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新生代

しんせいだい

約6600万年前から現代まで続いた地質上の時代。我ら哺乳類の栄えた時代に相当する。
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時代区分編集

古生代中生代・新生代と分かれる地質時代の大きな区分の一つである古第三紀(暁新世・始新世・漸新世)、新第三紀(中新世・鮮新世)と第四紀(更新世・完新世)に分けられる。


気候編集

初めの頃は(一時的な寒冷化はあったものの)中生代白亜紀の延長線上で温暖な気候であったが、新第三期以降は寒冷化しはじめ、北極南極周辺に氷河が発達、氷期と間氷期を数万年ごとに繰り返す「氷河時代」となった(氷河期と間氷期の繰り返しは地球公転軌道の周期的変化などで日照量が周期的に変化するためとされる。これをミラコビッチ・サイクルと呼ぶ)。地球が寒冷化を辿った主な要因は大陸移動による大陸の配置(北極や南極近くに大陸が位置するようになり氷河が発達しやすくなった)、造山運動(アルプスヒマラヤロッキーアンデスなどの大山脈が生まれた)、造山運動による岩石風化激化による海洋へのカルシウム塩の流入増大と二酸化炭素がそれと反応し石灰石化したことでの激減などである。


生物相編集

新生代は、哺乳類鳥類が栄えた時代で、「哺乳類の時代」と呼ばれている。これらはいずれも白亜紀に一定の進化を遂げていたが、恐竜が滅びたニッチを埋める形で大型化、多様化をとげた。


古第三紀編集

約6600万年前から約2300万年前。この時代だけで4000万年間以上あり、新生代の多くの期間を占める。初期の暁新世(約1000万年間)、中期の始新世(約2400万年間)、後期の漸新世(約900万年間)からなる。全体的には前代の白亜紀以来の温暖な時代である(ただしゆっくりと寒冷化は進行していった)。この時代の初期(暁新世)には鳥類がいちはやく陸上に進出し、ガストルニスなどが出現。哺乳類はやや遅れて暁新世から始新世にかけて適応放散した。


この時代の後期(漸新世)になると哺乳類の大型化が進み、ゾウサイパラケラテリウムなど)の系統が繁栄。これらを捕食する大型肉食動物も多数現れた。中期の始新世で既にクジラ目のようにに進出して栄えたり、翼手目のようにに進出したものもあった。


受粉のため美しいを咲かせるようになった被子植物昆虫の共進化が著しく、特に花のを吸うことに特化した鱗翅目)が大いに繁栄した。被子植物と動物の共進化は鳥類や哺乳類でもみられ、多くの果実をつける樹木は鳥に食べられやすいように進化を遂げ、霊長類は特に果実食に適応し優れた視覚を身に着けた(哺乳類は中生代に恐竜との競合を避け夜行性となった名残で視力に劣るものが多い)。


海洋では棘鰭上目の台頭が著しく、スズキカレイフグなどの現代的な魚類が主流となる。


新第三紀編集

約2300万年前から約258万年前。約2000万年間の期間。前期の中新世(約1800万年間)後期の鮮新世(約200万年間)に区分される。哺乳類のほぼすべてのグループが出そろった。温暖であったこの時代の初期(中新世初頭)には種の数や個体数もピークに達した。中新世の終わり頃から鮮新世にかけて寒冷化が進み南極は分厚い氷床で覆われるようになった。


アフリカ大陸ユーラシア大陸と繋がり、北アメリカ大陸とユーラシア大陸もベーリング陸橋でしばしば繋がったため生物が往来していた。新生代初期以降は孤立した島大陸だった南アメリカ大陸が北アメリカ大陸とパナマ地峡で繋がり生物が往来するようになった。そのため北アメリカの生物との生存競争にさらされた南アメリカの生物は衰退し、絶滅したものも多かった。


大気中の二酸化炭素濃度は地球上に生物が誕生してから最低レベルにまで低下し、低濃度の二酸化炭素を効率よく利用する新しい光合成システムをそなえたC4植物(サトウキビトウモロコシなどのイネ科植物等)が台頭する(出現自体は白亜紀だったが、この時代まではマイナーな存在であった)。また、森林が減少してイネ科植物を中心とする大草原が発達。「4つの胃」をそなえ反芻をすることで固い葉の消化能力に優れる偶蹄類ウシ亜目の動物たちが繁栄した。一方で消化効率に劣る奇蹄目(サイやウマなど)は衰えていく。温暖な環境で大繁栄していたゾウも次第に衰退していった。温暖な時代に発達した森林で栄えた霊長類、特に類人猿だったが、森林の減少でやはり大きく衰えた。しかし、その中からやがて草原に生活の場を広げるものが現在のアフリカ大陸に現れるようになる。いわゆる猿人である。


第四紀編集

約258万年前から現在まで。第四紀、すなわち更新世(約258万年前から約1万年前)と完新世(約1万年前以降)は氷期と間氷期の繰り返す氷河時代であり、総計で15回の氷期があった。


我々人類(現生人類種とその近縁種、およびそれらの直系祖先)が登場した時代である。更新世の終わり頃から生物の多様性や個体数が激減し、スミロドンオオツノジカマンモスなど大型動物(メガファウナ)の多くが姿を消した。かつて多様性を誇ったゾウ類や奇蹄類はもはや風前の灯火であり、オーストラリア大陸固有の大型動物もカンガルーの一部以外は全滅した。マダガスカルなど大きな島の固有の大型動物などもほとんどが生存していない。また、人類種もネアンデルタール人など、現生の我々ホモ・サピエンスを除いて全て絶滅している。


以前は、更新世末期の大型生物の大量絶滅は気候変動によるとよく言われてきたが、近年は現生人類のアフリカ大陸外への進出が最たる原因だという説が推されている(参照)。現生人類は優れた狩猟・採集技術のみならず畜産や農業などを生み出し、それによって自然環境の改変を急速に進める能力があったため、それに対処できない動植物の多くは激減し、絶滅の道を辿ることになってしまった。現生人類の影響による大量絶滅は今も尚続いており、専門家の間では「史上6度目の大量絶滅の時代」とも呼ばれている。過去の大量絶滅では例外なく生態系が地球規模で崩壊し、生態系上位にあった中~大型動物は姿を消している。つまり、我々、現生人類が「6度目の大量絶滅」をこのまま進行させてしまうというなら、その結果は…


関連タグ編集

地質時代 古生代 中生代

古第三紀 新第三紀 第四紀

絶滅動物

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