概要
南アジア北部のヒマラヤ山脈中にあり、標高8,848mを誇る地球上の最高峰である。
英国の測量調査官の氏名から取られたこの名がよく知られているが、現在はチベット名のチョモランマや、ネパール名サガルマータなども国際的に使われるようになっている。
ネパールと中華人民共和国(チベット自治区)の国境に位置し、近接のいくつかの支峰と共に「クーンブヒマール」(エベレスト山群)を形成。
山頂部の斜面は南東稜、西稜、北東稜及び南壁、北壁、東壁で構成され、いくつかの氷河を有する。
1953年5月に英国隊のニュージーランド人エドモンド・ヒラリーと現地人ガイドテンジン・ノルゲイが人類初登頂に成功。
日本人では1970年に日本山岳会隊の松浦輝夫と植村直己が初登頂し,1975年には日本女子登山隊の田部井淳子が世界初の女性登頂者となった。
1980年にはイタリアのラインホルト・メスナーが史上初の単独無酸素登頂を成功させた。
その後三浦雄一郎や野口健などの有名登山家の登頂はもちろんの事、2015年にはタレントのなすびが4度目の挑戦で登頂に成功している。
なお同じくイモトアヤコに2014年に挑戦したが、同時期に大規模な雪崩で大勢の現地のガイドが事故死した事を受けて断念している。
初登頂から70年近くが経ち登山道はロープや梯子などが整備されて来てはいるものの、酸素の薄さ、低気圧、吹雪、極寒、隘路など極めて過酷な環境下にある。
標高8,000m以上は急病死のリスクが非常に高い「デスゾーン」と呼ばれ、救助や運搬もままならない場所にある。
そのため数十年前からの遭難者の遺体が100体近く放置されているとされ、下界へ収容できずその場での簡単な土葬をされたりベースキャンプ地で荼毘に付された者も多いという。
また十数年前からは、登山客により放置される資材やゴミの増加や、山頂までの登頂待ちの行列などといったオーバーツーリズムも問題視されるようになっている。