虫といえるのだ。

考古学的にも、なんと紀元前2世紀頃の銅鐸にトンボの絵が刻まれている。この絵は「丸い頭」「膨らんだ胸」「長い腹」がくびれによって分けられており、胸からは長い羽が2対(4枚)生えている。当時の芸術としては写実的なものとなっている。


一方、西洋ではイトトンボ(damselfly、ダムザルフライ、"乙女/羽虫")以外の種類を「dragonfly」(ドラゴンフライ、"ドラゴンの蠅/羽虫")と呼び分けて、忌み嫌う傾向にあったという。ほかにも「翅に触ると切れる」「嘘をついた人間の口や耳を縫い付ける」「針を持っていて刺してくる」など、徹底したマイナスイメージが付きまとっている。

これが見直されたのは近代になってからであり、日本文化が西洋に流入して起きた「ジャポニズム」の影響によってであった。


あのヤンマーの由来も実はトンボからきており、当初はトンボにするつもりだったが既に他社で使われていた為、トンボの別名「ヤンマ」を捩ったという。それがトンボ鉛筆である。


シラケトンボ

漫画では「シラけることやスベったことによる沈黙」を表現する漫符として、三点リーダのような軌跡を描きながら一匹だけ飛ぶトンボ(美川べるの曰く「シラケトンボ」)が使われたが、昨今はあまり見かけない表現である。


著名な種類編集


分類編集

ここでは日本に分布する科とメジャーな種類のみ抜粋。特記しない限り日本産。


均翅亜目/イトトンボ亜目編集

いわゆるイトトンボ複眼は左右大きく離れ、前後のがほぼ同じ形をしている。ヤゴは末端に3本のを持つ。


均翅不均翅亜目/ムカシトンボ亜目編集

翅はイトトンボのように前後同形だが、本体とヤゴは後述の不均翅亜目に似る。


不均翅亜目/トンボ亜目編集

最も一般に見られるグループ。複眼は間隔が狭く、後翅が前翅より幅広い。ヤゴは体の内側(直腸内壁)に鰓を持つ。


トンボをモチーフとしたキャラクター編集

特撮ヒーローに採用される場合は何故かブルーヒーローになる事例が多い。

仮面ライダーシリーズ編集

その他特撮編集

ゲーム編集

アニメ編集


その他編集


関連タグ編集

とんぼ 蜻蛉 ドラゴンフライ

 昆虫 不完全変態 ヤゴ


ンコソパ王様戦隊キングオージャーに登場する五王国の一つ。ここに住む主要人物はトンボの種類の名前が由来。例)ヤンマ・ガストオニヤンマシオカラシオカラトンボ

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