概要
真核、つまり明確な境界を示す核膜を持たない生物。細菌と古細菌がこれに当たる。
対置されるのは真核生物。
真核生物と違って細胞核がなく、DNAは細胞質にむき出しのままである。ミトコンドリアなどの膜で覆われた細胞内小器官も持たず、タンパク質を合成するリボソームのみを持つ。
ほとんどは単細胞だが、群体や多核体を形成することがあるほか、細菌のうち藍藻(シアノバクテリア)類の一部には多細胞性のものがある。
細菌・古細菌・真核生物の比較
細菌 | 古細菌 | 真核生物 | |
サイズ | 約0.1~1マイクロメートル | (細菌と同様) | 5~100マイクロメートル |
細胞壁 | ペプチドグリカンなど | タンパク質など | 糖鎖など |
細胞膜 | エステル型脂質 | エーテル型脂質 | (細菌と同様) |
細胞の移動 | 細菌鞭毛、滑走 | 古細菌鞭毛 | 真核生物鞭毛、形状変化 |
細胞小器官 | リボソーム※ | (細菌と同様) | 細胞核、ゴルジ体、リソソーム、ミトコンドリア、葉緑体など多数 |
DNA | 環状 | (細菌と同様) | 線状 |
mRNA | 修飾を受けない | (細菌と同様) | キャップ構造付加、スプライソソーム型イントロン |
※膜で囲われていないリボソームなどの構造を細胞内小器官に含めない場合もある。その場合、原核生物には細胞小器官は「ない」ということになる。