概要
山頂が二峰に分かれており、標高はオキの耳が1,963m、トマの耳が1,977mである。
日本百名山に選定されている。
2,000mにも満たない中規模の標高であるが、三国山脈が日本の太平洋側と日本海側の境界にあるため気候上豪雪、豪雨、強風に遭いやすい。
さらに山体の地質が雨風雪による侵食を受けやすかったため、標高の割に上層部は複雑で険しい地形となっている。
このため一ノ倉沢などの岩場が発達したロッククライミングの聖地となっているが、ギネス記録になるほど遭難者も多く一時期は毎年数十人の死者を出す有様であった。
これは気候と地形が比較的厳しいだけでなく、登山が広く一般スポーツとなってきた昭和初期にJR上越線が麓に開通して首都圏からの登山客が増加した事も大きい。
戦後は復興と共に登山ブームが到来し、さらに麓から中腹までのロープウェイが開業して訪れる人が激増。
そこからロッククライミングに挑戦する人も増えたが、当時の知識・教習の啓蒙不足や用具の技術不足も相まって多数の死傷者が出てしまったのである。
なお1980年以降は死者は大幅に減少している。
また遭難者の多くは一ノ倉沢などの危険な岩壁周辺で発生しており、天神尾根などの一般的なルートはほとんど危険な箇所はなく他の山比べて遭難者も突出して多い訳ではない。
現在はロープウェイで一気に標高を稼いで、冬季でなければ特に不安定ではない足場の尾根をゆっくり登れば登頂できる中級コースにもなっている。
ただししっかりした装備と知識、ある程度の登山経験は無論必要である。