概要
タテハチョウ科マダラチョウ亜科アサギマダラ属に分類される蝶の1種。
翅は浅葱色(薄い藍色)で黒い翅脈。季節により長距離を移動する渡り蝶である。
南西諸島などで見られるリュウキュウアサギマダラは別属(リュウキュウアサギマダラ属)。
幼虫(芋虫)はキジョラン、カモメヅル、サクラランなど毒(アルカロイド)を持つ植物を食べ、毒を蓄えて外敵から身を守る。
成虫もヒヨドリバナやフジバカマなど毒のある花の蜜を吸い、毒を蓄えて外敵から身を守る。
アサギマダラを食べた鳥はすぐに具合が悪くなり激しい吐き気におそわれるため、食中毒を学習し二度と食べなくなるものと考えられている。
また、オスの性フェロモン分泌のためにもアルカロイドの摂取が必要と考えられている。
渡り
夏は日本本土の高原、冬は南西諸島や台湾で過ごすと考えられていたが、2011年に和歌山県でマーキングされた個体が2,400km離れた香港で捕獲され、南西諸島は中継点にすぎないのではないかと考えられるようになった。現在の所オオカバマダラ(メキシコ~カナダ)の3,800kmに次ぐ蝶の渡りの記録である。
渡りのスピードも速く、高知県大月町から南大東島まで783kmを3日で渡った記録がある。