基本情報
和名 | ウスバキトンボ |
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学名 | Pantala flavescens |
英名 | Wandering Glider |
分類 | 蜻蛉目 不均翅亜目 トンボ上科 トンボ科 ウスバキトンボ亜科 ウスバキトンボ属 |
体長 | 4~5.4cm |
分布域 | 日本、全世界の熱帯・温帯地域 |
概要
日本ではお盆の頃に大量発生するので、ご先祖さまの使いとされ、盆トンボや精霊トンボとも呼ばれる。
淡黄褐色の体色と、薄く大きな透明の翅が特徴的な中型のトンボ。成熟したオスは腹部背面が赤みがかる。
全世界の熱帯~温帯に広く分布し、市街地から郊外、山間部や海上まで、ありとあらゆる場所で見られ、世界で最も分布域が広いトンボである。
街中の広場や空き地、道路上などで群れを成す赤っぽいトンボがいれば、大抵は本種である。
ほとんど羽ばたかずに滑空して飛行し、眠る時以外はほとんど止まらずに飛び続けている。
止まる体勢はオニヤンマなどと同じくぶら下がり型。
メスの産卵数はアカトンボ類の三倍ほど。
ヤゴは水田や池沼、プール、防火用水、噴水などのありとあらゆる止水域で見られ、プランクトンや水生昆虫、甲殻類、小魚などを捕食する。
成長速度が早く、孵化して最速1ヶ月で成虫に羽化する事ができる。
成虫の寿命は1・2ヶ月ほど。
海や山を越えて長距離を移動する生態を持ち、風を受けやすく大きく発達した翅や、強度を犠牲にして軽量化された体など、長距離移動に適した形質を持つ。
非常に寒さに弱く、幼虫は水温4℃で死滅、成虫も日本本土では越冬できず、国内では八重山諸島でしか越冬出来ないとされているが近年は温暖化の影響か、稀に越冬したと思われる個体が確認されている。
日本本土では東南アジアや南西諸島から北上した個体が4・5月頃から西日本に現れ始め、世代交代を繰り返しながら北上し、お盆の頃には日本中で大規模な群れを形成、秋には北海道まで北上するが、12月には寒さで全ての個体が死滅する。
同じく長距離移動をするアサギマダラなどとは異なり、南に帰る個体は確認されておらず、無効分散とされる。
何故冬を越すことができないのに毎年日本に来るのかはわかっておらず、謎に包まれている。