概要
概要
宇宙虐滅軍団ウォースターの一員で、流星のデレプタによって招集されたイラブンゴラ星人(※今回はモンス・ドレイクではない)。長い頸部に3対計6枚の羽根が付いたオニヤンマの様な姿をしている。
その能力は鍛え抜かれた強靭な脚力と6枚の羽根が生み出す浮力による高速の走りである。これまでのウォースターの星人達の様な特殊能力と違って実にシンプルだが、その速さはまさしく韋駄天の名に恥じぬ折り紙付きのそれで肉眼での視認は不可能。同様の超スピード能力を持つデレプタと多くの星を滅ぼして来たため、彼からも一目置かれている。
ちなみに高速で走る際は「シャーッシャシャシャシャ!」、「シュンシュンシュンシュン!」と叫ぶ。
それ以外の能力として、目から放つビームがある。
劇中では持ち前の超スピードで大地を駆け回る事で地上にある物を無差別に破壊し、ウォースターの前線基地を作るための更地に変えようとした。
劇中での活躍
劇中での活躍
ウォースターの基地であるインデベーダーでは、デレプタがドレイクに次の作戦行動を自身に任せる様に進言していた。
「そろそろこの体が地球人共の悲鳴を浴びたがっております。久し振りに作戦をお任せ下さいますか?」
「うむ。自信ありそうだな、デレプタ?」とドレイクが返すとデレプタはヒドウを招集し、「我々の力で面白い見世物をご覧に入れましょう!」と自信有りげに語るのだった。
斯くして地上に降り立ったヒドウはウォースター前線基地の建設の為、持ち前の高速移動の能力で駆け回り次々とビルを破壊して行く。駆け付けるアラタ以外のゴセイジャー4人だったが、何が起こっているのか分からぬまま突然何かに吹っ飛ばされる。
そうして上記の台詞と共にヒドウが登場。再び高速移動で走り回る事で4人を蹂躙に掛かる。するとそこへ遅れてアラタが登場。レッドに変身して応戦するも、風を感じた瞬間同じ様にヒドウに吹っ飛ばされてしまう。
「この程度で苦戦している様では…」と物陰からレッドの様子を窺うデレプタだったが、ヒドウが動くと共に発生する風を読んで一撃を喰らわせ、ヒドウの足にダメージを与える事に成功。するとそこへデレプタが登場し、レッドに戦いを挑んで来た為、この機に乗じてヒドウは撤退した。
その後、再び現れたヒドウが町を破壊し回っていると、デレプタとの再戦で不在のレッド以外の4人が駆け付けて交戦。再び迎え撃つヒドウだったが風の動きを感じる特訓をした4人には最早高速移動も通用せず、そのままシーイックバレットを受け敗北する。
その直後、「デレプタへの貸し」と称してブレドランが放ったビービ虫に噛み付かれて巨大化。ゴセイグレートをこれまで同様に高速移動で翻弄。さらにデレプタとの戦隊でのダメージが大きかったためか、ゴセイグレート内でアラタの変身が解けてしまう。しかし、レッドの奮戦に心打たれたイエローが「アラタは休んでて。大丈夫、飛べないのなら走ればいい!」、ブラックが「ランディックパワーの真髄を見せてやるぜ!」とアラタに労いの言葉を掛けて奮闘。ランディックパワーを信じてヒドウに追い縋り、捕えようとする兄妹2人の強い想いに応える様にランディックブラザーが召喚される。斯くして合体したランディックゴセイグレートに追い付かれたヒドウは、そのまま止めのランディックストライクを受け爆散するのだった。
余談
余談
ヒドウ自身について
モチーフはオニヤンマで、名前と出身星の由来はそれぞれトンボの英訳の「ドラゴンフライ」と映画『ヒドゥン』。ヒドウと言う名には他にも「非道」も含まれている可能性が有る。
後者の『ヒドゥン』は人間に寄生して操る姿を見せない異星人のストーリーなのだが、その姿を見せない点が「姿が見えない程の超スピード」に繋がったと思われる(※「姿を見せないなら透明になるのでも良かったのでは?」と突っ込んではいけない)。
上記の台詞の元ネタは『怪傑ズバット』におけるズバットの登場時の決め台詞である「ズバッと参上!ズバッと解決!人呼んで、流離いのヒーロー・快傑ズバット!」。
声を演じた高木氏は次回作『海賊戦隊ゴーカイジャー』でもナノナノダと言う怪人の声を担当している。
各地でのショー用に作成されたスーツ頭部(羽部分が若干本編よりも短い等、簡略化されたデザインが特徴)が『宇宙戦隊キュウレンジャー』に登場した宇宙人ニュースキャスターのスーツに流用された。女性キャスターという事で、口の部分全体に赤い口紅がリペイントされている。
この回のアラタについて
ヒドウの登場したepic.6では、アラタが第1話冒頭でデレプタに負わされた腕の傷や、自分と同じく逆上がりが苦手な望との交流を通して更なる強さを求めるアラタの意外なストイック性がクローズアップされた。ところが、逆上がりは練習の末では無くデレプタとの戦闘中にうっかり出来た、更なる強さもランディック兄妹に出し抜かれ、自分は寧ろコックピットでダウンするという醜態を晒すなど意図する形での更なる強さは得られないまま話は終わっている。
ゴセイジャーの作劇の特徴として、ある種の王道で前年度でも繰り返されていた「強くなろうとして強くなる」展開がゴセイジャー側は意図的に避けられている節があることが一部視聴者から指摘されており、このepic.6はそれを暗にながら強く示した最初の回となった。
この回内では何故アラタが意図しては強くなれなかったのかは明示されなかったが、その後epic.12のデレプタ戦においてアラタだけでなく5人共が強さを求めるあまり戦うこと自体を戦いの目的にしてしまい、天装術に見放されかけるという展開が発生、遠回しにこの回のアラタの理由も暗示されている。悔い改め戦いの目的を見つめ直した一同は更なる強さを新たな奇跡として呼び起こし、それをもってデレプタを取り敢えず撃破。実は生き延びていたものの、真の強さを理解したアラタは更に後のepic.16で今度こそデレプタを一騎打ちで撃破するに至った。
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