登山
とざん
読んで字のごとく、山に登ること。
古くは信仰、現在ではレジャー目的やスポーツとして行われる行為や競技を主に指す。
日本では高度成長期以降、登山道や山小屋、ケーブルカーやロープウェイ、山頂近くへ向かったり深山の登山口へつなぐ車道などが整備・再整備された山も多く、登山を趣味として楽しむ人も多い。
山に登るわけではないが山林を歩くものはハイキングや森林浴とも。
ただし天候の急変や低温、転倒や転落等・遭難のリスクがあるため、事前の適切な準備、技術、判断力が求められる。若い頃から登山や運動をしているので慣れている・体力がある…と過信した結果、加齢による体力低下で帰れないといったトラブルや、引き返さないのも問題視される。
無論、滑落の危険のある山でなくとも照明や携行食などがあれば単純な生存率は上がる。
そこで太古の人々は、自然と山に登って生活の糧を得るようになった。
山で獣や鳥を狩り、木の実や山菜を採取して食料とし、樹木は狩猟の道具や住居をつくるための材料、燃料などになっていった。
山は人々に恵みをあたえる反面、噴火や山火事など災いももたらした。
人々は山には神が宿ると考えて敬い、恐れ、祈りなどの対象としたため、日本における登山は古くから生活の糧を得る目的の他に信仰登山の形をとって行われていた。
山に対する信仰の始まりは、水に対する信仰とともに原始時代以前からと考えられている。
その信仰の伝統はやがて山で修行を行う仏教系統の山岳修験道の形をとるようになっていく。
奈良時代におこった「山岳宗教」は平安時代になるとさらに盛んになり、古来の山岳信仰と山岳仏教とが合体し日本独自の修験道がしだいに発達を遂げていった。
戦国時代の動乱期には合戦の戦略上の必要性から山に城が設けられ、峠路は主要な交通路となり山岳における知識が要求された。
多くの大名が国境警備のために家臣や領民を山へ登らせ地形を調査した。
江戸時代になると中世までの信仰登山が一般の大衆の間にさらに広まった。
地方分権の統一国家として社会の安定化、経済発展、交通網が発達し、旅行が広く一般化するにしたがい民間信仰の特別な風習として各地の名山で集団登山が行われるようになったのである。
これが「講社」とよばれるもので、富士山の登拝を目的とする「富士講」をはじめ、大山、月山、御嶽山、立山などの登山をする「大山講」、「月山講」、「御嶽講」などが盛んになった。
明治時代になると外国人の学識者や財界人らが各地の山々を登り、近代西洋方式の測量が行うようになった。
地質、火山、気象、動植物などの研究目的の登山も始まり、自然科学のための登山が発達する。
その後指導者として来日したドイツ人たちからワンダーフォーゲルの概念やスキーなどのウインタースポーツが伝わり、日本の青少年教育やスポーツとしての登山熱は高まりを見せる。
飛騨山脈(北アルプス)の剱岳公式初登頂をはじめ、槍ヶ岳と穂高岳間の縦走、赤石山脈(南アルプス)横断などの大記録が作られ、大正時代初期までには日本アルプスの主要な峰々がほとんど踏破されるに至った。
また現在の日本の登山用語にドイツ語が多いのもこの影響によるものである。
そして第二次世界大戦が終わって社会の安定化や経済発展、インフラがめざましく発達し、生活における物資が充実化するとレジャーとしての登山が一大ブームとなる。
老若男女幅広い層の人々が低山から高山まで足を運ぶようになり、それが現在まで続いている。
愛知県名古屋市にある飲食店喫茶マウンテンは、タライいっぱいに盛られたかき氷など非常にボリュームのあるメニューがある事で知られている。
一部のファンの間ではそれらを完食することは「登頂」と呼ぶようで、入念な体調管理と覚悟を持って臨まなければ「遭難(完食できずリタイア)」のリスクが高いとされる。
遭難:諸事情で身動きが取れなくなったりサバイバル状態になるもの。
- さあ、あの頂へ行こう!山の風景のイラスト特集 - pixivision(2016年11月10日)
- 自然を歩く!登山のイラスト特集 - pixivision(2022年9月15日)
登山の歴史と文学(日本スポーツ振興センター)
コメント
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