概要
長野県松本市と岐阜県高山市の境、飛騨山脈(北アルプス)の中央部にある高山群。
読み方は「ほたか」が正式であるが、言いやすさから「ほだか」と呼ばれる事も多い。
一つの単体の山ではなく最高峰の奥穂高岳(3,190m)をはじめ、
涸沢岳(3,110m)、北穂高岳(3,106m)、前穂高岳(3,090m)、西穂高岳(2,909m)、明神岳(2,931m)などの山々の総称である。
このうち奥穂高は北アルプス最高峰だけでなく、長野県と岐阜県の最高峰、日本第3位の高峰にもなっており、穂高岳全体が日本百名山に選定されている。
山体は主に角閃ひん岩や閃雲花崗岩などで構成されており、全体的に鋸の歯のような形の稜線や岩肌が目立つ険しい山容で圏谷(カール)も発達している。
剱岳・谷川岳と共に「日本三大岩場」の一つに数えられており、「ジャンダルム」などの尖峰や「大キレット」などの痩せ細った尾根、「滝谷」などの断崖絶壁を多く擁する。
このため通常スタイルの登山者だけでなく、熟練のアルピニストやロッククライマーも訪れる程のバリエーションに富んだフィールドとなっている。
北アルプスでは槍ヶ岳や立山と並んで最も名前が知られており、日本の近代登山の先駆けとなった山の一つである。
槍ヶ岳まで続く尾根は「槍穂高連峰」と呼ばれ多くの登山客が行き交う。
登山基地で一大山岳リゾート地である上高地のすぐそばにそびえているので、ちょっとした観光でもその雄大な山容を「大正池」や「河童橋」越しに眺める事ができる。
上高地から涸沢カールを経由して奥穂高岳に至るコースは槍ヶ岳程の長距離はなく、夏季においては特別難易度の高い箇所も少なく山小屋やテント場も充実している。
そのためある程度の経験のある中級者以上には適切な難易度とされている。
また岐阜側の新穂高温泉側から西穂高岳の中腹2,156mまでロープウェイが開通しており、日本で唯一の二階建て構造のゴンドラで知られる。
童謡・唱歌アルプス一万尺の29番ある歌詞の中で槍ヶ岳と共にその名がたくさん登場する。