概要
その山容と標高が欧州のアルプス山脈に似ている事から、明治時代にイギリスと日本の登山家らによって命名された。
北アルプス(飛騨山脈)、中央アルプス(木曽山脈)とともに日本アルプスと呼ばれる。
山脈はほぼ南北に走る複数の山の列で構成され、北部の鳳凰山や甲斐駒ヶ岳などの花崗岩地帯を除いて、中生代・古生代の堆積岩やその変成岩から成る褶曲構造となっている。
仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、荒川岳、赤石岳、聖岳など、標高3,000m以上の高山が10近くある。
特に北岳(3,193m)は日本第二の高峰であり、2,500m以上の山も30近くに及ぶ。
この山地を源にして流れる河川には富士川、安倍川、大井川、天竜川などがありいずれも急流である。
山頂付近にカール地形が見られる山もありお花畑も多いが、日本の高山としては南部に位置するため高山植物のハイマツの下限は概ね2,500m付近と高い。
動物では希少種であるライチョウが生息しており、豊富な自然と優れた景観により南アルプス国立公園に指定されている。
北アルプスや中央アルプスと比べると観光開発が遅れており、登山口までのアプローチが長い山も多いが、スケールの大きな山々の登頂や縦走目的で中上級者の登山客が集まる。