古細菌(アーキア)は、細菌などの原核生物と多細胞生物を含む真核生物と並ぶ生物の最上位の分類である3つの「ドメイン」の1つ。および、そのドメインに属する生物の事。
古細菌に属する微生物は古くから知られてきたものの、細胞内構造や遺伝子において細菌と大きく異なると認識されるようになったのは比較的近年(1980年代ごろ)のことである。
古細菌の大きさや外部形態は細菌とほとんど同じなのだが、分子構造や遺伝子などが細菌とはまるで異なり、どちらかというと真核生物に近い(とはいえ、古細菌のDNAの大半が細菌とも真核生物とも異なる古細菌独自のものである)。また細菌と違って芽胞を形成しない(細菌にも形成しないものがあるが)。
人間との関係については、病原菌になるものは知られていない。メタン発酵を行うメタン菌や塩田を汚染する高度好塩菌、温泉で増殖する好熱菌がよく知られているが、有害物質の分解や抗生物質の生産などの有益な古細菌を分離培養する研究も始まっている。
細菌(原核生物)から枝分れした系統の生物(要は、古細菌が地球上の出現したのは一般的な細菌が地球上に出現したよりも遥かに後)なのだが、極限環境(高温・深海・高塩分など)に生息している事が多い事や一般的な細菌と細かい性質が色々と違う事などから「細菌の中でもより古い、地球で最初に生まれた頃の生物の特徴を色濃く残した細菌ではないのか?」と考えられた時期が長く続いており、その為に「古細菌」と呼ばれるようになった。
(「実は通常の細菌の系統から枝分れした相対的に新しい系統の生物」と判明した時には「古細菌」という呼び名が定着してしまっていた)