概要
正式名称は『国際日付変更線(International Date Line)』。
0度の経線から東西に各地の標準時を調整していくと、地球は丸いので180度の経線で互いがぶつかることになるのだが、この接点において生じる暦の日付に矛盾が生じないように調整する基準として設定された太平洋上にある線のことである。
この線の設定に関して介入する国際機関がなく、経度180度付近に所在する国の事情で属する時間帯を決定した結果の集合体であるため、必ずしも180度経線に沿っておらず、協定世界時から-10時間のアメリカ合衆国ハワイ州と、+14時間のキリバス領ライン諸島は、ほぼ同じ経度にある。
また、国の事情で設定するものであることから南極大陸を除いて陸地を通っていない。
取り扱いとしては、西から東へ越えたときは1日進めて現地の標準時に合わせ、東から西へ越えたときは1日戻して現地の標準時に合わせる。
記録上、最初に日付変更線の存在に気付いたのは、世界初の世界一周航海を成し遂げたマゼラン一行の生存者である。
この時は、マゼラン一行が航海中の日付に関し、途中の寄港地で日付の矛盾に気づいてはいたものの、これに係る調整をせず、マメに記録していたため、世界一周航海を成し遂げて出発地のスペインに帰り着いたマゼラン一行の生き残りと港の一般人との間で論争になった。
マゼラン一行は、スペインから西回りで世界一周を行ったため、太平洋を通過した時点で1日日付けを進めないと、出発地と比べて記録が1日遅れてしまう計算になる。