概要
日本本州の中央部、中部山岳地帯の骨格を構成する飛騨山脈(北アルプス)、木曽山脈(中央アルプス)、赤石山脈(南アルプス)の総称。
1881年(明治14年)、英国から来日した鉱山技師ガウランドが飛騨山脈の山容が似ている事から初めてそう呼び始める。
後に同じ英国の登山家ウェストンが三山脈の総称とし、日本の登山家小島烏水はそれぞれに北・中央・南アルプスの名をつけた。
ウェストンは1896年に『日本アルプスの登山と探検』をロンドンで出版し、日本アルプスを世界に紹介するにあたってその森林美と渓谷美も称賛した。
山脈の規模が大きく、3,000m超えの急峻な高山が多く連なる事に加えて、氷河、万年雪、雪渓やそれらの浸食が作り出した地形など景観が多様である。
高山動植物も多く、日本における近代登山の発祥地でもある事から例年多くの登山者が訪れる。
特に北の飛騨山脈には、槍ヶ岳や穂高岳を中心に「表銀座」と「裏銀座」と呼ばれる縦走路があり、山小屋の数や設備についても充実している。
交通路の発達により木曽駒ヶ岳や乗鞍岳のようにバスやロープウェイで山頂付近まで登ることも可能になった。
古くから独特の山村文化が発達した地域でもあり、白馬村や上高地などの本格的なスキーや山林リゾートのエリアとしても知られている。
ちなみに南の赤石山脈には標高が3,193mと日本2位の北岳があり、中央の木曽山脈には3,000m超えの山がない。
三山脈が走る都道府県で長野県が唯一南北中央が県域内に揃っている。
日本の唱歌・童謡の『アルプス一万尺』の歌詞に登場するのは日本アルプスの風景である。
元々はアメリカの独立戦争を歌った民謡『Yankee Doodle』のメロディーをベースにした替え歌で、両者の作曲者・作詞者は諸説あるが不明。