大山(神奈川県)
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かながわけんのおおやま
神奈川県中西部、伊勢原市の北西方にある山。雨降山(あふりやま)とも呼ばれる。
富士山にも思わせるピラミッド型の美しい山容である事から、古くから庶民の山岳信仰の対象とされた。
その水量が多いため、雨降山または阿夫利山(読みはともに“あふりやま”)とも呼ばれるようになったとされる。
この事から古くから雨乞いの神、稲作の神、農業神、また一般産業神として崇められていた。
とくに乾燥性の強い相模原をはじめ武蔵野、常総台地をもつ関東平野のほか、東海地方、東北地方南部の諸平野の地域からも深い信仰を得ていた。
大山川(鈴川)の渓流沿いには信仰登山者が利用する宿場町(御師町/おしまち)が発達し、いまも旧道沿いには、古いおもかげを残す町並みが続いている。
現在は一般的な社寺参拝や登山、清流水を利用した豆腐や猪肉料理などの目的で訪れる観光客が多い。麓には旅館も数件営業しており、参道の商店街には飲食店やこま(独楽)などの工芸品を売る土産物屋が数十軒並ぶ。
全体的な標高の割に急傾斜や長距離と難路の多い丹沢山地の中では、登山口から山頂までの距離が短めな上に登山道がかなり整備されている。
山腹までならケーブルカーが通っており、健脚者なら上の駅と山頂を3時間で往復する事も可能である。
また山頂には軽食の売店や公衆トイレも設置されている。
ただし長い石段や岩場もあって濃霧も発生しやすい事から毎年多くの遭難者が出ており、決してTシャツ、短パン、サンダル、ハイヒール、底が薄いスニーカーで登るような山ではない。
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