- 日本列島と満州、朝鮮半島に囲まれた西太平洋の縁海の名称。「にほんかい」あるいは「にっぽんかい」。
- 上記沿岸を走行することに由来するJRが運行する寝台特急の愛称。大阪駅~青森駅間で運行されている。 →日本海(列車)
日本海(環日本海地域)について
詳細はニコニコ大百科の日本海の記事に詳しい(サーバ復活したらリンクを貼る予定)。かつては同地域を指して裏日本という呼ばれ方があったなど、日本国内としても日本海という呼び名にアイデンティティを持つきっかけになった差別と偏見の歴史が垣間見えるものである。
東北地方日本海側の羽越地方、中部地方の日本海側北陸地方、西日本の山陰地方の総称で、裏日本という呼び名に反発し、中心となって活動していた新潟県(とりわけ新潟市)が環日本海という言葉を提唱した。なお、九州では玄界灘沿岸のほうが発展しているので、環日本海には含まれない。
「日本海」呼称問題
世界的に認知され、国連でも公式文書で使用している「日本海」の名称を巡り、韓国と北朝鮮が自国で呼んでいる東の海を意味する「東海(トンヘ:East Sea)」を併記するよう求めている。日本海について両国は、「日本植民地時代の悪しき名残」と主張し、韓国政府は「海洋の名前に特定の国が含まれているのは不適当」として最終的には東海単独での呼称を目指し、官民挙げて海外に併記を求めるロビー活動を行っている。実際、2012年に各国機関、主要出版社などから発行された世界地図の30%に「日本海/東海」の併記がされている。
また、アメリカでは現地の韓国系団体が学校の教科書への併記を求め、州議会に働きかけており、バージニア州では2014年2月3日に州内の公立学校の教科書に東海を併記する法案が下院委員会で可決され、成立する見込みになっている。
これについて、日本海は古くから国際的に認められている呼称だとして、日本政府が韓国側の動きを批判しているほか、アメリカ政府も日本海の呼称を支持している。
尚、中国では既に東シナ海の事を「東海(トゥンハイ)」と呼んでおり、対馬海峡をはさむ二つの海域が同じ名前になるのは混乱のもとであるとし、一貫して日本海単独表記としている。その中国では古くは日本海を「鯨海(けいかい)」と呼んでいた。
また、国名が入っていることを理由に日本海呼称に反対するのであれば上記にもあるシナ海(China Sea)やインド洋(Indian Ocean)など特定の国名が含まれる海洋は他にも無数にあるが同様の指摘をしないのは矛盾しており、単なる日本への意趣返しだとの声もある。
実は名称変更が実現しても慰安婦問題とは違い、韓国側に金銭的利益は見込めないため、日本を屈服させる、貶めることによりカタルシスを得ようとしての運動ではないかとの声も。
また、日本側が現在の呼称をそのままにしろと言うだけで、中立的呼称などの建設的な対案を出さない事も、問題解決の意欲の表明などプロパガンダ戦略上も問題だとする意見もある。
そもそも日本海と呼び始めたのは日本ではなくロシアやヨーロッパで航海戦略上そのように呼んでいただけであり、日本国では江戸時代まで太平洋を南海、今の日本海を北海と呼んでいた。しかし、日本ではそこを北海と呼ぶと混乱が生じる(北海道の存在やヨーロッパの北海と混同する)ため、いつしか海外に倣って日本海と呼んでいるに過ぎないのである。
また、日本国には東海地方という呼び名とエリアが存在する上に、日本から位置する東の海は、千島海流流域の東太平洋岸なので、その呼称はなおさら混乱を招くことになる。そのような流れを受けて、帝国書院はじめ、二宮書店、昭文社、平凡社、成美堂出版のいずれも、今は日本の地図には東海表記されていない。
なお韓国の間でもこの運動は幾分の誤解があり、せめて国内では日本海呼びではなく、昔から呼び親しんでいた東海と呼ぼう、それだけの運動だったのに政治に絡みついて活動家がやぶ蛇をつついた部分もあったという(なお、東シナ海は西海と呼んでいるが、そっちは運動も起こしていない。また、このように自国に対し、東西南北で呼ぶ慣習は世界どこでも同じである)。
なお、このような国際的な呼称問題ではインド国内の市名問題(ムンバイとボンベイ、コルカタとカルカッタなどで、ヒンディー語読みと英語読み問題をめぐって、極右と極左が絡みついてしまっている)、ボルネオ島(マレーシア側)とカリマンタン島(インドネシア側)やキーウ(ウクライナ側)とキエフ(ロシア側)、エアーズロックとウルル(現地読み)、マッキンリーとデナリなどもある。