概要
先カンブリア時代とは、約46億年前に地球が誕生してからカンブリア紀の始まる約5億4100万年前までの地質時代を指す。
化石証拠が少なく、特に38億年以上前の岩石となるとほぼ地上には残っていない。よってそれ以前の地球については「月の石」などから推測されている部分が大きい。
1992年、オーストラリア西部で一応「34億6500万年前」の地層から、ビーズを繋げたようなものの化石(サイズは一ミリ以下)が発見され、「プリマエヴィフィルム・アモエヌム(primaevifilum amoenum)」と命名された。これは研究者により
a炭質有機物
b構造は無機物より複雑
c標本が大量に発見されている
d水底(紫外線対策はばっちり)にある
e細胞分裂と生長した(シアノバクテリアっぽい)とみられる
f光合成したっぽい同位体がある、点から生物だと主張されたが、鉱物もこのくらいの構造取れるなどと言われ、生物であるかが疑問視されている(「否定された」とは言ってない)。
後、プリマエヴィエフィルム生物説に批判的な学者らが、2011年、34億年前の地層(なんかオーストラリア)から、円形あるいは楕円形で、細胞みたいなものが認められる原核生物っぽいもの(大きさは0,05ミリに満たない)を発見した。こっちの皆さんは、ある特定の環境に生息し硫黄代謝をしたらしい。
真核生物は21億年前の地層から発見されている。グリパニア・スピラリスと命名されたこれは、サイズが数ミリから数cmに至り、概ね長細い螺旋状の体を持つ。
時代区分
隕石の衝突や火山活動が非常に活発で、地上が高温であった冥王代(40億年前まで)
地球上の大半が海であった太古代(25億年前まで)
まとまった陸地(大陸)が形成される原生代(5億4100万年前まで)
に分けられる。
生物相
生命誕生の当初は原核生物(細菌と古細菌)しかおらず、高熱・無酸素環境(嫌気的条件)に適応したものがほとんどだったと思われる。
太古代の25〜30億年前に酸素発生を伴う光合成生物(藍藻)が生まれ、地球環境は激変(大酸化事変)。酸素で呼吸を行う生き物(好気性生物)が地上に広がった。
原生代には真核生物が生まれる。当初は単細胞生物か単純な細胞群体しか存在しなかったが、原生代中期に本格的な多細胞の藻類が出現、末期のエディアカラ紀になってエディアカラ生物群と総称される肉眼で見えるサイズの動物(それ以前の生き物はだいたい顕微鏡でないと見えないサイズ)が多く誕生した。
先カンブリア時代の主なできごと
後期隕石重爆撃期・月の形成(冥王代)
プレートテクトニクスの開始(冥王代~太古代)
大酸化事変。オゾン層・縞状鉄鉱床の形成(太古代)
スノーボールアース(太古代・原生代)