概要
別名「世界の尾根」。
南アジアを概ね東西に走っており、ユーラシア大陸とインド亜大陸の衝突の際に海底が隆起して誕生したと考えられている。
K2、カンチェンジュンガ、ローツェ、マカルー、
チョー・ユオー、ダウラギリ、マナスル、
など、8,000m級峰を14座も抱えているという世界一高い山脈である(8,000m級峰を擁するのはヒマラヤ山脈のみ)。
いずれもあまりにもの高さから一年を通して雪に覆われており、低気圧や酸素の薄さ、極寒、直射日光量などのまさに過酷な自然環境である。
インド神話ではヒマヴァットと言う名で神格化されており、世界の神話でも珍しい雪の神だとされる。
仏教では天部が住まう山『須弥山(しゅみせん)』の根元だとされ、チベット仏教における聖地として崇拝されている。
ブータン・中華人民共和国(チベット自治区)・インド・ネパール・パキスタン・アフガニスタンの国境となっており、特に中国・インド・パキスタンによる政治的問題から争乱が絶えず、互いに領有権を主張して睨み合っている(中国とパキスタンの間には係争地はないため、両国は事実上の対印同盟関係にある)。
毎年数多くの登山家がその険しい頂たちを制覇せんと挑戦に訪れるため、地元ではレストサービスやガイド、登山補助などでの貴重な収入資源ともなっている。
険しい地形やそれが生み出す気候は独特で多様な自然環境を育んでいる。環境の厳しさから人間の開発の影響も比較的小さい。そのため山脈周辺は希少な動植物の宝庫にもなっている。