概要
飛騨山脈(北アルプス)に属し、合わせて23の峰を持つ火山群である。
最高峰の剣ヶ峰の標高は3,026mであり、他に四ッ岳(2,745m)、大丹生岳(2,701m)、恵比須岳(2,823m)、里見岳(2,824m)、摩利支天岳(2,876m)などで構成される。
長野県側の山麓には乗鞍高原が広がっており、山自体も観光開発が進んでいる。
標高2,702 mの畳平までバスが運行されており、自然への配慮のためマイカーの通行は規制されている。風光に優れることから登山家の間でも人気なだけでなく、温泉施設やスキー場も多い事から幅広い観光地となっている。
岐阜側の飛騨地方は明治期貧しい村々が多かったため、生糸産業が盛んであった長野側の諏訪湖周辺まで出稼ぎに赴く若い女性たちもいた。信濃地方に出るにはこの山の南方にある野麦峠(1,672m)を徒歩や背負われて越えなければならず、滑落や雪による遭難で死者も出したとされるほど過酷な道のりであった。
この逸話はノンフィクション小説『あゝ野麦峠』によって全国区で有名になった。